黄昏通信 Vol.26
物静かな夜です
街の明かりは絶えず瞬き、
いつもと変わらぬ風景は、
ざわめく昼間から汚れを、
語りかけるようにそっと、
心まで表わす僕を撫でる。
なんだかちょっぴりと
今日は書きたい気分で
変わらぬ夜に綴ります
いかがお少しでしょうか。
こんばんは、ろどです。
僕の部屋の窓から見える夜景は
決して大した風景じゃないんだ
街の明かりで照らされる夜空と
コンクリートに固められた川面
休むことを知らない大通りの車
タイヤの音は静けさからの鼓動
とても無機質で冷たさを感じる
そんな光景は悲しくも寂しくも
心の安らぎを求める夜景に遠く
でも飽きずに眺める僕はここに
でもね、好きなんだ。
少し離れた先に大きなマンションが
立っていて無機質にも規則正しくも
並ぶ窓の列の光に僕は見せられてる
少しカーテンが開いた窓
動く人影は団欒の頃かな
薄暗くも微かな光を届け
主と家族は夢の旅人の夜
ここの明かりの下では、色んな生活があり人々が生きてる光、笑い泣き喜び叫ぶ。
そんな生きる時間を記すかの光の列が、色とりどりに光沢を僕の目を楽しませる。
あのね、
この光には2つあって、鮮やかに閃光と己の主張を誇示し全てを支配するかの白色の明かりの元は蛍光灯。あまりにも白の世界は無に近く無機質と空虚に覆われる。
もう一つは、薄暗くも逞しくそれでいて優しさの温もりを感じる淡い黄色の暖かさは、まるで母なる胸の中に眠れる安堵の囁きは白熱灯。
僕は暖かさを感じられる白熱灯の明かりが好きで、窓辺に見える黄色の明かりが好き。でも、全部黄色じゃ、人の生活観が感じられなくて、程よく白く、程よく黄色の世界が好き。
みんなはどうかな。
白熱灯の明かりは心を暖かく癒してくれる様な気がして、この黄昏通信を書くときは、部屋の明かりを消して、スポットだけのムードランプだけを灯す。
・・・かなり薄暗いけどね、やっぱり良いよね。街には建物をショーアップするライトは白熱灯が多くて、昼間見る太陽の光に近い蛍光灯のライトアップは余り見ない。
夜の公園の恋人達が座るベンチには、まるで唇の場所だけ分かればいい程度の薄明かりで二人を演出するのも白熱灯のなせる技。
そんな白熱灯
でもね、このエコの流れ、二酸化炭素排出などなどの巷で騒がれてる時代の流れは、こんなところにも・・・ひょこりと顔を出し、いとも簡単に奪っていきそうです。
白熱灯の生産を2012年までに中止するようメーカーに要請。
こんな見出しの記事が踊ったのは、少し前の洞爺湖サミットの頃。
フェラメントの熱から発光する白熱灯は消費電力効率も悪く、二酸化炭素排出という看板を掲げた世間の風潮の矢面に立たされ、いとも簡単に消えて無くなる運命に少しの寂しさを感じます。
かのエジソンの発明は、明かりを灯すだけでなく心も灯す事の出きる光だったのに、それも無くなりそうです。
時代の流れには、時にして卑劣でも有るけど、得るもの失うもの・・・時代が変わるって言うのは、こんな積み重ねなのかなって思わざる得ないな。
ちょっと悲観的な、今夜の黄昏通信。
新しい光が現れることを期待して、
今夜も窓辺を眺めるいます。
一つ、また一つ、
眠りの誘いに消え行く窓の明かりは、
繰り返される夜の終わりへと導いて行く。
おやすみなさい。黄昏通信。