アメリカで指紋押捺させられた驚愕の場所
この写真で、指紋押捺させられているのは私である。
えっ?アメリカでなんか悪いことしたの?なんて思わないでほしい。私だってこんな場所でそんなことさせられるなんて、そりゃ〜驚いたのだから。
だってここ、娘の小学校ですもの!
なぜ小学校で指紋押捺なんてしてるのかって?それは、学校のボランティアに登録するため。
前回、娘のアメリカの小学校で読み聞かせボランティアをしていた話を書いたが、その小学校にボランティアとして登録するには、以下のものが必要だった。
1、「自筆サインした、性犯罪歴がないという証明書」
2、「指紋」(採取の手続き料は、確か10数ドルで自己負担)
3、「結核でないという診断書」日本人はBCGを打っているので、もしも血液検査の結果陽性反応性が出た場合、自費でレントゲン写真を撮って添付。ちなみにアメリカの医療費はとてつもなく高く、ボランティア用血液検査は、特別セール価格60ドルだったと記憶している。私はめでたく?陰性だっただめ、レントゲンは撮らずに済んだが、高額なレントゲン費用も自己負担になる。
そんな面倒な手間隙とお金をかけて、やっとボランティアに登録できるという驚きのシステムなのだが、それはひとえに子供たちの安全を守るため。ボランティアで学校に入った大人が、子供にわいせつ行為をしたり、結核をうつさないための対策なのだ。
日本人からしたら、保護者の無犯罪証明書や指紋を提出させるなんてびっくりだが、それだけ安全に対する意識が高い、逆に言うと安全でない社会、ということなのだろう。
アメリカでは性犯罪者の住所、氏名を公表しているので、近所に性犯罪歴を持っている人が住んでいるかどうかを調べることが出来る。日本ではこうした措置が取られていないが、アメリカでは性犯罪者のプライバシーより、市民の安全の方が重視されている。犯罪の中でも、性犯罪は再犯率がとても高いので、情報開示が必要だと考えられている。
日本では最近、ベビーシッターの子供に対するわいせつ行為が明らかになりニュースになっている。海外では、子供に関わる仕事やボランティアをする人に、犯罪経歴証明書などを提出させることが法律で定められている国も多いなか、日本でもシッターの採用時に性犯罪歴を調べるシステム(日本版DBS)を導入しようという議論が高まっている。大勢の目があるところですら犯罪が起こることもあるのだから、子供だけが密室で接するベビーシッターには、特に注意が必要だろう。
それから先生や保護者を含む、学校関係者のわいせつ行為や盗撮などといった事件も枚挙にいとまがないが、これとて子供と密接に接するチャンスがあるのだから同じく注意が必要だ。
ただしこれは、ベビーシッターや先生、保護者などを疑えということではないことを、くれぐれも理解していただきたい。私が学校で書類や指紋を提出しているように、疑わしい人物ではないという証明の制度を設けて、それをパスした人が正々堂々と働けるシステムを作った方が、子供に関わる大人、そして当事者である子供たち、双方のためかもしれないという話だ。
日本では、先生であれベビーシッターであれボランティアであれ、「子供を預ける人にリクエストをしたり、疑いの目を向けるのは失礼ではないか」という気遣いがあるような気がするが、大切な子供を預けるのだからこそ、相手としっかり意思疎通を図ったり、相手を精査することは必要だと思う。
私自身が子供を預かっていただいたのは、海外でも日本でも、家族ぐるみで仲良くしていただき全幅の信頼を寄せている方たちだったが、ベビーシッターのマッチングサイトなどでしか人を探せない保護者にとっては、子供の安全を担保するため、万全の対策をしてほしいと思うのは当然だろう。
人の善意を疑わないという日本人の美徳はすばらしいけれど、何よりも子供たちの安全を最優先していきたいものである。
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