ネットリテラシーの教えかた超実践編
昨日、かなりいや〜な感じのコメントを受けたので、これ幸いと中学1年の娘にデジタルリテラシーを教える教材として使わせてもらった。これからオンライン授業が増え学校のICT化も進むこの時代だからこそ、絶対に必要なデジタルテラシー教育について考えてみた。
Twitterでリツイートしていただいているおかげで、とてもたくさんの方にキンドルに関する記事が読まれている。そのいや〜なコメントは、その記事に対して、私のFacebookに書き込まれたものだった。
アンチのご意見をいただくことは全く問題と思っていないが、あまりにも論旨がひどいものや、ただのヒステリックな八つ当たりみたいなものに返信する必要がある場合は、注意しないといけない。
あまり目にすることのない、貴重な酷いコメントをいただき「お〜これはチャンス!」と、嫌なメールに返信しなければいけない場合の超実践法を、娘にレクチャーしてみた。これは私が考えたやり方だが、自分を守り、かつ相手も傷つけない方法なので、ご紹介したいと思う。
1、まずは相手のコメントを音読し、自分の中に湧き起こる感情を感じてみよう。体のどこに感じる? どんな色? どんな形? その感情は何と言ってるかな?
2、自分の中の感情をしっかりと味わったら、その感情を見ないフリせずしっかり受け止めて、「酷いよね」「悲しいね」「ムカつく」「びっくりだね」などと声をかけて共感してあげよう。
3、ここで目をつぶりゆっくりと数回深呼吸をして、気持ちを落ち着かせよう。落ち着いたら、相手の人物像を想像してみよう。この人はどんな仕事をしているのかな? どんな学校生活を送っているのかな? 家族や愛する人はいるのかな? 大好きな仕事や学びで輝いていると思う? いま幸せだろうか?
4、次に、ヒステリックに八つ当たりしている、この人の気持ちを想像してみよう。寂しい? 悲しい? 怖い? 孤独? 苦しい? 何かから目をそらしたい? 自分が大嫌い?
5、ではこの人は、そのような感情から嫌なコメントを出して、本当はどうして欲しいのか考えてみよう。かまってほしい? 注目してほしい? 自分には力があると誇示したい? 相手をいじめて優越感に浸りたい? ストレス発散したい? 実生活で満たされない欠乏感をここで埋めたい? コンプレックスの裏返し?
6、さあ、相手のことが少し想像できたら、今度は返信を書いてみよう。自分の感情を乗せるのではなく、淡々と伝えるべきこと、事実のみを明瞭に書くようにしよう。相手をなじったり変えようとするのではなく、主語はあくまで私。そして変えるべきは相手ではなく、その状況だという事を忘れずに!
7、書いた返信を音読して、3人に聞いてもらおう。まず一人目は【自分】自分の心を汚すような、意地悪やヒステリーが潜んでいないかな? 自分の品格を卑しめるような、嫌な言葉遣いはしていないかな? と確認しよう。
8、二人目は【自分の愛する人】例えば、パパやママがこれを読んだら悲しむかな? と考えてみて。(ただし、パパやママと違う意見を言ってはいけない、ということではない)
9、三人目は【メールを送る相手】その相手がリアルに目の前にいたとしたら、その文章を言葉に出して、面と向かって言えるか考えてみよう。三人から OKが出たら、「勉強になった。ありがとう!」という気持ちを込めて送信ボタンを押そう。
10、その相手から、何度もしつこく連絡が来たら無視するとか、ブロックするというのもあり。時と場合によってはユーモアで切り返すというのもいいかも。
普段はそんな無駄なことをする趣味はないが、今回は娘に教えるために、その相手の方のFacebookページものぞいてみた。公開されている記事はやはりクレームばかりで、お友達からのコメントもあまりない状態だったので、娘に、そういう背景から相手の情報や人物像を読み取ったり、必要ならそのまたお友達を見てみるといった方法も教えた。
キンドルの記事から、私はデジタル推進派で、何でもかんでもデジタルを好むと思われているかもしれないが、高校生未満の子供が、しっかりとしたネットリテラシー教育を受ける前に、スマホなどでSNSを使うことには、基本的には反対である。その理由は、こうしたデジタルアタックやトラップに耐えうるほどに、心が強くなっていない子供は、トラブルに巻き込まれやすい、と思うからだ。SNSの荒波を自分で泳いでいけるような泳ぎかたを教える前に、無防備にネット社会に放り込んではいけないと思う。
ただし、こうした実践的なネットリテラシーの教育を徹底もせず、ただただ反対している大人にも、反対である。禁じているだけでは、大人の勉強不足や怠慢と言われても仕方ないだろう。使わせる前にきちんと教育する、これは当たり前のことだと思う。
それからもう一つ、信用スコアの話もした。以前パレスチナ難民の男の子が医師を目指してハーバード大学に入学するため、アメリカについたとたんに入国を拒否された、というニュースがあった。理由はその男の子の友人が、Facebookで反米的な投稿をしていたから。その子は友人に対して「いいね」もしていなかったのに。
ちなみに昨年より、アメリカ入国のビザ申請には、過去5年間のソーシャルメディアのアカウント情報を申請する必要があるという。現代はAIのリサーチにより、私たちが思うよりもシビアに、その人物がスコアで判断されてしまうのだ。
オンライン上ではとても簡単につながれてしまうからこそ、こうした問題を知った上で、インターネットをきちんと使わないといけない。
それには、何でもかんでも禁止する前に、まずは大人である私たちがきちんとテクノロジーを使いこなす術を学び、子供たちにしっかりと教えていく必要があるのではないだろうか。
悩ましい、子供にとって最善かつ必須のスマホ対応は、与え放題でもむやみに禁止でもなく、デジタルリテラシー教育だと、声を大にして言いたい。
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