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日々のせいかつ、と、旅。

たとえ異国の地であろうと、それが続けば、気がつくとその人の「日常」となり、新鮮味がなくなってくる。きっとこれはどこで生活をしていても同じだよなあ、なんて当たり前のことをふと思う。

私はどちらかというと同じところにはずっと留まることができない人間のひとりだと感じている。常に変化し続け、何か新しいものを感じ取っていたい。好奇心を無くす時があるとしたら、それはこころが疲弊してしまっている時だとふと自分で思うようになった。自分のこころに余裕がなければ、そもそも「楽しい」という感情を感じることすらできなくなってしまうから。そんな時は自分で自分のご機嫌を取る。たくさん眠ったり、自分の好きなものを作って食べたり、好きな音楽を聴いたり。きっとそれは日本にいた時から変わらない。人それぞれ機嫌の取り方ってあるよね。

話が少し逸れたが、同じところに留まることができない、というのは、大前提として「帰る場所がある」「迎えてくれる人がいる」ということを自分で理解しているからこそ、どこへでも行くことができる、ということ。とてもありがたくて、とてもシアワセなことです。いつもありがとう。

そんな私の好きな言葉のひとつ、モットーとしている言葉。

"We are in Wanderlust."

*Wanderlust: a strong desire or impulse to travel and explore the world. It’s often associated with a longing to experience new places, cultures, and adventures, driven by curiosity and a love for discovery.
「wander」放浪する + 「lust」強い欲望、渇望
ワンダーラスト:日本語では「旅行願望」「放浪願望」「旅心」「放浪心」などと訳される。

イマの私としては、生きているうちはこの気持ちを忘れずにいたいなあと思う。「好奇心」と「ちいさな発見」がだいすきなこどものように、世界を旅するということ、新たな場所へ赴いてその国・土地での文化に触れ、ちょっぴりハプニングがあったり、冒険もしたりして。そんな旅心は心の片隅に追いやられてしまうことがあるとしても、常に持っていたいな、と。
誰も自分のことを知らない、自分もこの街のこと、人のことを知らない、それは私にとってはとてもワクワクしてしまう、ご褒美タイムなのだ。自分の知らない世界はこの世の中に無数に溢れていて、それをできるだけ自分の経験に置き換えていきたいと思う。

いつかのテムズ川からの夕陽

とある好きな写真家さんがこんな言葉を残していた。

「旅するように暮らす」

この言葉に私の理想は全てまとまっているなと思う。物理的に旅をして生きていく、という解釈ではない。もちろん弾丸で全く知らない土地へ足を運び、地元の人が生活をしている場所へ溶け込み、そこで暮らす自分を想像することもある。もし、このまちで暮らしたら、自分はどんな生活を送るかな。こういう点ではこっちの生活の方が楽しそう。けど、こういうことは自分はあまり得意ではないから、今の生活のが合っているかな。なんて、ふと、自分の「日常」に想いを馳せる。

ただ、実際に旅へ行かなくても、たとえふと退屈に感じてしまう日常であれ、「どこかからふらっと現れた旅人」を自分のアタマの中で演じてみる。普段の生活範囲の中でも旅人気分になって少し寄り道していると、まだまだこんな知らないところがあったんだな〜とちいさな発見があったりする。こんな良いところ、まだあったんだね、なんてアタマの中の旅人に話しかけながら、自分の日常もそう悪くないのかもしれないな、なんて思ったりする。そしてまた「日常」の大切さを思い出させてもらう。

旅へ出るたびにワクワクと同時に慣れない場所での緊張も無意識のうちに自分自身を包んでいる時がある。そんな時、ふと家へ帰るとどこかほっとして、全身が緩む感覚があるような気がする。ああ、ようやく帰ってきたんだな、安心して眠れる。なんて。

私にとって、「旅」とは、日々のせいかつを大切に過ごすために必要不可欠なもの、なんじゃないかなと思う。日常を抜け出すからこそ、忙しない日々の中で忘れがちな大事なことを思い出させてくれる。自分のまいにちを大切に生きるために、自分の好奇心を維持するために、ちいさなシアワセに気づけるように、自分へのごほうび。

ロンドンへ帰ってきた、旅終わりの飛行場

最後に、先日ふと耳にした、自分にとっては素敵だなと思った言葉を紹介させてください。

”Here we are on a journey, not the destination.”

ざっくり訳すのであれば、

「私たちが今いるここは目的地ではなく、まだ旅の途中。」


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
Thank you for reading—hope you have a lovely day! :)



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