ゴスペラーズ『逃飛行』から着想した掌編
降り続く雨から逃れるように夜のアーケードを歩く
昼間の喧騒が嘘のように静まり返った道
君を想いながら一人彷徨った
この静けさと僕の心の虚しさはよく似ている
そんな気がする
君にとっての正解と僕にとっての正解が一致していたかどうかなんて確かめようがない
はっきりしているのは
かつて君が僕の隣にいてくれたこと
それなのに僕は君を拒絶してしまっていたということ
結果的にいま僕の隣に君はいない
ただそれだけのこと
角を曲がると
向こうから歩いてくるのが君かと思って激しく狼狽えた
君に合わせる顔なんてもう持ち合わせていないし
どこにも売っていないのに
もっと君に愛を真っ直ぐ伝えるべきだったと思ってももう遅い
他の誰かにそうしたところで君への言い訳にしかならない
あの日々は
君にとってただの消し去りたい過去なのだろう
どれだけ苦しめたことだろう
そう思って君に告げたとして
君の苦しみが癒えるはずがないんだ
僕の後悔も
消えることはないんだ
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ゴスペラーズ
逃飛行
やっと思いついた…
でも相変わらずなんとも言えない出来。
しかも「飛行」ってタイトルについてるのに雨にしてしまった…うーん
ところで「逃飛行」ってタイトルの曲ってゴスペラーズ以外にもあるんだね。
Apple Musicで最初出てこなくて焦った…
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