オンライン会議

 えらいことになった。緊急事態宣言が出てから早1ヶ月、いよいよ会議をしなければ決まらない案件が出てきたのだ。これまで「不要不急」の名の下に、様々な案件を棚ざらしにしてきた数ヶ月。それにもいよいよ火がついてきた。これだけ放っておけば仕方ない。ただ問題は、これが町内会の案件ということである。

 職場であれば、仕事を通してある程度のIT機器やアプリは使っているし、チームの中で誰に気をつければいいのかは、なんとなく察しがつく。しかし、町内会である。年齢層は高いし、どの程度のスキルがあるのかも不明……というかほぼ期待はできない。中にはFacebookの存在を知らない人もいるくらいだ。以下は町内会最年少メンバーである私の、web会議用ツールの比較検討の記録である。

 今回のミッションのポイントは3つ

・無料で使える

・簡単に使える

・日本語表記である

 特に重要なのは二つ目だ。アプリのインストールとか、登録とか、ややこしい手順は踏めない。もともと「会って話す」と「電話で話す」がベースで回っていたのだ。それに、もし分からなくなっても、私が行ってセッティングしてあげるわけにはいかない。

 その条件で探し、候補に上がったのは3つ、Zoom、たくのむ、LINEである。

1、Zoom

・ 利点…認知度が高い、同時接続人数が多い、画面共有が可能

・難点…無料版は40分の時間制限がある

 最近あちこちで聞かれるためか、ほとんどのメンバーが知っていた。ただ実際に使った事がある人はおらず、操作には色々と不安がある様子。かくいう私もオンライン飲み会で数回使った事がある程度で、使いこなせているとは言いづらい。何より、無料版の40分の接続制限がネックで、候補から外れた。

2、たくのむ

・利点…アプリ不要、アカウント登録なしで利用できる、会議室の設置、入場が簡単、画面共有が可能

・難点…ブラウザによっては接続ができなくなる

 今回は会議ツールに拘らずとも顔が見て話せればいいので、飲み会用ツールも検討した。「たくのむ」は、私がこれまで使ったツールの中でも特に手軽だった印象があり、候補に挙げた。なんと言っても、ホストもゲストも会員登録無料というところがいい。家族のスマホやタブレットなどを借りてテストをしてみたところ、操作感も上々。これで決まりかと思ったところで、問題が発覚した。機器によってはルーム入場時のレイアウトが崩れ、部屋に入るのが困難になるのだ。そればかりか、一部入場ゲートさえ現れない場合も……。残念ながら、これも没になった。

3、LINE

・利点…使い慣れている人が多い、接続が簡単、利用人数が多い

・難点…LINEを使っていない人との連絡ができない

 昨今のLINEの普及率はすさまじい。いまやご高齢の方でもバリバリ使いこなしておられる。以前からうちの町内会員の多くが使っていることはわかっていたし、新しいツールを提案するよりも精神的負担も少ないはずだ。幸いグループ通話機能は難しい操作がいらないし、何よりブラウザに依存せずに済むのがありがたい。ただ難点にも書いた様に、LINEを使っていない、あるいは使えない人がいよいよ置いてきぼりになってしまう。ここをどうするかは今後の課題だろう。

結論

 テストの結果、我らが町内会ではLINEビデオ会議が採用されることとなった。どんな形であれ、顔を見て話せるというのは大きい。この数週間、会って話す機会がほとんどなかったので、顔を見た途端に会議どころでなくなり、近況報告合戦で結構な時間を費やしてしまったが、それもいい。顔を見て話すのがこんなに大事だなんて、コロナ禍の前には思いもしなかった。幸いなことに皆さん慣れが早く、会議は滞りなく行えそうだ。それにしても会議システムは毎日新しいものがアップされるので、色々目移りしてしまう。時間を見て、他のツールも試してみたい。

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