ファッションデザインへのおとしこみー軽井沢風越学園でのワークショップレポート③
未来の暮らしとファッションを子どもたちと創造するプログラム「FUTURE FASHION WORKSHOP」。今回は長野県軽井沢にある「軽井沢風越学園」でのワークショップの3回目から5回目の様子をレポートします。
<前回レポートはこちら>
前回までのワークショップで、テーマごとの未来の暮らしを想像し、そこにいる人の一日を切り取って、暮らしだけでなく暮らしている人の感情も含めて具体的に言語化していきました。
今回からはファッションデザインに取り掛かっていきます。
自由な発想で、でも意味のないデザインはない
ワークショップ3回目ではまず、デザインするファッションはどんなシチュエーションで身につけるものなのか、さまざまなシチュエーションを並べた「シチュエーションシート」を参考に、設定します。
前回の「ジャーニーマップ」の作成時にすでにシチュエーションが見えている人もいれば、主人公の設定のみでシチュエーションはまだ決めきれていない人も。どんなシーンのファッションにしようか、話をしながら決めていきます。
ファッションをデザインするうえで発想を広げるために、ファッションアイテムや素材についての説明も行いました。普段着のアイテムだけでなく、頭からつま先まで、着用できるアイテムはさまざま。コレクションやファッションショーでのさまざまなブランドの写真を見たりしながら、自由なフォルム、色の使い方、素材選びなどのファッションの要素を説明しつつ、そのファッションのコンセプトも一緒に解説。ファッションには役割やメッセージがあり、どんなデザインにも理由がある、という話をしました。
そしてファッションデザインを描く作業にそれぞれ取り掛かります。ジャーニーマップまでの言語化はスムーズだったものの、実際にデザインとなると、どこから表現して行ったらいいのか…と手がとまってしまうことも。低学年の子たちはすぐに思い浮かんだファッションを絵を描いていましたが、高学年になるほどマインドマップなど整理することからはじめ、徐々に表現にうつっていきました。
たとえば「月を行き来する世界」では、月と地球を行き来する暮らしになるので、普段私たちが地球で着ている現在のファッションが、月に行く際には何が必要で、今の服はどう変化するか…?何が追加されそうか?と、想像しやすいところから進めていきました。
ワークショップ4回目ーデザインがだんだんとできてきました
4回目のワークショップも、引き続き個別でデザインに取り掛かります。前回手がとまっていた人も、徐々にどんなファッションにしたいか、何を表現したいかがクリアになり、いろんなデザインを考えては、ああでもないこうでもないと、周囲の人と話をしながらデザイン画が完成に近づいてきました。
「月にいるときに光を受けてキラキラ反射させる服にしたいけど、素材はなにがいいかな」「雨の止まない世界の通学について考えるから、水に強いダイビングスーツについて調べてます」描き途中のデザインを見ながら、どんなことを考えているか、なにに迷っているかをみなさん話してくれます。
ときどき、いくつか作品をピックアップして「雨にあたらないようにするのではなくて、雨によって様々な色に変わる服にしてるんだって」「儀式のための服で、だからこの部分の形状を変えているんだね」と、みんなに共有しながら時間が進みます。
デザインシートにはデザインだけでなく、タイトルやこだわりポイントを記入する欄があり、こだわりポイントにはシチュエーションの説明からファッションデザインのポイント、素材感まで細かく記入をすすめ、完成に向けて集中した時間になりました。
ワークショップ5回目ー発表に向けた準備
最後の発表の際は、ファッションデザインの説明だけでなく、どんな暮らしを想像したかも含めて発表したいと提案があり、それぞれの未来のテーマに分かれて、それぞれの未来の世界の暮らしはどんな暮らしで、どんな日なのかを模造紙にまとめていきました。
1枚の模造紙のなかでひとりひとり設定した暮らしを書くグループもあれば、1つの世界に様々な暮らし方があることをまとめて書くグループも。それぞれ工夫して1枚の模造紙に表現していました。
次回は、最後の発表です。
>>最終発表会の様子ー軽井沢風越学園でのワークショップレポート④