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2016年4月の記事一覧
30.わたし、海の底に寝そべって。
ここはね、まるで、海の底みたい。
寝転がって、自らが吐いた泡が
どこまでも、どこまでも上がっていって
やがて見えなくなるまでただぼーっと眺めていたい。
光が一面に満ちるときもあるし、
途方もない闇に包まれることもある。
時折きみのうたがどこからか聴こえてきたならいい。
無性に泣きたくなるときもあるし、
誰かを愛したくなるときもある。
でも結局涙は水に溶け、わたしは半笑いでここから動けないんだ。
29.わたし、桜並木を歩く。
桜満開。春爛漫。
新しい道、いつもの道、
電車から見える景色に
さくら、さくら、さくら ───
柔らかなピンク色は
どうしてこんなに心を和ませるんだろう
柔らかな空の青も
とっても優しい
桜並木の下を歩く。
上を見上げて 足どり軽く
いっぱいに いっせいに
花を咲かせて風に揺れる
その優しいおはなしに耳を傾けるようにして
胸いっぱいに 桜の匂いを吸い込もうと
深呼吸してみたけれど