ニューイヤー駅伝2022
今年の上州路は、大荒れの気候だった。風が強くて、走っている選手たちが煽られ倒れるような状況。そんな中、Hondaが創部51年目にして初優勝を飾った。下馬評では3強と目されていた富士通、旭化成、トヨタ自動車がちぐはぐな襷リレーをする傍ら、安定して区間上位で繋ぎ、チャンスをものにした形だった。
ジンクスは今年も健在だった。6区で区間賞を取ったチームが優勝する。そして6区区間賞だったのは中山選手だった。中央大学出身だが、2年までは正式な部員として認められなかったのだが、4年次には箱根1区2位の成績を残した苦労人である。良い位置で襷を貰ったことで、中山選手本来の力を発揮できたのだろう。
3区小山選手、4区伊藤選手もよかった。伊藤選手は、さすがオリンピアンという走りを見せてくれた。それに7区は土方選手である。土方選手でアンカーといえば、2019年の出雲駅伝である。あの時はアンカーで一気に抜いてトップに立ったが今回はトップを守る戦いだった。途中、SUBARUの口町選手が5秒差まで追い上げたが、やはりマラソン2時間6分台の実力は違う。8km過ぎからペースを上げて、結局は区間賞の走りだった。
2位SUBARUも昨年出られなかった鬱憤を晴らすかの如く、地元群馬を颯爽と駆け抜けた。各大学のエースクラスをリクルートできたわけではないが、2区のインターナショナル区間でトップに立つと、その流れを活かした駅伝だった。つくづく駅伝は流れが大切なんだと再認識させられるレースであった。
3位は旭化成、こちらもオリンピアン相澤選手の脅威の3区区間新記録。そして4位に入った三菱重工の3区林田選手がその力を発揮した。現大学2年生世代の選手だが、中学から注目されていた。大学には進まず三菱重工のマラソン部に加入したわけだが、非常に無駄のないフォームで前に進む姿が印象的であった。井上選手が現エースだが、それを継承するのは林田選手だと十分証明できる内容であった。
五輪マラソンに出場した中村選手(富士通)、服部選手(トヨタ自動車)は辛い走りだった。明らかに2人とも本来の走りではなく、マラソンで受けたダメージが影響したことは想像に難くない。それでもまだまだ老け込む歳ではないはずだから、今後、また戻ってきてほしい。
さてさて、明日は箱根駅伝。HondaのOBである東京国際・大志田監督、中央・藤原監督は大いに刺激を受けたはずだ。下馬評が当てにならないことは今日の駅伝でよくわかったので、明日も1区から想像通りにはいかないかもしれないなと思いながら、明朝の区間エントリー変更を楽しみに待ちたい。