claimとcomplain
実験室で粉じんが発生する作業を行っている。粉じんについて少々述べると、ごく小さい粒子のことを指す。大きさでいうと10µm以下、これらの粉じんを吸うと健康に影響が出るレベルである。疾病の例でいうと、じん肺という、肺が固まってしまう恐ろしい病気がある。そうならないために、色々と対策を施している。
粉じん作業に欠かせないのはドラフトと呼ばれる閉鎖空間で、そこでは空気が負圧になる。つまり、舞った塵はどんどん吸い込まれていくので、人間が吸うリスクは格段に下がる。加えて、作業者はマスクなどで呼吸器系を保護する。これらの設備が整って作業が可能になる。
マスクも色々とあって、昨今使われているような不織布のマスクでは性能が足りず、防塵マスクという口と鼻を完全に覆うようなタイプで行う。しかし、ずっと付けていると、これが結構重たい。だから、もっと軽いものは無いか?と商品を色々探してみると、軽いタイプのものがいくつかある。ただ、その軽いものもずっと付けていると、口元が暑くなってきて、それはそれで呼吸が苦しくなって作業に支障が出る。各種、性能を謳う商品はあれど、結局のところは使ってみないとわからない。
自分は、防毒+防塵マスクで作業をしているが、なかにはそれだと苦しい・暑いという声がある。そういう声に耳を傾ければ、じゃあもっといい商品はあるのかな?と探すきっかけになる。そういう意見は、まさに「claim」である。英語のclaimの意味を調べると、「(事実として~を)主張する、(当然のこととして~を)要求する」という意味である。つまり正しい権利を主張したいときに使う単語である。実作業に支障が出るようなら、そこは迷わずにclaim、してよいのである。ちなみにクレーマーという言葉があるが、これは和製英語のようだ。不平を言うの意では「complain」、つまりクレーマーは「complainers」であるらしい。さらに常習的な「モンスタークレーマー」となると「chronic complainer」となるようだ。claimは必要な行為だけど、complainにならないように注意せねばなと思う。
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