【学習塾講師/学校教師】第一章・生徒の成長のために(2)「生徒の導き方」と「雰囲気の良いグループ作り」【指導方法/大切なこと】
お疲れ様です。教育コンサルタントP206です。
前回は、生徒を成長させるための「生徒への接し方」について、その前提について記述しました。講師等、生徒を教える方が理解しておくべき第一歩なので、まずは、皆さんが置かれている現状や、昔から言われている教育論のようなものについての理解を深めるために記述しました。
この業界に長くいればいるほど、客観的に自分を見直すことや、初心(必要なこと)を忘れてしまいがちですので、時間が作れた時・何か躓いた時などに一度考え直すことをおススメします。その際に、前回の内容を読み返していただければ幸いです。
今回は前回からもう一歩先に進み、実際に生徒とどのように接し、どのように導いていくのか、についての進め方を記述していきたいと思います。
私が生徒の学力向上を目指し性質を理解するために、効果的だと思う行動の一つ目は、『同級生の手と目を借りる』ことです。このように記述すると、ある生徒が日常生活や悩んでいると気づいた場合に、その同級生に「〇〇さんって今どんな感じかな?」と聞くことと考えるかもしれませんが、それだけではありません。
もう少し具体的に言うと、同級生(なるべく多くの同世代の生徒)を巻き込んで、良い雰囲気なグループを作るということです。
何故このことが必要かといいますと、皆さんが接しようとしている生徒(小・中学生もしくは高校生)は、大人な部分もありますが、まだまだ子供の部分が多いからです。
ここでの「子供の部分」というのは、実際に子供なのですから当たり前な部分であり、無理なく成長して大人になるためには(客観的に考えると)必要な部分と言えます。ですが前回記述したように、(自分の都合を優先してしまうことで)この子供の部分を悪と認識してしまい、講師等は、この部分を減少させる・無くさせるような言動をしがちです。
ここで私が記述している「講師等の言動」というのは、上から目線で、■■は絶対してはいけない、というように押し付けることになりがちですので、結果的に、生徒の理解を深め信頼を得て、その結果として学力アップにつなげるためには、マイナスな言動になることが多いです。
では、上記した「良い雰囲気のグループ」作りのためにはどうしたら良いかというと、様々な方法があります。
皆さんが、グループを構成しようとしている生徒たちの性質も、これを読んでいる皆さんの性質も様々なので、作るためのアプローチ方法は数えきれないくらいありますし正解も無いのですが、私がいつも行っている方法を数個記載したいと思います。
①自分の言動は必ず守る・言動に沿って行動する。言行一致させる。
簡単に言うと、そのグループ内での自分のふるまい方・考え方のルールを決め、生徒たちに宣言することです。
当然、生徒たちには学力・性別・性質に差がありますが、そのグループを上手く運営していくためには、生徒たちも守るルールを決めなくてはいけません。こう書くと、ルール決めについて難しく考えてしまうかもしれませんが、慣れるまでは基本的に1~2個で充分だと思います。それは、あまり多く決め事を作ってしまうと、自分が設定した過去のルールに縛られてしまい、柔軟なグループ運営が出来なくなってしまう可能性があるからです。
また、ルールについては、「世間一般的に当たり前と考えられる」内容にしてください。いくら講師等に人望があったとしても、凄く個人的な/偏っているルールであれば、従いたくないという生徒が出てしまう可能性も発生してしまいます。
例えば、私が基本的に設定しているルールはたった二つです。
(1)宿題をやってくる。(丸つけまで)
(2)授業中の問題演習中は私語厳禁。
というように、どちらについても当たり前な理由がありますので、どんな生徒でもきちんと説明すれば納得し理解してくれます。
②生徒に一目置かれるスキルを持つ。
何度も記述しますが、生徒たちは子供ですが人間です。なので、自分より優れている(と感じている)人に対しては、素直に話を聞き言動することがほとんどです。
ですが、ここでの難しいところは、「たとえ、ある分野で生徒たちよりも優れていたとしても、それを常にひけらかすようなことをしていては、鼻につくので逆効果です。つまり、授業中や日常生活の中で、さりげなくそういったところを披露出来なくてはいけない」ということです。なので、付け焼刃のような形では、全く意味のないことだと分かっていただけると思います。
ちなみに私は
(1)コミュニケーション能力(話術/説明・解説能力)
(2)雑学
の二つについては、恐らくですが、ほとんどの生徒やアルバイト・経験の浅い講師等を上回っていると思います。
(1)について、具体的には「生徒たちからの反応に対して効果的に対応出来る」スキルで、このスキルによって「学級崩壊とまではいかなくとも、他の担当講師等ではカリキュラム通りに授業を進行出来ない。/生徒の学力が下降傾向にある。」クラスを立て直したり、「担当したクラスの生徒(保護者)から良い評判が広まる」といったことが当たり前に起こります。
(2)について、具体的には「何でこの出来事が発生し、このような結果になったのか」等、出来事の裏側について授業に組み込んでいったり、「入試に向けて大事なルーティーンって何かある?」「何で勉強しなくてはいけないのか」等の日常的な疑問についても、きっちり理解させることが出来ますので、生徒たちの心構えの改善や家の中での振る舞い等について、保護者から感謝されることが多々あります。
ので、私の今までの経験の中から、他の講師等が持っていたスキルの一部を記述したいと思います。
例1 AV(オーディオビジュアル)A先生
見た目はお世辞にもイケメンと呼べるものではなく、今でいう陰キャという感じの雰囲気を持っていた講師でしたが、その頃のネット(2ちゃんねる等)知識に詳しく、日常会話で「○○乙」「ワロタ」等を普通に使いこなしていたため、いじられ・盛り上げキャラとして、男子生徒を中心に人気がありました。また、大学では化学・工学等に携わっていたため、実験など世の中の不思議についても詳しく、数学・理科分野で活躍してくれました。
例2 天使のI先生
いつも優しく、言動や雰囲気の柔らかさから、おとなしい生徒を中心に人気がありました。ただ、何を言われても・どんな状況でもニコニコしながら授業する様子があまりにも天使すぎるため、ちょっとヤンチャだった生徒たちから「p206さん、あの先生何か怖いんだけど」とまで言われ、I先生の授業では、普段は賑やかな生徒たちも黙って授業を受けるようになりました。全然怖くない性格だったのですが、まあ結果オーライですよね。
例3 雰囲気イケメンT先生
T先生は、一見するとジャニーズ系の可愛いイケメンであり、相手側が少し忖度してくれるので、私が対外的な(交渉のような)機会があるときには必ず同行させました。しかし「社会人なのにネクタイが一本しかない」「保護者から頂いたウイスキーボンボンを食べて、酔っ払い倒れる」等のように、どこか抜けているところがありました。このように、見た目と中身のギャップが面白く、女子生徒だけでなく男子生徒にも人気があり、普段は微妙に訛りがあったものの、発音が良かったため英語で大活躍してくれました。
このように、生徒が一目置いてくれるスキルというのは、人それぞれで多種多様なものです。どんなスキルでも大丈夫ですから、自分の優れたスキルを見つけ磨くようにしましょう。
今回は、生徒を成長させるための「生徒の導き方」と「そのために必要なグループ作り」について記述しました。
記述しているうちにかなり筆が進んで、大ボリュームになってしまいましたので今回はここで終了致します。
次回も「良い雰囲気のグループ作りの方法」の続きから記述していきたいと思いますので、次回の記事等でお会い出来れば幸いです。
さようなら。
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