【学習塾/講師】第一章・生徒の成長のために(4) 〆「雰囲気の良いグループ作りとその運用」【指導方法/大切なこと】
お疲れ様です。教育コンサルタントP206です。
前回・前々回と、生徒を成長させるための「良い雰囲気のグループ作成方法」について、私の経験を踏まえつつ具体的な方法を記述しました。おそらく、読んでいる皆さんと私の性質は全く違いますので、参考にならない部分もあるかと思いますが、前回の本質を理解していただいて、方法については、皆さんのほうでマイナーチェンジしていただければ幸いです。
では、今回も、前回の続きについて記述していきたいと思います。
⑤授業中、生徒に質問し答えさせる。
このことが、良いグループを作るために最も重要なことです。
「質問し答えさせる」。質問の仕方はただ単に(機械的に)聞いているだけですし、問題難易度もほどほどのもので良いです。
つまり、どの講師等も行っていることですが、その中身に気を付けなくてはいけません。。
(1)については、
「皆さんがお気に入りの生徒(ちゃん答えてくれる等)」を中心に質問していませんか?
(2)については、
「質問に対して、スムーズに・十秒程度で答えられない場合に、すぐに他の人に聞いていませんか?
という行動をしていないかどうかを振り返ってみてください。
ぶっちゃけて言うと、この質問についての「解答の正誤」についてはどうでも良いです。もちろん、正解の場合には「誉め言葉とともに授業を進めていく」のですが、たとえ間違っていたとしても、その発言・考え方について、こちらからねぎらいの言葉をかければ良いです。
この⑤の本当の狙いは、当たっているかどうかを確認するということではなく、
生徒全員を、自分の授業に参加させるということです。
昔からの学生あるあるなんですが、「何で学校(塾)に行かなくてはならないのか」という質問をされたことがある方も多いと思います。また、現在では、ゆ●●んのように、不登校youtuberという方も出現しています。その際には、「学校では授業だけじゃなくて、大人になってから役立つこと(人間関係など)も学べるんだよ」等と答えてきた方も多いかもしれません。
もしも、『教科書を読ませ、板書させ、ワークを解かせる』だけの授業でしたら、それこそ「この授業なら家で勉強しているのと変わらない。別に授業に出なくてもいいじゃん。(=学校や塾に行かなくてもいいじゃん)」となってしまいます。ですので、そういった生徒の疑問に答えることになりますので、生徒には授業に参加させることが必要で、そのための手段の一つが「質問し答えさせる」ということになります。
⑤を行うことで、「●●先生の授業は、家で一人で学習しているのとは全然違う」ということを理解した生徒は、授業に前向きに取り組んでくれますし、その姿勢の変化が、間違いなく学力にも反映されます。
質問し、答えさせる場合には、心身ともにきちんと生徒と向き合わないといけませんし、生徒への質問内容は(4)から、一人一人に対して様々に変化させないといけません。
これについては、皆さまが「人間」として「講師等」として当然行わなくてはいけないことだと思います。
⑥グループ内での決め事の設定と運用。
今まで記載してきた「良いグループ作り」については、グループを作ったのであればそれを運用することが当たり前です。そして、グループ運用のためには、ルール(決め事)を作成することが一つの手法です。その場合には、上手くいっているときは良いのですが、守らない生徒が出始める等問題が発生したときの対応が重要です。
まず、(1)については(基本的には)良くない対応です。何故かというと、ルールとして一度決定し運用しているものを無くしてしまうと、生徒たちが「ああ、このルールは簡単に無くせるほど軽いものなんだ(=もしかしたら●●先生が決めたルールは全部そうかもしれない)」と認識してしまうからです。そうすると、ルールを守るかどうかの瀬戸際の時に、生徒たちはルールを破る&無視することになってしまいます。
(2)については、生徒たちが守らない理由によって結果が変化します。守らない理由が「頑張らないから/ちゃんとしてないから」という理由であれば、有効な対応になることが多いです。ただ、守らない理由が「対象生徒自身の力ではどうにもならないようなこと」である場合には(例えば、部活や家の事情でルールを守れない)、不可抗力ですので、無理やり守らせることはかえってマイナスになります。そういった、「どうしてルールを守れないか」という理由は生徒各人によって違いますので、日常からきっちりとコミュニケーションをとることが重要になります。
また、ルールを守らない生徒が固定化してきた時の対応にも気を付けなくてはいけません。ルールを守らないことが常態化した生徒を、いつものことだから仕方ないといったように扱ってしまうと、他の生徒から「△△さんだけ贔屓されてるじゃん」「●●先生は嘘つきだな」というように感じられグループの雰囲気が悪化します。さらに最悪の場合、対象生徒や自分自身に対して悪意を持たれるかもしれません。
場の空気を読んで、時々はルールを守れないこともあるでしょうが、その場合には「まあ、今回は特例だぞ?」と伝えたり、「100%ではなく、70%程度は一致させる」という行動をして、必ず、自分は言動一致しているんだぞ、ということをはっきりアピールしてください。
今回も前回に引き続き、生徒を成長させるための「必要なグループ作り」について記述しました。次回の記事等でお会い出来れば幸いです。
さようなら。
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