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【学習塾/講師】第一章・生徒の成長のために(3) 続「生徒の導き方」と「雰囲気の良いグループ作り」【指導方法/大切なこと】
お疲れ様です。教育コンサルタントP206です。
前回は、生徒を成長させるための「良い雰囲気のグループ作成方法」について、私の経験を踏まえつつ具体的な方法を記述しました。おそらく、読んでいる皆さんと私の性質は全く違いますので、参考にならない部分もあるかと思いますが、前回の本質を理解していただいて、方法については、皆さんのほうでマイナーチェンジしていただければ幸いです。
では、今回は、前回の続きについて記述していきたいと思います。
③グループ所属の生徒間の関係性をきちんと把握する。
社会において、「三人いれば派閥が出来る」と言われていますが、これは学生グループでも同じです。生徒間において「好き(得意)・嫌い(苦手)」「積極的に関わりたい・あまり関わりたくない」の二つについては、どのような関係性になっているのか、グループをまとめる教師等として当たり前のことと考えて欲しいです。
関係性を把握していないと、たとえ、講師等として良いこと・しなくてはいけないことを行ったとしても、「何で私たちばっかり注意されるの…」「あの人たちばっかりえこひいきしてるんじゃない?…」と、マイナスだけを生徒たちが感じ取ってしまうことになってしまう可能性が高いです。
また、「常に関係性が変化している」というところが、生徒間の関係性を把握するために難しいハードルになっています。おそらく皆さんも、「あれ?突然、あの生徒とあの生徒が仲良くなったな(あまり話さなくなったな)」ということに気づいたことがあると思います。学生は、些細なことで仲良くなったり疎遠になったりしますが、私たちはその原因が分からないことがほとんどです。
しかし、そこで「最近○○さんと仲良いよね?(あまり話さないよね?)」なんてことを聞いては、絶対に、いけません。そんな問いかけをしてしまったら「別にそんなことどうでも良いでしょ?何で講師等に話さなきゃいけないの?」という反発につながることがほとんどです。
私たちにだって秘密(聞いて欲しくないこと)はあるのですから、生徒にも当然あります。ですので、そこまで深入りする必要は全くありませんので、「生徒間の関係性を把握することで、その生徒間の関係性が悪化しないように、上手い具合にグループを運営していく」ことが、私たち講師等の役割になります。
具体的には、
(1)関係性の悪い生徒同士で、共通の行動を頻繁にやらせない。
(2)ある生徒が不正解の問題は、その生徒と関係性が良い生徒に答え(対応)させる。
(3)関係性の良し悪しで、グループの席順等を決める(バランス良く配置する)。
などがあります。
生徒の関係性が関わってくるシーンは、授業中だけでなく休み時間等でも発生する場合がありますので、いつ具体的な対応が必要になるか分かりません。私は、自分自身が所持しているグループの出席簿(名簿)に、日付と内容を記載したものをいつも持ち歩くようにしています。
④授業の始業・終業時刻をきっちり守る。
このことについては、当たり前であり、簡単そうに思えるかもしれませんが、実践出来ていない方が結構多いです。
例えば良くあることとして、
「始業時刻になったとしても、生徒(講師等)が教室に入っていない」
「終業時刻を過ぎても授業が終わっていない」等です。
これを防ぐためには、
(1)授業の前に伝えること(プリント等を配布する必要)がある場合、
次の授業に関係が無い内容であれば、「授業の開始時刻には終了させる」。
関係がある内容であれば、「授業の開始時刻からスタートする」
(2)授業の内容が終業時刻で終わらない(途中で終わらないと気づいた)場合
時刻通りに終わりそうになかったら、
「その分はプリント等を配布し家庭学習でやってきてもらう」
「授業内容で、記述部分を減らしその部分は口頭で説明する」
と行動することで対応出来ます。
何故、始業・終業時刻をきっちり守らなくてはならないかというと、私たち自身に当てはめれば納得いくと思います。
私たち講師等は大人ですが、もし仕事で同僚や上司が、「開始時刻に遅刻してきた」「締め切りを守らない」としてきたら、どう思いますか?そういう人たちには悪印象しか残りませんし、もうこの後はなるべく一緒に仕事をしたくない、と思うのではないでしょうか?
これは生徒でも同じです。生徒には生徒なりの考え方や予定がありますので、それを乱すようなことをしていては、反発が起こりやすく講師等を中心とした良いグループ作りなど出来るわけがありません。
と、ここまで記述しますと、
「始業時刻をきっちりするのは分かりましたが、授業内容をきっちり終わらせたり、授業内容を濃くするためには、終業時刻を必ず守る必要は無いのでは?」
と考える方がいらっしゃいます。
もちろん、中学(高校)三年生等であれば、そういった「終業時刻をオーバーした授業」を望む生徒もいるでしょう。ですが、そのように望まない生徒も、必ず一定数います。それを「通常授業中は一括りにしてしまう」ので問題が起こりやすいです。
つまり、そういった生徒たちには、通常授業以外で追加の課題提出をさせる・休み時間や放課後に詳しい解説をする、ということをすれば良いです。
塾や学校というのは、塾や学校にいる時間帯に指導することが出来ますが、放課後(夕方~夜)や土曜日曜、については、私たちは手を出すことが出来ません。そして、私たちが手を出すことが出来ない時間帯について、生徒たちがどのように過ごしてくれるか、ということが、学力アップのための大きなポイントになることが多いです。逆に言うと、私たちが手を出すことが出来る時間帯だけで、生徒たちの学力が満足にアップすることはほとんどありません。
ですので、私たち講師等には、
(1)塾や学校にいる時間や授業中の時間に、学力アップのための授業やアドバイスを行う。
(2)家にいる時の家庭学習を効率的に行うための補助を行う。
という二つの役割があります。
この二つが両輪となり、滑らかに進んでいったときに生徒の学力アップにつながります。
しかし、もし、授業の始業・終業時刻が守られなかった場合には、この(2)についての生徒のやる気やモチベーションを削いでしまう可能性がかなり高いです。何故なら、きっちり、「遊びと勉強のメリハリをつけた行動」が家庭学習には必要だからです。
長時間の学習は、集中力の欠如等につながり時間のわりには効果は少ないですし、長時間の遊びは、学習のための意欲や体力を失ってしまいます。それを、避けるために、メリハリの利いた行動が必要です。そして、塾や学校で、講師等がきっちり実践して見せることが、生徒にもメリハリを身に付けさせる第一歩になります。
ですので私は、「終業時刻をオーバーする授業」については、そのことがプラスになる側面を理解はしていますが、上記のマイナス面が大きいと判断し、なるべく行わないことが良いと思っています。
ただし、例えば、
(1)とにかく塾や学校に長時間いて、さらに集中して学習出来る生徒グループ
(2)受験近くなど、学習することで不安を感じることを少なく出来る時期
等に当てはまる場合には、始業・終業時刻両方とも、柔軟に対応する必要があります。
今回も前回に引き続き、生徒を成長させるための「生徒の導き方」と「そのために必要なグループ作り」について記述しました。
今回も大ボリュームになってしまいましたので、ここで終了致します。次回も「良い雰囲気のグループ作りの方法」の続きから記述し、何とか終わらせたいと思います。
次回の記事等でお会い出来れば幸いです。
さようなら。
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画像は【Tome館長】さまからお借りしました。ありがとうございます。
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