レストランマジック:トリック選定10の基準(その1)
レストランのような現場でマジックをするとして
恐らくマジックそのものが占めている割合って
3割程度だと思います。
それ以外の事柄の方がよっぽど重要で、しかもそれらは
他のお仕事と全く変わらないと思います。
例えば、時間を守るですとか、清潔感を持っておくとか
ホスピタリティの心を持っておくとか。
当たり前のことがやっぱりメジャーな部分を占めますし
仕事としては当たり前のことだと思います。
という事は、マジックのことに関して理解しておくための
時間の方がかからないで手っ取り早いので(笑)
そこから行きたいと思います。
細かなトリックそのものではなく、どういったトリックが良いのか
そのフレームに関して触れていきたいと思います。
このネタ選定のフレームが分かっていれば、レストラン向きか
そうではないのかがすぐに分かります。
そしてそれらは10個ありますので、なんとなく覚えておくことも
大変ではないでしょう。
1回で全てをお伝えしきるのは難しいと思いますので
何回かに分けて10個すべてを触れていきたいと思います。
1:シンプル アンド ダイレクト
まずは、現象において、シンプル&ダイレクトであることです。
まずはシンプルの面としては、分かりやすいというのがあります。
覚えることがたくさんあると、作業工数がたくさんあるとか
そういったものは避けた方が良いです。
ここで間違って欲しくないのは、「こんなトリックはダメ!」って
言っているのではなく、避けた方が良いという事です。
例えば、実力がついて(マジックに関してのね)いろんな技術が
身についてきたら、大丈夫になるものも多々あります。
または、演じる場においては、1個くらい作業量が少々あるトリック
の方がお客さんの期待感とかサスペンスとかを盛り上げるので
アリなことも、もちろんあるわけです。
ただ、まずは現象がシンプルなものを選びましょう。
何でしょうねえ、こう、一言で説明できるようなものが良いですかね。
分かりやすいのは、出た!、消えた!、変わった!、当たった!とか
でしょうか。
スポンジの移動とか、説明しやすいですよね。
そういった現象がいいという事です。
また、工数が少ないものも選びましょう。
カードを当てるとしても、演者側の工数が多いと、時間もかかりますし
その間に相手が忘れる可能性もあります。
そういったリスクを減らすのもまた、レストランマジシャンのような
現場マジシャンの気の払い方です。
僕はあまりしないのですが、カードにサインをするというのも
実際には工数の1つになるので、しなくていいならしない方がアリですし
1テーブルで何回もサインするような手順もあまり良くないでしょう。
分かりやすい、工数が少ないというのが、シンプルの部分だと思います。
ではダイレクトとは?
これは現象が起こるまでの時間が短い、という事でいいと思います。
また別の機会に触れたいと思いますが「テーブルアプローチ」
という部分がありまして、テーブルに近づいてから第1現象は30秒以内に
みたいな考えがあります。
もちろん、こうできればベターです。
ただ、それと同様に、1個の手順で現象が起こるまでに
あまり時間を取らないものにしておくことです。
1つに1テーブルにいられる時間は限られています。
場合によっては2分で移動していく、というコマンドが来ることも
あり得るのが、リアルの場です。
そんな所で何かの歴史をとうとうと語ってからトリックに入る
なんてことはできないわけです。
下手にそんなことをしていたら、回りきれずにクライアントから
後で怒られるという事もあり得ます。
プロとしては、非常に間抜けですし、信用にかかわります。
なので、例えば第1現象までの時間が無駄にあったり
変に語っていたり、仕事がスマートではない場合には
プロらしくは見られない、というのがあります。
これはマジシャンを雇う側の方も、判断基準として
見ている部分でもありますので、お金になるマジシャンか
そうではないのかについては、非常に分かりやすい部分です。
話は少しそれましたが、1つのトリックの時間は短い方が良いのです。
カードを選んでもらう、カードを戻して混ぜる、カードを当てる
ここまでの時間などは短い方が良いわけですし
相手のテンションも保たれている状態です。
レストランマジシャンの場合だったら、短い時間で現象まで行った方が
同じ時間内に複数のマジックを演じることができますので
お客様の満足度にもつながります。
そういったことを考え始めると、ポケットの使い方である
ポケットワークなどにも触れていくことになるのですが
それもまた別の話という事で。
もしレストランでの演技をしたいとして、あなたの演じられるトリックの中で、スタートから30秒以内で現象が起こるものはありますか?
もしないのでしたら、レストランで演技をし続けることは
難しいことになるかもしれません。
早めに上記の視点を持った状態で、新しいトリックを探してみるか
上記の視点で手順をアレンジしてレストラン向きに仕立てていきましょう。
さて、2つ目の要点に行こうと思ったのですが・・・・
思った以上に長くなったので、今回は1個だけ。
では。
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