心理学的知見、信じすぎてません?
毎度おなじみ、レストランマジック研究所小林です。
小林は、大学で化学を専攻し、まあ何とか卒業をしておりますので
自然科学の分野において学位を持っているわけです。
大学卒業をした人でさえ、科学の分野として
「人文科学」「社会科学」「自然科学」の3つがあるという事を
知らない? 意識してない? 方もいる事でしょう。
そんなこと、何の役にもたたないからと言えばそれまでで
とはいえ、大学卒業程度の学業を修めているなら
分かっておいて欲しいとも思いますが。
(多分、ここは受験屋としての部分も)
科学と言える重要な要素としては
検証可能、であることがあるわけで
つまりは再現性ってことです。
これがあやふやだと、科学的ではないと判断されるものになります。
それが悪いのではなく、科学的ではないだけです。
で、です
僕は
人間の心理や行動を扱っているものなんて
科学的なものなんてそれほどないだろう、って思っていたし
思っているし、思い続けるだろうと、思っているわけです。
でも、その分野の研究者は、その人生をかけて
科学的であることを証明するために
色々とやっていくのでしょう。
そしてそういった理論は、ある意味日進月歩で進化したり
変遷していくわけです。
ほら、2024年現在では鎌倉幕府が1192年ではなく
1185年に開いたとなっているはず。
そういった事が、人間心理に関わる分野でもひっきりなしに
起こっているわけです。
で、アカデミックな世界にいる人、しかもその分野に
しっかりとある種、科学者として接している人は
変化している情報を手にすることになると思うのですが
そうではない場合には、アップデートされないまま
という事になるわけです。
この辺もかなり危ない?部分があって
アップデートの概念がないレベルの人もいるし
科学的である分野の事だと理解していない人もいれば
確信犯でやっている人等。
例えばです、マズローの欲求段階のピラミッドを
見たり聞いたり学んだ人も多いと思います。
ただ、これって、2000年代にはアカデミックな場において
既に廃れたものになっていたようで。
なので、欲求段階にもいくつもの理論が生まれています。
僕的には、欲求に段階はあるが、一概に決めきれないのだろうなあ
位の概念にしている感じです。
つまり、2000年以降位で、マズローの欲求段階を
まるで「絶対的に正しい理論」のように語っている人や
教えている人は、イタイ人なわけです。
少なくとも、その人は
アカデミックな場で、その事柄を学んでないし
情報のアップデートから手を抜いている人です。
言葉を選ばずいうなら
情弱相手に過去の理論を大上段に振りかぶる人
と見られても仕方ないかもよ、ということです。
前置き的な部分が長くなった感もありますが
さて、マジック分野に踏み込みますね。
いまさらですが、マジックの世界にメンタリズムが跋扈し
そのような演技をする際に様々なそれらしい理論や理屈を
語る方もいらっしゃいます。
あくまで演出として言っているならいいんですけどね。
(昔サーカスに居ました、とか、宇宙人に誘拐されまして、レベルの事ってことです)
演じる側がホントに信じていたり、不勉強だったりすると
見ている方に、危なっかしい知識を植え付ける可能性もありますし
または、相手の方がきちんと科学的手法で学びをしている方の場合
相手にされなくなる、という可能性も。
僕も演技の際に、心理学的な分野の事柄やNLPに関して
説明をすることはありますが、常に頭の中では
「と、言われている」程度のテンションにしています。
なので「~なんです!」みたいに言い切っている人を見ると
もう、怖くてしょうがない(笑)。
まあ、そこまで含めての演技です、って思っているのかもしれませんが
だとしても結構諸刃の剣なのではと思っております。
上記の記事をお読みいただき、そして書籍もお読みいただけると
かなり真っ当な感じで、心理学的バックボーンを語れるように
なると思います。
科学的にOKレベルの効果もあれば、仮説レベルだったり、経験知レベルでの事柄であったりするわけで。
それらに対して、少なくとも演者が適切なスタンスを取れるようになるはず。
そうそう、大学の心理学部で、マジックに使えるような事柄を
学べると思っている人もいるのかもしれませんが、まあそれが難しいことも
分かるでしょう。
ちなみに、一般の方の考える心理学の先生的なものは
心理学部に行ってもダメで、医学部に行かないとなれません。
大抵、心理学の分野は文学部に属しておりますので。
(文学部心理学科とかの表記になるわけで)
最近だと、行動経済学がだいぶ幅をきかせてきている感じで
これ関連だと、ナッジとかもですかね。
上記の記事を是非1読していただけると。
まず、大昔?の経済学とかって
「人は100%合理的な行動をとる」
という前提のもとに、諸々考えられていたはずです。
それが
「予想通りに不合理」(という書籍)
あたりで
「いや、そんな合理的じゃないでしょ、人って」
という、きわめて当たり前のことを示してから
行動経済学というものに、有用性があるのではと思われ始めた
位におもっております。
で、面白いのは、この
「人間って、合理性がないよね」
って事柄でノーベル賞を取っていたんじゃないかな??(笑)
損失回避性で、ノーベル経済学賞が贈られ、そして今は
行動経済学そのものが、徳俵に足がかかっている状態のようで。
さて、ナッジのベースになっている行動経済学の理論に関しても
科学的ではないモノが散見されるようです。
つまりは、再現性がないとのこと。
論文時には、実験値が改ざんなどをされていたのでは
と言われるものもある位で。
なので、行動経済学をまるで宝物のように扱ったり
ナッジを必ずそうなるもの、として扱っている人を見たら
個人的には距離を取った方がいいんじゃない?って
思っております。
確信犯として、それらの事柄を扱っているなら
その人はウソつきで、それを気にしない人だからという事です。
そうではないなら、不勉強とか人に言われたことを自分で
確認もせずに信じるという怠け者の部分が見いだせるからです。
自身で論文を読んで学ぶ、なんて人そうそういないでしょう。
事前の策としては、ある程度専門的な書籍を手にして学ぶ
という事になるでしょう。
ネットで見かけた記事を鵜呑みするっていうのだけは
注意した方がいいし、ネットの記事であっても
論文を書く際の作法を守っている位の書かれ方をされてるなら
きちんと作法を知っている人、科学に関して分かっている人が
まとめている可能性が高くなりますので、信じていい部分も
多くなるでしょう。
じゃあ小林のこの記事は?ってなると
決して論文の作法では書いてなく、流し読みして
気になったら調べてみましょうね、位に活用して頂ければ
十分かと(笑)。
自分の演技のセリフの中で、またはお客様と話す際
気づかずに古臭いことを言ってません?
一般書レベルで学べることは、しっかり学んでいって
マジックだけではなく、知識や教養ってものもアップデートを
していきましょう!
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