レストランマジック:トリック選定10の基準(その3)
そろそろ慣れてきましたでしょうか?
毎度おなじみ、レストランマジック研究所であります。
さて、10個の基準のうち、3つ目になりますね。
前の2つを読んだ方で「当たり前だろう!」みたいに感じる方も
いるとは思うのですが・・
でも、その当たり前を、きちんと徹底して行っていくっていうのは
なかなか難しいことなんですよ。この徹底度合いがある種の
プロ然とした部分になってきますから。
なので、テーブルに来てほんの数秒位で、この人はどれくらい
考えてマジックを演じているのかってことは分かります。
さて、3回目の基準ですが、持ち運びの簡便さです。
これ、実際には色々な面で考えていくことがらになるのですが、一番
分かりやすい部分としては、実際にレストランの中を歩き回る際に
でっかいバックとか持ち歩く必要なんてないですよね、ってことです。
1卓5分程度、演じるものを変えていく必要も多くないのですから
基本的には衣装のポケットに入る程度のもので十分のはず。
いちいちテーブルに付いたら、バックを下において、口を開け
ごそごそするって、もう時間がもったいないです。
もちろん、戦略的にバックを持ち歩き演技をするならまだしも
2時間で20テーブル回ってください的な場において、そんな時間ももったいないですよ。
後は、無駄に沢山持って行くってことは、自分のできる事の
外枠のようなものを理解してないってことです。
必要十分な量のトリックさえポケットに入れておけばいいわけです。
クロースアップで演じるのに、B4サイズくらいのスケッチブック持ち歩きます?でも、最近買ったから!とかで持ち運ぶ人もいるってことです。
繰り返し演じて、機敏さを重要視するレストランでの演技においては
サイズ感やセットリセットなども含め、量は絞っておくわけです。
自分のことで考えるなら、レギュラーデックが1つ、インビジブルデック
スポンジボールが3つにサムチップ、3本ロープとリング
後はパケットが少々くらいが最小のセットかと。
これくらいあれば、数時間演じ続けられますので。
ただし、同じことをするのに飽きるので、僕はもっとセットしますが(笑)
演じない事の方が多いですから。
実際にレストラン内を歩く際に身一つで動き回る方がいいわけですし
荷物なんか持って動いていたら、邪魔ですので。
そういった部分から、使う分だけ持ち運ぶのがベターです。
そして、もう少しプロとして大事な部分としては
レストランその物に持って行く物の分量です。
レストランのバックヤードなんて狭いのは当たり前です。
そこで働く方々のロッカーがあるくらいで、もういっぱいいっぱい
マジシャンの道具なんて置いておけません。
まあ、マジック道具以外のバックを邪魔にならない所に
ひっそりと置いておく位ですね。
もし、そんなバックヤードにでっかいキャリーバックを持って
毎週やってきていたら、正直そのお店で働く人からしたら
そりゃあ、邪魔ですよ。
ですから、基本的にはお店に持って行く分量も最小限に絞って行くのです。
そしてそこからさらに体にセットして、絞ります。
残ったバックには、要はバックアップのアイテムを入れておくわけです。
レギュラーデックが汚れたら、すぐに交換できるように、赤裏・青裏のデックを1個ずつ入れておくとか、スポンジボールが無くなってもいいように数個入れておくとか、サムチップやコインなど。
この辺の分量は経験値で持って行くわけですが、怖いからと言って
何でもかんでも持って行くのもまた、プロではないという事です。
たまにいません?旅行とかになると、鬼のように荷物を持って行って
結局必要なものを入れ忘れていたりする人。
または、沢山持ってきているのはともかく、どこに入れたのか全く分からず、取り出すまでに時間がかかるとかの人。
ホテルなどの会場で控室があるなら、荷物を広げて散らかしたとしても
まあ、まだどうにかなるかと思いますが、レストランではそんなこともできません。
つまりは必要なものをすぐに取り出せるようにしておく、という
極めて当たり前のことも、重要な部分です。
この考え方、持って行く物をできるだけ最小限に、というのは
特にレストランマジックで言える部分で、いわゆる営業などの場合
多少無駄なものを持って行くことが効果を発揮する場合もあります。
クライアントがいる場合に、あまりにも軽い格好で現場入りすると
それはそれで気まずい(笑)というのもあります。
仕事に対しての真剣度合いを荷物で計るというのもなんですが
ただ、分からない感情ではありません。
これは、わざわざ呼んでいるから、という部分もあるでしょう。
レストランはレギュラーの仕事です。
分かっている場での演技ですので、機動力や柔軟性と言った部分が
実に大切な要素になります。
その点を考えると、荷物は最小限で、持ち運びしやすいもので
演技をしましょう。
さて、3つ目の基準に関しては、ここまで。
では次回もよろしくお願いいたします。
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