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アルマンド・ルセロ氏との出会い~その思考と行動~

まあマジシャン限定のお話になるのですが
先日アルマンド・ルセロ氏のオンラインレクチャーがありました。

以前日本に来た時のワークショップ?だと一人当たり5万くらい??
ラスベガスとかで結構長時間で行われるものは1000ドルオーバー
とかだったような気がするので、それからすると
かなりリーズナブルな価格でした。

僕自身、ルセロ氏のレクチャーって
オンラインでもオフラインでも受けたことはないのですが
たまたま出会い、多少のセッションをするという貴重な
経験はしています。

そして、それは笑い話のネタになっております。

マジックランドに遊びに行った時でした。
いろんなマジシャンがいたり、外人さんがいても不思議の無い
場所なので、一人の外人さんがテーブルの後ろの椅子に座り
カードをいじっているのを見ても、大して違和感のない
状況でした。

ママさんとなんだかんだ話しつつも、その外人さんの
手の動きを見ていました。
同じ動作を丁寧に繰り返し、色々と確認しているのは
分かりました。

そして、そこで行っているテクニックは相当に難しいものであるのも
分かりました。

それを見ながら、僕はママに
「ママ、彼、カード上手いね!」
と言ったら
「小林君!何言ってるの!! 彼のこと知らないの!?」
と、強い語調でたしなめられました。

そう、そこにいたのが、世界中で大喝采を浴びていた
アルマンド・ルセロ氏でした。

確か、箱根のクロースアップ祭
(マジックランド主催の、毎年4月にあるコンベンション)
にゲストで出て、その翌年とか翌々年とかのころだったと思います。

僕はたまたまその年の箱根に参加していなかったので
彼のことはよく知らず、なんか高いワークショップをする人だなあ
位でした。

顔と名前が一致してなかったので、最初分からず
だいぶデカいことを言ってしまったわけです。

たまたま来日していて、マジックランドに遊びに来ている
という感じだったようで、初対面のマジシャン
ということには変わりなく、特に何ということもなく
同じ空間にいました。

彼はずっと丁寧にカードを扱い練習をしていました。

その間、たまたま、マジックランドのテレビには
DVDでとある映画が流れていました。
(上記一部修正させて頂きました、多分映画は「シェイド」だと思われます)
ご存じの方はご存じですが、その映画の中では
ギャンブラーがカードを扱う部分があり、そこでは
マジシャンが何人かコーディネーターとしてかかわっています。

その中で、ちょっと変わったラブバニッシュを行っていました。
面白い方法だなあ、と思ってルセロを見たら
同じ方法で、きれいにカードを消している!

なので僕は「あなた?」って聞いたら
「僕じゃない、友達がコーディネーターでやってる」
とのこと。

そこが会話のきっかけになり
「僕なら、こうするんだよね」
みたいな感じで、ルセロがラブバニッシュを見せてくれて
それを僕がまねる、みたいなことをしてました。

受け取るだけでは申し訳ないので、僕も1つ
と言って片倉氏の「ダブルショック」を演じました。
ルセロの得意技を知っていたので、カードのチェンジが連続的に
行われるトリックを選択したのです。

もちろん、僕のトリックではなく、先人の物であることを
きちんと伝えて。

それを見た後
「面白いね、僕ならこうする」
と言って、同じ現象を自身のテクニックを用いて
達成しようと試行錯誤を。

カードのポジション、位相、タイミングなど
自身が達成するならと実験している所を
たった一人の観客として、真横で見ていました。

ちなみに、この時彼は、得意なテクニックに対して
「ごめんね、これは教えられない。
とても高額な対価を出して習ってくれている人もいるから。
でも1回ワークショップを受けてくれれば
その後のアフターフォローはいくらでもするよ」
と、おっしゃってます。

自身のテクニックと教えたことに対しての自信と責任を
感じる言葉でした。

さて、ちょっとしたマジックセッションの中で
彼のマジック対してのセンスや考え方
見せ方など、その思考の流れや発現の仕方を
学べたような気がします。

これは、下手にレクチャーを受けるよりも刺激的な
瞬間になっていたと思います。

また、ランドのイベントの後だったと思いますが
移動式のステージなどの構想なども聞いたり
マジックに対して夢を持ち真っすぐに振舞うマジシャンが
そこにいました。

ルセロと言えば!みたいなテクニックやトリックが
いくつかありますが、たぶんそういったモノは
通常のレクチャーではまず見られないですし、教えてないでしょう。

それは彼のDVDである「Paper Cut」からも分かる部分です。
DVDの価格としてはかなり高額なものになっていますが
テクニック的には、もう少しやさしめなものを教えている感じです。

自身の発するコンテンツに対してのマネタイズレベルをコントロール
しているのだと思います。

ただ、マジックに対する熱量や哲学に関して等は
通常のレクチャーであっても何も隠す所はないでしょうから
そういったモノは容赦なく投げ込んできて来るとは思います。

レクチャーを受けた方は、マジック部分はもちろんではあるのですが
そのマジックを作り出し、支える部分を学び・活用するマジシャンが
日本でも生まれていってくれればと思っております。

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