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報68 半世紀前の映画『蛇鶴八拳』を初鑑賞

BS松竹東急にて、ジャッキーチェン主演の『蛇鶴八拳』が放送されていました。 小学生くらいの頃、親の影響で途中まで見たことはあったのですが、コメディにしか興味がなかった自分は続きを見ようとしませんでした。あれから四半世紀くらい経つでしょうか。ようやくフルで見たので、感想など。

素っ頓狂な事書くかもしれませんが、基本的に俺が映画やドラマを全くと言っていいほど見て来なかったので、『物語を見る力』が極端に弱いんですよね。 まぁ、レビューや映画批評ではなくただの感想なのでご了承を。

1977年制作。

約半世紀前。 実は蛇拳、酔拳、拳精よりも古い作品らしい。だいぶ顔の印象が違うのもうなずけるわけで。 てか半世紀前からアクション映画やってる人が未だに新作出してるのマジで人間じゃない。

お話としては、ジャッキー演じる徐英風が蛇鶴八歩の拳の秘伝書を持っており、様々な流派から秘伝書を狙われる。 その蛇鶴八歩は少林寺の長老たちが集まり開発したが、突如として失踪してしまう。 徐英風はある人を探す為、秘伝書を見せびらかしながらわざと戦うのであった。

全体としては比較的シリアス寄りだが、パンチして拳を痛がるなどコミカルな動きも入っており、減らず口キャラもここからなのでは。まぁこの作品では実際強いので減らず口というか軽口と言えるかもですが。

珍しいのが、拳シリーズで最初からジャッキーが強い事。 全部見てるわけではないのでアレですが、大体修行して強くなるイメージ。この作品では、映画の最初から蛇鶴八歩を習得しており、修行シーンは無し。 どちらかというと、ラストバトルに向けて次々に襲ってくる各流派の紹介に徹しているような。あと探偵要素とは言えないですが、一応人探しの要素も入っているので、結構ちゃんとしたストーリーの元動いています。

冒頭でちゃんとストーリーをナレーション込みで説明しているのも、この時代のカンフー映画にしては珍しいのでは。 割と丁寧に作られているかと。

そして、敵味方が目まぐるしく入れ替わる。この点も珍しい気がします。
裏切ったり、敵と思っていたがいつの間にか組んでいたり、もしくは敵同士が組んでいたり。
この点が長所でもあり短所でもあります(面接的言い方)。 基本的にはやっつけてあばよ!からのまたお前か!的な展開なので、流派が全然分からん。 俺の物語視聴力の弱さを発揮する『こいつ誰だっけ』展開がようありました。

ラストバトル

ラストバトルは、すごいけどどうなんだろう。
三本の槍を武器無しでかわすのはやっぱり格好いい。 ラスボス、前半は静と動といった感じで無駄な動きを見せない。それだけで強そうと思える。

一方で気になった点も幾つか。 粗探ししてるわけではなく、どうしてもツッコミ系の人間なのでそういう見方になってしまうのでご了承頂きたい。

・味方の声援がボロクソ。

お師匠様直々の『急所を狙え』発言。仮にも少林寺の人じゃないのかあんた。
あの拳精の館長ですら、『殺人技を使ってはならない』と言っていたのに(あれは実は息子だったルーツァオを守るためだとは思うが)。

・少年漫画のように集まった、かつての敵ら。

今の俺ですら、『おっ』となった、最後の集結シーン。
えっ、何もしねぇの!?
『しょうがねぇ!ジャッキー(徐英風)!手を貸すぜ!』的な熱い展開にならない。
当時の子供たちはやっぱりジャッキーの格闘シーンを見たいであろうからアレでいい気もするが、あんまり最終的に集まった意味がないような。敵も結果的に3人追加で戦ってるから別に加勢してもいい気が。 というか、敵味方入り混じっての追っかけっこにバトルをもうちょい短くして集結してからの展開を熱くすればもっと化けたのでは…とか勝手に思ってしまいます。
まぁ、ラストバトル手前に一回戦う辺りで共闘してるが。

・黄珠とジャッキー(徐英風)

ラストバトル…とは違いますが、ラストバトルに差し掛かる重要なシーン。黄珠が死んでしまう事で、頑なに『肩に傷を持つ男』について喋らなかったジャッキーが遂に真相を話す。 …のはいいんですが、あれほどなついてきて、罠にはまり牢獄へ閉じ込められてもご飯を持ってきた黄珠に対してさほどジャッキーが悲しそうじゃないのが気になりました。 まぁ泣き叫ぶというよりか、表情や真相を話した事が物語っているんでしょうけど、序盤からずっと出ていた脇役が以後これと言って触れられないのはいささか違和感が。

・衝撃のラストシーン。

半世紀前の映画にネタバレも糞も無いと思いますが、一応ネタバレ注意。
「ひゃー!」「うぅ…」「南無阿弥陀仏」「やったぜ」「はっはっは」
劇終。
いやまぁそうなんだろうけど!
これ以上ないくらいの、いやまぁそうなんだろうけど!エンド。
レッドドラゴン/新・怒りの鉄拳みたく、余韻もへったくれもない終わり方とはまた別の余韻もへったくれもなさ。
拳精やプロジェクトA、プロジェクトイーグルのように一オチあった方がいいのか、それもまた一興ですが、少なくとも『えぇー』ってなりました。
悪いとかじゃないんです。だって、そりゃそうなんだよ、敵を倒したから終わって何が悪いのって話なんですが、潔過ぎて驚かされます。
あと、これ書くためにその部分だけ録画見直したんですが、地味にラスボスが後ずさりしてるんですね。償いをさせる為にトドメは刺さなかったのか。

…とまぁ初回見た感想として、いろいろ思いましたが、もう一回見直してもいい映画だなと思いました。分かった上でもう一回見直すと、また発見があるかもしれませんね。 


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