知られざる奄美大島の魅力を見つけに。住用の市集落を歩く、野外活動!
奄美大島には約200の集落があると言われていますが、その大きさ(東京23区とほぼ同じ面積)と地形(山が深い)から、島内に点在する各集落、それぞれが異なる個性を持っています。
たとえば奄美大島の文化のひとつとして有名な「シマ唄」。この「シマ」は「島」ではなく「集落」のことを指していることが奄美大島では一般的で、実際に集落によって歌の内容が違っていたりします。
まさにそれぞれの集落・シマには「知られざる奄美大島の魅力」が詰まっている、ともいえるかもしれません。
そんな「知られざる奄美大島の魅力」を発見できる集落歩きのイベントが「ムルフィールゼミナール」で開催されるとのことで、リゾートワーク部のメンバーも参加してきました。
その模様を、リゾートワーク部の加藤がレポートします!
南海航路の中継地点として栄えた、市集落
最初に、今回の集落歩きの舞台、市集落についてご紹介します。
場所はこちら。太平洋側の住用湾に面した、奄美市住用町の中でも南東端に当たる場所です。
住用エリアといえば観光で賑わうマングローブ原生林!・・・なのですが、そこから車で15分くらい南東に進んだ岬の終点にあたります。ちなみに知る人ぞ知る「トビラ島」が見えるのもこの市集落です。
もともとは琉球との交易の拠点として栄え、奄美大島が薩摩藩の支配下に置かれるようになってからは、薩摩への砂糖搬出の拠点ともなっていたそうです。
海運がメインの時代には中心地として栄えた市は、車が通れる道路が開通して50年にもならないそうで、それまでは近くの集落に船で渡っていたそうです。陸路で山を越えることも可能ですが、険しすぎて海通る方が早かったらしく・・・。
道路が通って便利になってますます栄えるのかと思いきや、一方で海運の中心地としての役割を終えることにもつながったそうで、現在の人口はピーク時の2割にも満たず、100人以上の子どもたちで賑わっていた小中学校も今は生徒7名なのだとか(今は集落全体の人口が100人をちょっと超える程度)。
ここ数十年の変化を見るだけでも、時代が大きく変わっていることが感じられる集落です。
いざターバマ(高浜)へ!市集落について学べる集落歩き
今回の集落歩きのガイドは、市集落在住の「しげじぃ」こと山下茂一さん。
最初に市集落の基礎知識を教えていただいた後、道中で解説を聞きながら、市集落の名所ターバマをめざします。
ターバマ(高浜)は、奄美市の「1集落1ブランド」にも認定されている浜で、波で揉まれて丸くなった玉石で埋め尽くされており、波が寄せるたびゴロゴロと音を立てるのが特徴的です。
ちなみに、同じような特徴の浜としてはとあるドラマに登場した奄美大島南部、瀬戸内町にある「ホノホシ海岸」が有名です。
集落から墓地を抜けていくと、看板が。
「ここがターバマかあ・・・あれ、玉石・・・?」とかなっていたところ、本番はまだ奥にあるということで、さらに海岸を進んでいきます。
この途中に一箇所、干潮(それも大潮のタイミング)じゃないと渡れない浅瀬があります。
※干潮じゃない場合でも岩伝いに渡ることはできるそうですが、それなりのロッククライミング感が出るようです
そういえば、この集落歩きの日は集合時間(干潮時間)の都合により朝5時に起きて参加したのですが、一瞬で目が覚めるくらい風が強かったので、しっかり目が冴えた状態で、ターバマにまつわる伝承(シマ唄にもなっているイケメンと美女の話など)や、集落にまつわるお話(市の名家・住家について・・・などなど)を伺えました。
普通に行っても良い場所ではあるのですが、やはりガイドしてもらうと全然違います(そもそも島に住んでいても普通に行こうと思って行くほど行きやすい場所じゃなかったりもしますが)。
たとえば昔とは地形が変わっている場所があったり、ただの空き地に見える場所が、実はその昔には名家が建っていた場所だったり・・・と、教えてもらわなければ分からない情報が盛りだくさん。
その他にも昔からの集落にまつわる豆知識をはじめ集落の歴史や背景、どういったストーリーがあるのかを知ることで、わずかな時間の間に集落への見方が大きく変わる、新しい出会いや発見の多いイベントでした。
とはいえ感想を聞かれると「いやー、すごいなー。おもしろいなー。いやー、すごいわー。」くらいのまったく語彙力のない答えしか返せなかったのですが・・・(反省)。
奄美大島といえば、海や山でのアクティビティ!というイメージが強いかもしれませんが、実は大和と琉球の間で育まれ、集落ごとにも異なる独自の文化や歴史がとてもおもしろい場所でもあります。
奄美大島に遊びに来た際には、集落歩きなど、島独特の歴史や文化に触れる機会を持つのも(特にそういうのが好きな方には)オススメです。
リゾートワーク部でも、ひきつづき奄美大島の歴史や文化を学び、またレポートしたいと思います!