ニーズの言葉でなぜ心が動くか、共鳴が起こりやすくなるのか
NVC+村上春樹さん+河合隼雄さん経由のユング
ニーズの言葉でなぜ心が動くか、共鳴が起こりやすくなるのか、について、NVC+村上春樹さん+河合隼雄さん経由のユングについて齧って自分なりに気に入っている視点を通して書いてみました。
遠回りに感じるかもしれないけれど、そして、なんの有益性もないかもしれないけれど、まぁ、興味があれば読んでみてください。
①まずNVCのところから
NVCで使っているニーズの言葉は、「つながり」「信頼」「調和」など、抽象度の高い言葉です。
抽象度が高くなると、それぞれの中でその言葉を聞いたり使ったりした時に、それぞれの体験からなる体感や質感を浮かべやすくなります。
そして、それぞれ人の中で、ということは、「つながり」と言った時に、どんなことを思い出すか、感じるか、には個人差が出てかなり多様に可能性が高くなります。
具体度が高くなると、例えば「スニーカーで水たまりに足を突っ込んだ後のスニーカーの中の濡れたぐちょぐちょした感じ」と言った時に、想像する感覚が各人の間で近くなります。
つまり、NVCのニーズの言葉は抽象度が高いために、感じる質感、ニュアンスに幅が広くなります。
②村上春樹さんについて
村上春樹さんの物語が多言語に訳されて、(ある意味、書いてある中身がクッキリハッキリ理解できない部分もあるのに)読者が多い理由は、私はこれかな、と思うのですが、村上春樹さんが触れているのは、抽象度が高いところ、なんじゃないかと思うのです。彼の言葉で言うと地下二階の話をしているから、なのでは、と。
村上春樹さんの言葉
③河合隼雄さん経由のユングについて
河合隼雄さんが村上春樹さんとの対談で話しているのですが、この地下二階がユング(やアドラー)が言っていた深層心理と繋がっている、と言う説明ができるようです。
深層心理とは、ざっくり言うと
「顕在意識の下(奥)に無意識的なプロセスが層として進行しており、日常生活の心理に対し大きな影響を及ぼしている」
②と③を合わせると、村上春樹さんの物語は地下二階を感じられることを、もっと具体的な物語を通して語っている、と私は受け取っています。
そして、①に戻って、ニーズがどの国のどんな人にも響くのは、それが人間にある感覚や意識を、いのちのエネルギーを、うごめくエネルギーというめちゃくちゃ抽象的で言語化しにくいものを、抽象度は高めつつ具体的な言葉に乗せているからなんじゃないかと思うのです。
ニーズの言葉でなぜ心が動くか、共鳴が起こりやすくなるか、これで伝わるのかなー?わからないけど、書いてみました。
おまけ(蛇足になるかも)的に
例えば、ドライブマイカーが、なんでたくさんの人に観られたか、ということに関して。(観ていない人のために出来るだけネタバレなしで)
私は、主人公のような男性ではないし、〇〇をした人たちでもないし、演劇もしていないけれど、そう言った体験を通して描かれる感情は似たようなものを感じたことがある。
もどかしさ
むなしさ
何かできるんじゃないか、という考えや感覚
それでも何もできないんじゃないかという考えや感覚
そして、自分と周りの人がいて
さらに、時間が進むにつれて、自分の意思とは関わらず何かが起こったり終わったりしている
思いがけないほっこりすることや
意外なことや
そうだよね、と安心することも起こる
そして、人生ってこんな感じかも、となんだか一回りして、でも、観る前とは違ったところにいる、あの映画は、私にとってそんな映画でした。
いいことも悪いこともあって、そして、今ここ、みたいな、ちょっと心地よい疲れと、何か掘り下げたいものを思い出したい感じと、とりあえずは、今日を生きよう、と思うような感じ。
村上春樹さんの作品が世界中で読まれているのは、抽象度が高く、集合意識レベル、深層心理に触れているから。
その抽象度が高く、幅広く、それでいて人に響く感じが、私にとっては、ニーズにつながった時と村上春樹さんの作品に触れた時の似ている点かなー、と思ったので、村上春樹さんを引用しつつ、「ニーズがなぜ抽象的な言葉なのか」や、それなのに(それ故に、なんだけど笑)なんで響くの、が伝わるかなー、と思ってつらつらと書いてみました。
これで伝わるのか、ますます訳がわからなくなったのかわからないし、まとまらないけど、とりあえずここまで。