シンギュラリティを見越して生きる。
ChatGPTを笑うべからず。
最近、ChatGPTなどのAIチャットbotが大ブームとなっているが、デモ版故に搭載されているデータが2021年時点と言うこともあり、最近になって精度のマイナス面が顕在化しており、現状ではITリテラシーが高い人向けのおもちゃ感が強い。
パソコンのパの字も出てこない昭和98年を地で行く、前時代的かつアルコールが動力源となっている鉄道業界では、γ-GTPの亜種程度にしか思われておらず、ITリテラシーの溝を感じると共に、世間一般でどう受け止められているのか肌感覚が掴めずにいるため、ITリテラシーが高い人向けのおもちゃ感の表現が的を得ているかすら実感が湧かない。
いわゆるシンギュラリティと定義されている、人智を超えた人工知能が登場するのは2045年と、20年以上先の予測と相まって、まだまだ先の話のように感じるが、人間と同等の知能を有するのは2029年と言われている。
マジョリティ層の意見としては、高々6年程度で、そんなバカなと思われているかも知れないが、初代iPhoneがジョブズさんのカリスマ的プレゼンで発表されたのが2007年。
日本はまだガラケー全盛期で、携帯キャリアの重役も、ガジェットマニアのおもちゃ程度の位置付け程度でしか捉えておらず、これが携帯業界を変えるほどの脅威になるとは想像もしていなかったのは、経営戦略や製品ラインナップを見ても明らかである。
翌年、2008年に発表されたiPhone 3Gは、日本の通信規格に適合する機種となり、ソフトバンク一社だけが取り扱い始めた。2011年の4SでKDDIが取り扱い始めた。
そして2013年、自前で開発したFOMAとiモードに絶対的な自信を持ち、スマートフォンは法人向けのBlackBerryで競争力となり得ると強気の姿勢だったdocomoが、5sになってようやく取り扱いを開始した。
iPhoneがないことを理由に、若年の顧客が無視できない規模で流出したのだろう。ここまでたったの6年である。今のChatGPTはiPhoneで言えば初代のGSM(2G)モデルで、日本の規格にすら適合していない状態かも知れないが、2029年にホワイトカラーの労働者が代替されるレベルになっている可能性は十分考えられる。笑っていられるのは今だけかも知れない。
日本の労働人口の49%は代替される?
2015年に野村総研とオックスフォード大学の研究で、10〜20年後に日本の労働人口の49%がAIやロボットで代替可能になると発表したのは記憶に新しい。この中には事務職に留まらず、私が就いた駅務員や電車運転士も含まれている。
研究資料に車掌がないのは、恐らく既にワンマン運転の形で運転士に代替されているからだ。全駅ホームドアとなればワンマン化して車掌は不要になるのは、今春の新横浜線でも明らかである。
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf
それを見た当時は内心、そんなバカなと思っていたが、2023年時点の首都圏では既に、駅務員はホームドアの導入や機械化によって、列車監視要員や窓口の係員が激減している。
問い合わせや窓口業務も、9割以上はマニュアルで対応可能だから、それらをチャットボットに代替させて、窓口の処理機と紐付けしてしまえば、旅客から見える仕事はなくなる。
そうなれば、有事の際に必要な現場責任者を大きな駅に2人くらい配置しておき、JRの係員不在駅みたくインターホンと遠隔操作で対応させておけば、大きな問題にはならないだろう。
電車運転士はJRや大手私鉄が、踏切設備が極端に少ない線区限定とはいえ、ドライバーレス運転の実証実験を進めている。
無人だと軌道上の障害物に対応できないと思われるかも知れないが、電車はレールと車輪の材質や設置面積からして、自動車とは比にならないくらい制動距離が長過ぎる。
それ故にたとえ有人でも事故が起きて「ブレーキを掛けたが間に合わなかった」と報道されるのが関の山だから、搭乗者の有無で結果が変わるようなケースは稀だろう。
そうでなければ無人運転の新交通システムが、ここまで大きな社会問題になることなく運行できていない。それに、駅や踏切側に障害物検知装置を導入して、それに連動する形で列車に非常停止信号を送ることは技術的に可能である。
そのため会社が組合の横槍を無視できるなら、それらに巨額の設備投資をすれば、自動車と異なり線路上を前か後ろに進むだけと単純な作りのため、技術的には今すぐにでも自動運転化できる。解雇規制さえなければそれが安上がりなのは間違いない。
技術革新により、割を食うのは賃金労働者だが、ウハウハになる者が出てくるのもまた事実である。それが何かを自分で考えて、今から種蒔きをしておくと、賃金労働者として働き続けるよりも良い果実が得られるかも知れない。
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