見出し画像

目指すは経済的独立(FIRE)。

 お金があると選択肢が増えることは以前に記したが、ここでは具体的な方法として経済的独立を推奨したい。最近話題のFIRE(Financial Independence Retire Early)と同じ意味で、端的には、

生活費用を給与以外の所得で賄う。

 仮に、生きるために労働する必要がなくなれば、経済的に独立しているから自由と言うわけだ。不労所得をどうやって確保するかは副業、株式、不動産など多くの選択肢が存在する。

再現性が高いのは株式投資。

 これは、金融資産の取り崩し方法は4%ルールと言う、アメリカのトリニティ大学でトリニティスタディと呼ばれる1998年に発表された論文が根拠となる確立された手法だからだ。

 ルールに定額か定率かの違いはあるものの、どちらにせよ株式と債権が半々のポートフォリオを長期で運用したときに、預金なら25年で底をつく資産だが、30年後にも95%の確率で資産が残っているとの分析結果が70年間の統計から記されている。

 ただ、日本における、為替変動リスク、売買益によって徴収される約2割の税金が考慮されていないのは無視できない要素ではあるから、投資の世界に足を踏み入れて、経験と共に知識を身に付ける過程で、日本人なりの手法を考える必要があるが、最初は難しく考えなくて良い。

 上昇した運用益部分を取り崩しても投資元本は減らないと言う発想だから、株価が短期では上下しても、長期的には右肩上がりである全世界株式や米国株式のインデックスファンドを運用する場合に向いている手法で、裏を返すと、長期的にデフレで株価も低迷している日本株式には向かない手法だと考える。

ノーロードのインデックスファンドが無難。

 インデックスファンドとは株価指数に連動する成果を目指す投資信託のことで、長期目線だと、利益を追求するアクティブファンドよりも市場平均のインデックスファンドの方がリターンが高い

 そのカラクリは運用コストの安さだ。運用益は不確実だが、手数料は確実に取られる訳だから、割高な手数料で利益を相殺されてしまうと、複利の恩恵が受けられない。だから、運用コストは安いに越したことはない

 私は、とことんコストを追求する投資信託と言う謳い文句のeMAXIS Slim米国株式を楽天証券で積み立てている。

 米国一強時代が自分の余命までずっと続くか疑問に思っている方は、全世界株式を選ぶと仮に中国やインドが急成長した場合でも、その恩恵を受けることができる。

 運用コストは国の対象が米国から全世界に広がるので、米国株式よりは掛かるものの、中身は米国株式が半分を占めるため、どちらを選んでも米国企業が成長する恩恵は受けられる。迷うなら全世界株式が無難だと考える。

 この手法の欠点は、含み益として資産は増加するが、生活が良くなっている実感が得られないから愚直に続けることが難しい点だ。

 インデックスファンドの長期積み立ての場合、銘柄選定に時間と労力を費やしたら、あとは証券口座で積み立ての設定をするだけで非常に簡単だ。定期的に積み立てられているのは、キャッシュアウトが発生しているから分かる。でも、資産が増えても取り崩すまでは一切手を付けない方が効率が良いから、積み立て期間中は手を付けない。そうなると生活が良くなっている実感が得られず、費やしただけの金額に見合ったご褒美が得られない。結果として退屈で続けられないわけだ。

 もう一つは運用によって築き上げた金融資産を愚直に取り崩すことの心理的ハードルが高い点だ。人は損することが嫌いな生き物だ。理屈上は大丈夫と言われていても、実際に数千万円という金融資産を取り崩して生活を行うことに不安を感じるはずだ。

 でも、あの世にお金は持っていけない。人生の最期に金持ちになっても仕方がないのだから、60歳から100歳にかけて元本も取り崩して全部使い切る位の感覚でいれば、運用益の取り崩しに対する抵抗は少なくなるはずだ。

難易度は高いが魅力的な高配当株投資。

 もう一つの手法として、高配当株投資を紹介する。こちらは上級者向きだが、国内株式でも使える手法だと考える。

 株式投資で得られる利益は売買益のキャピタルゲインと、配当のインカムゲインがある。売買益でキャピタルゲインを得るには相場の波に乗らなければならないから、長期で稼ぎ続けるのは難しい。

 ここで紹介するのは配当であるインカムゲインだ。株主は会社のオーナーだから、決算で利益が出るとその一部を配当金として受け取ることができる。その配当金で生活費を賄えるなら、資産を取り崩すことなく生活することができる。

 しかも、インデックスファンドの取り崩しと違って、高配当株投資は株式をコツコツと買い集める過程で、配当収入が増えるので生活が良くなっている事を可視化できるから続けやすい

 イチロー選手が、ヒット数を増やすことで高いモチベーションを保っていたのは有名な話だ。高配当株投資も、ちょっとしたことでは減配しないような銘柄を選定すれば、基本的に年々受け取る配当金が増加していく。

 資産運用の世界では、配当金を再投資するのが一番効率が良い。だからインデックスファンドは強制的に投資元本に組み込まれるものも多いけど、個別銘柄に投資して配当金として受け取れば、新たに銘柄を購入するも良し。生活費用や趣味に使うのも自由だ。

 ただし、この手法は個別銘柄の選定が必要だから、万人向けではないことが欠点だ。株式市場の全体像を把握するためにある程度は金融、経済、会計の知識が必要になる。

 実際、日経平均配当利回りは2021年時点で2%未満。コロナショックによる株価暴落時でも3%に届かない程度と、誰もが知っている優良銘柄の株価は割高なのが常で、配当利回りは低い傾向にある。

 4%ルールと同率の配当所得を目指すなら、国内株式の場合、市場平均よりもリスクを取って高配当な銘柄に投資しなければならない。

 ただ、高配当銘柄にありがちなのが、配当は出ているものの、財務が不健全で長期的に配当が減少したり、株価が下落する未来を織り込んだ価格で取引されているパターン。これではFXのスワップ金利でありがちな、元本の下落スピードとインカムの合計額のどちらが大きいかに賭けるチキンレースとなってしまい、投資とは言い難い。

 長期で安定して配当所得を得ることは難しい。ネームバリューのある優良銘柄は暴落時に誰かが投げ売りしてくれないと割安で買うチャンスが無いこともザラだから、通常は高配当な銘柄の中で財務が健全な銘柄を探す必要がある。

銘柄分析には会計の知識が必要不可欠。

 経営は安定しているのか。長期に渡って本業で利益を増やせているのか。支払い能力はどの程度あるのか。これらは財務諸表が読めると理解できる。財務諸表は複式簿記に基づき作成されるから、ビジネスの共通言語である簿記を学ぶことが銘柄分析に必要な知識を得ることにつながるわけだ。

 インデックスファンドの4%ルールと、高配当銘柄への個別投資。どちらのやり方でも経済的自由を確保することは可能だけど、共通して言えることは、純金融資産の保有額が年間生活費用の25倍に達するまでは、質素な暮らしを心がけること。

 生活費用が月10万円なら3,000万円、月20万円なら6,000万円。これだけの元本が必要だ。贅沢品にお金を使う分だけ、経済的自由は遠ざかる。お金がない時に贅沢していると、いつまでも働き続ける羽目になる。

最後に、

 投資は自己責任です。あくまで私個人が投資しているものを紹介しているだけなので、内容を鵜呑みにせず、参考程度にして頂けると幸いです。未来は誰にも分かりません。自分の頭で考えて納得した上で、身銭を投じて頂きたいのと、特定銘柄を推奨しているわけではないことを予めご了承ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?