10月の気になるResiliency的ニュース勝手に6選
こんにちは、shuntaroです!
今回は、10月のニュースの中でResiliency(回復力)、事業継続、 ITの観点で気になるニュースをPEST(政治、経済、社会、技術)の観点で分類し、勝手に6つ厳選しました!
【P:政治関連】
東京都、全国初のカスハラ防止条例成立 25年4月施行 日本経済新聞 2025/10/04
東京都は全国の自治体の中で初めてカスハラに関する防止条例を成立させました。
カスハラとはカスタマーハラスメントの略称で、顧客による従業員への迷惑行為を指します。企業はカスハラを発端とする機会損失や従業員の離反などの影響を無視できないとし、独自に対応方針などを公表するケースも出てきています。一方で、対策が十分でない企業もあるとされており、今回の条例は自治体が事業者に対策を講じるよう迫る内容です。
ただし、罰則規定などがないため、企業の対策がどれほど進むかは未知数と言わざるをえません。しかし、多くの企業が従業員不足に苦しむ今、従業員確保の一環として起業機に関係なくカスハラへ取り組む必要性が高まっているのは明確です。
カスタマーハラスメントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ストレスチェック、全企業で義務に 零細も対象 日本経済新聞 2025/10/11
政府は、従業員に対するストレスチェックを行う実施義務の対象企業を従業員50名以下の零細企業に広げる方針を固めました。
ストレスが原因による過労死や退職につながるケースは、増加傾向を示しており、従業員のストレス状況を幅広く把握する必要性が高まっています。実施義務のある従業員数50名以上の企業では、ストレスチェックの実施率は80%を超えている一方、零細企業は30%程度と低迷している点を政府は問題視しており、今回の方針変更に至りました。
ストレスチェックの義務化は零細企業の業務逼迫やコスト増につながる可能性もあります。義務化開始の具体的な時期は今後決まりますが、企業全体で従業員が仕事に打ち込める適切な環境の整備がさらに重要になっています。
【E:経済関連】
物価上昇、中小の淘汰促す 倒産10年ぶり5000件超え 日本経済新聞 2025/10/09
2024年の4月から9月までの半年間で倒産した企業数は5千件を超えました。
5千件を超えたのは10年ぶりで、前年比18%程度も増加しています。特に、コスト増を価格転嫁しにくい規模の小さな企業の倒産が目立っています。背景には、コロナ禍で行われた「ゼロゼロ融資」の返済が始まり、コスト増が価格転嫁が状況と重なったことで、資金繰りが苦しくなった企業が増加している点が増加要因の1つです。
今後はさらに企業の優勝劣敗が明確になり、市場からの退場を迫られる企業が増えていくと見込まれます。
R&D投資効率、日本急落 90年から6割低下 日本経済新聞 2025/10/14
研究開発がGDPに貢献する比率が、1990年比で6割低下している状況が明らかになりました。背景には、諸外国が研究開発費を増加させているのに対し、日本は横ばいのままで、相対的に研究開発の不足が売上増加の低迷を招いる状況が読み取れます。
研究開発は、市場における自社の差別化を図るために必要な取り組みであり、収益を維持・拡大する上で重要な投資領域です。日本は海外に比べると研究開発への投資が少なく、相対的に企業の競争優位性が減衰している原因になっているとも考えられます。
すぐに収益にならない点から、無駄なコストと捉えられ、研究開発を縮小するケースも見られます。しかし、研究開発費は企業や国の成長に欠かせない投資であるのは明白なため、中長期的な成長のためにも研究開発の重要性の見直しが急務です。
【S:社会関連】
大規模太陽フレア、通信障害注意呼びかけ NICT 日本経済新聞 2025/10/14
太陽の表面で発生する爆発「フレア」により、通信障害を引き起こされる可能性が一時的に高まりました。
フレアにより発生するコロナガスが、地球に到達すると磁気などを乱して、一時的に通信障害を引き起こします。過去には、GPSの精度が落ちたり、通信衛生が地球に落下したりなど、太陽フレアにより大きな影響や被害を受けたケースもありました。
太陽は周期的に活動レベルが高まり、2025年が数年間で最も活動レベルが高まると予測されています。インターネットなどの情報通信が利用できる前提の社会になっている現在、2025年に通信寸断が発生する可能性がある点を考慮しておく必要がありそうです。
太陽フレアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【T:技術関連】
ランサム攻撃、身代金払わずデータ回復 世界で600万件 日本経済新聞 2025/10/14
ランサムウェア攻撃をされても、暗号化されたデータを復号してデータ復旧する取り組みが世界全体で増えています。
暗号化データを復号するには、専門機関に感染したデータから使用されたランサムウェアを特定してもらい、復号ツールを提供してもらう必要があります。ランサムウェア攻撃で使用される仕組みはパターン化されているケースが多いため、パターンに合致すれば復号は困難ではありません。
しかし、攻撃者はランサムウェアを絶えず改変・高度化させており、攻撃を受けた際に必ず復号ツールが提供される保証がない点は無視できない考慮事項です。そのため、重要なデータを定期的にバックアップするなど、基本的な対策を継続して取り組んでおきましょう。
サイバー防御に最強技術「量子暗号」 総務省が国産化支援 日本経済新聞 2025/10/08
インターネット経由でやり取りするデータの保護レベルを高める技術として注目されている「量子暗号」の国産化について、国を挙げて取り組もうとしています。
量子暗号とは、光の粒を暗号鍵につけて送る方式です。誰かが盗み見などをした場合には、光の粒が変形するため盗聴の有無を判別でき、盗聴された暗号鍵は使用せず、安全な暗号鍵での通信を担保できるようになります。
すでに一部の企業では開発が進んでいますが、実用化には辿り着いていません。昨今のサイバー攻撃の激化を受けて、インターネット通信の安全性確保は急務であり、国レベルで対策を進めようとしています。
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