正しいドッグフーディング🐕
こんにちは、リサーチャーの牛尾です。
★本記事のテーマ:ドッグフーディングをするなら、最低限、「お客が自社商品・サービスを利用するオケージョン」だけは確認しておこう!
ドッグフーディングって何だ?
<1>
「ドッグフーディング」をご存知でしょうか?
リサーチ手法の1つで、自社の商品・サービスを使ってみることです。
<2>
先日、とある企業のマーケ部の部長さんとこんな話をしました。
部長 残念ながら、弊社はマーケティングリサーチの予算がほとんどないんですよ。
私 ええ。
部長 しかしその代わりに、ドッグフーディングに力を入れています。
私 おー!
社員皆で自社商品を使ってみて、そこで感じたことを整理・ストック、開発部門にフィードバックしているのだそうです。フィードバックのためのツール類もきちっと準備されているとのこと。
というわけで私は、「へー!そりゃいいですねー!」と感心して聞いていたのですが……しかし、次第に雲行きが怪しくなってきまして……。
こんなドッグフーディングに意味はない!!
<1>
そもそも、ドッグフーディングをする上で1番大切なことは何でしょうか?
ズバリ、それは<お客の立場に立って体験すること>です。
作り手・売り手の立場で体験してしまっては何の意味もありません。
<2>
では、どうすればお客の立場に立って自社の商品・サービスを体験できるのでしょうか?
真剣に考え始めるとこれはかなり難しい問いですが、しかしまぁとりあえず、「お客と同じオケージョンで使ってみる」、これだけは絶対に外せません。
<3>
例えば、あなたがニュースアプリの会社に勤めていたとしましょう。ニュースアプリというのは、Gunosy、SmartNews、NewsPicksなどですね。
というわけで、あなたは自社のアプリを日常的に使い、その使い勝手を確認してみようと思い立ったのですが……はて。いつ、どこで、どのようなシチュエーションで、ドッグフーディングすればいいのでしょうか?
正解は、そう、<ユーザーと同じオケージョン>です。
もしも多くのユーザーが、満員電車の中で「ハァ。今日も仕事かぁ」「ちょっと!寄りかかってこないでよ!」「うわっ、この人汗臭い。。」と不快になりながらアプリを使っていたならば、あなたもそのオケージョンで使ってみるべきなのです。
おしゃれなオフィスで、スタバのフラペチーノをすすりながら使っていては、ドッグフーディングにはなりません。
「うわっ、この人汗臭い。。」と鼻をつまみながらアプリを使ってみる……これこそがドッグフーディング!お客の立場に立ったからこそ得られる発見・気づきがきっとあるはずです。
どうせするなら、正しいドッグフーディングをしよう🐕
冒頭ご紹介した企業では、そもそも、お客が商品をどのようなオケージョンで使っているのか把握していませんでした。
したがって、社員1人1人がテキトーなタイミングで自社商品を使い、それをドッグフーディングと呼んでいた。
しかし……それではダメです!
そんなの無意味。
というか、「お客のことを理解できた気分になってしまう」という意味でむしろ有害です。
ログデータを漁ったり、あるいは1-2問程度の簡単な定量アンケートを実施したりして、まずはオケージョンを掴みましょう。
その上でドッグフーディングです!
---☺---
※付記:私たちはクライアント様との守秘義務契約を遵守し、また、調査参加者のプライバシーに最大限配慮しています。本記事内でご紹介した事例はすべて①掲載の許可を得たものか、②実際の出来事を大幅に脚色したものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?