反緊縮保守の政治団体を国政政党にする必勝法~お金と選挙戦略で必ず国政政党化はできる!~

 今回は反緊縮保守の政治団体を如何に国政政党化するかについて述べて行こうと思う。結論を言えば、正しい選挙戦略に基づき、お金の力によって候補者を全国各地に擁立して行けば、国政政党化は十分可能だと考える。その方法をナント!無料で公開して行く。もし宜しければサポートや、私の論文が載っている著作を購入して頂ければ幸いである。
 なお、私自身は、外交安全保障はハト派なので、核武装論などタカ派の主張には相容れない部分も多いが、来たる次回の衆議院議員総選挙で、自民党の緊縮財政派を落選させて行く意味においても、反緊縮保守の国政政党は存在した方が良いのではないかと考えるようにはなった。

 まず、国政政党化するには、参議院議員選挙において、以下の2点のどちらかを満たす必要性がある。

1.全国比例区で得票率2%を達成する。(2%達成なら、もれなく比例1議席は獲得となる)
2.選挙区の総得票数で得票率2%を達成+1議席獲得。(衆議院議員や非改選の参議院議員の現職の国会議員が設立した政治団体なら、選挙区で得票率2%を満たすだけ、OKかもしれない。)

 2019年の参議院議員選挙では、2つの政治団体が国政政党されたが、1の条件を満たしたのが、れいわ新選組であった。得票率4.5%で比例2議席を獲得した。2の条件を満たしたのが、NHKから国民を守る党である。N国の選挙戦略は、1つの大きなエポックメイキングであった。何故ならば、従来は1のみが国政政党を満たす要件だったと考えられていたからである。
 しかし、2のように比例区ではなく、選挙区の総得票数でも得票率2%を獲得し、かつ1議席を獲得すれば国政政党化されるという衝撃の事実が明らかになった。50議席をドント式で振り分ける方法であれば、得票率2%に満たなくても、1議席を獲得することは可能な選挙制度と定数にはなっている。2019年の参議院選挙では得票率1.86%で比例1議席獲得の結果となっていた。立花孝志代表は良くこの法律に気付いたもので、国政選挙に革命を起こしたとも言えよう。
 この立花孝志代表の革命的な選挙戦略をキッチリと踏まえて行けば、反緊縮保守の政治団体が国政政党化することも夢ではないと私は考える。それでは、今回はこの立花孝志代表の選挙戦略に基づいて、2の条件で国政政党化する最良の方法を考えて行こう。

 その基本情報として、参議院議員選挙において、政治団体は候補者を選挙区+比例区で合計10人の候補者を擁立しなければ、比例区には参加出来ない。しかも、選挙区の供託金は1人につき300万円比例区の供託金に至っては1人につき600万円もかかる。この供託金制度は、もはや民主主義を阻む壁と言っても良いぐらい、新規参入の政治団体からすれば、高過ぎるハードルである。政治団体を国政政党化するには、1にも2にも、まずはお金が必要なのである。供託金300万円の選挙区に候補者を9人、600万円の比例区に候補者を1人と一番経費を抑えたケースでも3300万円もかかってしまう。これで多くの政治団体が門前払いを喰らうこととなる。よって、国政政党化する必勝戦略が分かっている私であっても、お金の都合によって、自らの力では国政政党化することは不可能である。大富豪の誰かと組んでやらないと厳しい。

 次に何とかお金を集めて、参議院選挙には参加できた政治団体であっても、国政政党化の壁は高く、多くの政治団体がお金をドブに捨てて来た。そうなってしまった大きな理由としては、選挙戦略の下手さがあるだろう。例えば、比例区のみに候補者を10名立てている政治団体は論外である。
 3年前の参議院議員選挙で、国政政党化を果たした、れいわ新選組であっても、選挙区1人+比例区9人という候補者の立て方は非常に良くなかった。もっと選挙区に候補者を回していれば、比例票の上積みも図れたであろう。また、1票につき年間約40円を受け取れる政党助成金も多く獲得することが出来ていた。
 れいわ新選組の場合は、元俳優の山本太郎代表の知名度を大いに活かしての力技による国政政党化であったと言えよう。彼のようなやり方では普通の一般人の力では国政政党化は無理である。非常に特殊な例なので、あまり参考にはならないかもしれない。
 
 少し話を戻すと、比例区のみ候補者10人は論外と述べたが、私が思う適切な配置は比例区に2名である。1議席を取るべき選挙で、比例区には選挙区の倍の600万円もの供託金がかかるのだから、そんなに何人も比例名簿に載せる必要性はない。国会議員にさせる1人と、その国会議員に、もしものことがあった場合に繰り上がり当選となる1人で良いと思う。また、1人が当選すれば、供託金は2人分の1200万円が返って来るので、その点においても2人は並べておいて良いかと思う。残りは全員選挙区から出馬させるべきである。

 次に選挙区についてであるが、政治団体は10人で参議院議員選挙に参加できるので、比例区は2人にして、残りの8人は選挙区から出馬させれば良いという発想になってしまう。しかし、この発想では選挙区全体で得票率2%を積む方法での国政政党化はほぼ不可能である。そこで必要になるのが「お金」である。1選挙区300万円で擁立出来るのだから、ここは全45選挙区に出来る限り擁立するのが、最も票の掘り起しとなる戦略である。45選挙区×300万円で、ざっと1億3500万円は必要だ。比例区の2人分と合わせると1億4700万円にもなる。これが確実に国政政党化するのに必要な金額だと私は思う。  
 だから、先ほども述べたように、1にも2にも選挙は金の力が必要なのである。「金こそ正義」なのが、日本における選挙システムとなっているのである。文句はめちゃくちゃ言いたいが、そういうルールになっている以上、それに従って必要な資金を調達するしかない。残念ながら私にはそんな集金力はないので、必勝戦略は持っていても、私自身の力では国政政党を作ることは不可能である。選挙期間中に寄附金を4億円も集めた山本太郎さんの集金力は凄まじいものがあったと言えよう。だから、れいわ新選組は、もっと選挙区に候補者を立てるべきであった。

 以上のように「選挙は金だ」と言う話をしたが、そうは言っても、それだけで得票率2%は果たしてクリア出来るのか?と思われるかもしれない。それに関しては、選挙区の候補者が少なければ少ないほど、得票率2%の可能性は高まると言えるだろう。
 得票率2%ということは、日本の有権者は約1億人いるが、投票率はせいぜい50%強程度なので、得票総数は5000万票程度となる。その2%なので100万票、その政治団体の候補者の名前が書かれれば、選挙区での得票率2%の壁はクリアとなる。
 なので、100万票稼げば良いので、主に有権者が多い東京選挙区など、都市部に擁立して行くのがセオリーではある。しかし、その反面、定数が多い都市部は各国政政党の候補者が乱立して行くので、その中で政治団体の候補者が得票率2%を取るのは、なかなかハードルが高い。得票数は稼げても得票率を上げるのは厳しい戦いだ。

 一方で地方の1人区であれば、野党共闘によって、自民党vs野党統一候補の一騎打ちになる選挙区も少なくはない。今年の2022年の参議院議員選挙においては、新潟や長野など、立憲民主党の現職が出馬する選挙区が一騎打ちになる選挙区であろう。こういうところに、狙いを定めたのがNHKから国民を守る党であって、前回の参議院選挙では与野党一騎打ちの選挙区に候補者を擁立していって、得票率を稼いで行った。例えば、自民党vs共産党となった福井選挙区では、N国の候補者は得票率7.7%、得票数も2.2万票とかなり稼いでいる。こうした地方での票の積み重ねが、選挙区での得票率2%達成へと導いたのである。
 今回の参議院選挙に挑戦する予定の政治団体・新党くにもりも、先の衆議院議員総選挙では、自民党vs立憲民主党の一騎打ちとなった千葉10区で候補者を擁立し、得票率5.8%、得票数1万票も取っている。自民党vs共産党の和歌山3区に至っては、得票率12.8%、得票数も1.9万票も取っている。特に共産党の選挙区が狙い目となっている。

 このように候補者が少ない選挙区においては、政治団体であっても得票率2%以上は取れるのである。こうした形で地方の1人区でも候補者を擁立して行って、得票数を積み重ねて行くことが、国政政党化に向けては非常に大事になって来るのである。
 特に、反緊縮保守政治団体の主張は、地方とも親和性の高い主張になって来るであろう。リベラルやネオリベ色の強い都会の選挙区よりも、保守色の強い地域でこそ高い得票率が見込める。今の自民党には期待できない、かと言って左翼掛かった野党にも期待できないといった地方の有権者は少なからず数%はいるのだから、こういった層を候補者を擁立するお金の力で持って獲得して行きたい。
 そういった形で今回はNHKから国民を守る党が全選挙区に候補者を擁立する予定ではあるが、N国が擁立したケースであっても、例えば昨年の参議院広島選挙区の補欠選挙では、無所属の候補者であっても、得票率2.7%、得票数2万票とN国に勝っている候補者も存在する。だから、反緊縮保守の政治団体が、選挙区で得票率2%を超えることは決して難しいことではないと思う次第である。

 ということで、政治団体を国政政党化する方法として、お金の力で全45選挙区擁立すれば、選挙区での得票率2%超えは決して不可能な数字ではないことを示して来た。あとは、この選挙区で擁立した分を比例票の掘り起こしにも変えて、全50議席中1議席を獲得することである。前回の50議席目のラインは93.2万票となっている。得票率で言えば、1.86%が1議席獲得のために必要だ。これを満たして、比例議席を獲得することが重要となって来る。もしくは現職議員が1人でもいれば、選挙区だけでも満たせるのではないかとも思う。

 最後に2022年参議院議員選挙に向けてであるが、この戦法は同じような主張を行う政治団体が乱立していると、非常に条件を満たしにくくなることは間違いなく言えると思う。反緊縮保守の政治団体が複数乱立しているような状況では、どの政治団体も共倒れとなり、反緊縮保守の国政政党が日本に誕生することはないであろう。
 だからこそ、反緊縮保守の政治団体は1つにまとまって、参議院議員選挙を戦うことを強くお勧めしたい。人間関係など複雑な事情はあるだろうが、それを超えて、まずは国政政党化すれば、政党助成金も手に入るので、各団体とも活動しやすくなる側面もあるだろう。政治団体名はフランスのマリーヌ・ルペン大統領候補にあやかって「国民連合」でどうだろうか。ここは保守の政治家らしく、同じ保守の政治団体として、小異を捨てて大同に就く姿勢が求められるであろう。保守とはそういう実利で結び付くものであると私は考える。

 このように、反緊縮保守の政治団体が1つにまとまって、全45選挙区に候補者を擁立することが出来れば(それだけのお金が集まれば)、日本に反緊縮保守の国政政党が誕生することは十二分に可能なのである。
 結局のところ、反緊縮保守の政治団体にとって、最大のハードルとは、選挙戦で選挙区得票率2%+1議席を取ることよりも、1つの団体にまとまって戦うことの方なのかもしれない。

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