【ここ最近の考え】マーケティングにおいて大事なこととリサーチの役割
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考えながら走り、走りながら考えていますので、
ぜひコメントなどいただけると、幸いです。
いろんな方のご意見を聞きたいです。
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15年近く、マーケティング・リサーチを軸に、マーケティング戦略やブランディング、コミュニケーション戦略、短期~中長期の事業戦略、製品・サービス開発など、さまざまな領域に携わらせてもらって、最近、大事だなと切に思うのが、以下の2つ。
①”真の意味での”生活者視点
②”真の意味での”組織視点
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①について、”真の意味での”としたのは、多くの場合、組織は、生活者を「自社や競合のアイテムやサービスの利用者」として捉えてしまっており、「一定に安定的かつ一定に柔軟に生活をつむぐ者」として、顧客の多角的・多面的な側面を見てみないことが多い。
一面的に、もしくは、組織にとって都合の良い意味で生活者として捉えて、生活者視点としたのでは、大事なところを見誤ってしまう。
真の生活者視点とは、日々生活をつむぐ人々を、量的かつ質的に、動的かつ静的に、法則的かつ混沌的に理解し、価値を提供しようとし続ける態度だと思う。
具体的な方法論などは、また機会があればと思うが、根本的に、自分たちが何とかしたいと思っている人々について、泥臭いことを本気で考え、動き、また考えるという螺旋状の行為かなと思っている。
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②について、”真の意味での”としたのは、多くの場合、組織が実現したい世界観やあるべきと思う像を、変に消費者やエンドユーザーのニーズや実態に合わせようとしてしまい、目の前の課題解決や小手先の解決策に走ってしまうことが多いから。
そうすると、本来、組織を作ったときに、実現したかったことが歪んでしまうことも多い。
一方で、組織の実現したいことを大事にするがあまり、その手段が唯我論的な価値提案や解決策(何を解決しているのか分からないが)になってしまい、それを上手く説明しようと差別性や新奇性という言葉でコーティングしていることも多い。
組織である以上、実現したい世界や理想とする像があり、このために推進することは必須(じゃないと、わざわざ徒党を組んでいる意味がない)。
そのために、組織が考える新たな価値のフレームワークを丁寧に紹介し、説明し、自社の価値を提案し、実行していくことが重要となる。
この時、生活者に実質的な価値を与えるが、基本的な方針としては、どちらかというと啓蒙活動に近いと考える。
ここで、変に、手前の生活者ニーズやオケージョンに寄り添うと、ぶれてしまうので、グっとこらえないといけない。
組織の根幹の考えとその具体的な価値フレームとする部分は、守らないといけない(価値提供の手段はある程度柔軟でも良い)。
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①②は、相反するように感じるかもしれないが、実態は、表裏一体だし、相互補完的である。
①だけだと自分たちの組織である必要がないし、
②だけだと一人相撲に陥る危険性がある。
そういった丁度いいところを理解しながら、走り、動き、
また理解し、マネジメントしていくツールとして、
リサーチという営みがビジネスの中で必要だと信じている。