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モーリシャス共和国とRescuenowの取り組み

今回は、株式会社レスキューナウが行っている国際的な取り組みについてお話させていただきます。
私は、普段の業務ではレスキューナウが提供している安否確認システムを新しい開発言語を使用して使いやすい形にリプレイスする業務に携わっています。

普段行っている業務とは別に、独立行政法人国際協力機構(JICA)が行っている民間連携事業の一つ「中小企業・SDGs ビジネス支援事業」の一環でモーリシャス共和国でのサイクロン対策強化のプロジェクトに参画しています。

【JICA「中小企業・SDGs ビジネス支援事業」とは?】
本事業は、日本の民間企業が有する技術や製品を用い、途上国が抱える開発課題を解決することを目的に、日本企業の海外展開、ひいては日本経済の活性化も目指しJICAが実施するもので、途上国の開発ニーズと民間企業の製品・技術のマッチングを支援する事業です。

エンジニアの私がやっていることは
モーリシャスでの利用を想定したプロトタイプのシステム構築や、浸水センサーなどのioT機器の調査等を行っています。

先日、完成したプロトタイプをモーリシャスの省庁の方や、国の防災を担当している国家災害対策センターなどに見てもらいに実際にモーリシャスに行ってきました。

モーリシャス共和国とは?

日本からドバイまで11時間 ドバイからモーリシャスまで7時間ほど

モーリシャス共和国は、南半球南西インド洋にある島国でアフリカ大陸、マダガスカルの東側に位置しています(私もこの案件に関わるまで全く知りませんでした。)島の大きさはだいたい東京都とほぼ同じ程度の大きさの国です。

南半球の国なので、日本と季節が逆転していて11月〜4月が夏 5月〜10月が冬です。夏の平均気温が24度、冬の平均気温が20度ほどで年間通しての気温の変化が少なく、夏も涼しく冬も温かく気候の面で素晴らしい国です。

真冬の時期の7月に実際に訪れてみたのですが、日中では半袖で過ごすことができ、湿度もほとんどなく、とても過ごしやすかったです。

モーリシャスはアフリカの国家の一つで、途上国の扱いですが、アフリカの国家の中で最も発展している国とされています。もともとは製糖業や観光業が主な産業でしたが、IT産業や新しい分野への投資を積極的に進めている国で、インターネット環境や携帯電話のネットワーク環境、スマートフォンの普及率もアフリカに属する国のなかでトップとなっています。

モーリシャスが抱える課題

サイクロン多発地域

モーリシャスはサイクロンが多発する南西インド洋にあり、
サイクロンによる暴風雨や高潮などの自然災害の影響で、地すべりや町中での洪水などの被害が発生しています。

気象による災害が多い国ですが、災害対策にデータがあまり活用されていないのが現状です。
気象観測のために必要な気象監視するレーダーが停止していたため、JICAがODAの一環で気象レーダーを支援していたりもします。

町中の排水問題

モーリシャスの首都ポートルイスは、フランスが統治していた17世紀に建設された設備が数多く存在しています、排水路もその一つです。

200年以上前の用水路

町中にいくつか排水路が通っていましたが、大きな排水路でも上記写真程度の横幅で、深さも100cm〜150cm程度とかなり浅い印象でした。

なぜレスキューナウ?

今回レスキューナウがJICAの「中小企業・SDGs ビジネス支援事業」に応募した理由は、災害大国である日本国内で磨いてきたレスキューナウの「災害に関係する様々なデータを「時間」「規模」「エリア」などの軸で共通化して一体的に使うことの価値」を提供するという、サービスコンセプトが世界の他の国でも必要とされるのではないかと考え、支援事業にチャレンジしました。

前述のとおり、モーリシャスはインターネット環境もアフリカトップで、ITリテラシーの水準も高い国です。

気象に関するデータやIoT機器を設置してリアルタイムのデータを可視化する前提条件は整っている国ですが、それを可視化して防災や災害対応に利用する分野ではまだまだ改善の余地があります。レスキューナウがいままで日本国内で培ってきた技術や経験を、最も活かせる国だと感じました。
JICAが行っているアフリカの発展途上国への防災/復興協力の多くは、自然災害に対するインフラの整備が主な支援となっています。例えば、高潮に備えて堤防を建設したり、強い地震にも耐えられるように既存の建造物を補強するなど、土木工事を含むインフラ整備が主な協力事業です。
今回のような、アフリカへのデータを活用した防災システムの支援はJICAの支援事業の中でも珍しい部類だと思います。

レスキューナウの強み

レスキューナウでは大きく3つのサービスを展開しています
その中の一つ「レスキューWebMAP」は気象、鉄道の運行情報、地震などで発生した災害情報など20種類以上のデータを組み合わせて可視化できるシステムです。
実際のユースケースはお客様によって様々で

  • 災害が発生したときの状況把握

  • 通常業務としての道路や天気状況の把握

  • エリアごとに何が起きているかを把握

など様々な使われ方をしていますが、その根底のコンセプトは独自に編み出した「災害に関係する様々なデータを「時間」「規模」「エリア」などの軸で共通化して一体的に使うことの価値」があります。
災害発生時などは想定外のことが多々発生し、様々な成約の中判断して行かなくてはなりません。

時間 規模 エリアなどを軸に様々なデータを可視化できる
ゲリラ豪雨時のレスキューWebMAP

その時々ににベストだと思われる判断ができるようにする仕組みとサービスを提供していることがレスキューナウの強みであり、それは日本でもモーリシャスでも変わらず提供できる価値だと思います。

終わりに

渡航した際にモーリシャス省庁の方、国家災害対策センターの方々に「レスキューWebMAP」やモーリシャスでの利用を想定したモックアップを見てもらいました。
省庁や大学、国家災害対策センター各々で独自のデータを保有しているため、「時間」「規模」「エリア」などの軸で共通化して可視化することは想定していない使い方だったようで、かなり興味を持って聞いていただきました。
ですが、今の時点で提供していただけるデータとしては、静的なデータが多数で、動的なデータはほとんどありません。
日本とは違い動的なデータが少なく、言葉や環境も異なる部分は多いですが
災害対応へ取り組む姿勢や、そこにある課題は思った以上に共通しているように感じます。
だからこそ、日本で培ってきたノウハウや技術を活用することでモーリシャスでの災害対応システム実現の可能性を実感できました。
レスキューナウが持っている災害対応のノウハウや技術が、モーリシャス共和国の防災システムに組み込まれ、支えになることができるように、引き続きモーリシャスの方々と協議していきたいと思います。

最後に

現在、レスキューナウでは、災害情報の提供、災害情報を活用した安否確認サービスなどのWebサービスの開発エンジニアを募集しています!
社員・フリーランスに関わらず、参画後に安心してご活躍できることを目指し、応募された方の特性・ご希望にマッチしたチームをご紹介します。
ちょっと話を聞いてみたい、ぜひ応募したい、など、当社にご興味を持っていただけましたら、お気軽にエントリーください!!