エンジニアは運動不足解消の夢を見るか
こんにちは。瀬沼です。
「最近運動したのいつ?」
「2時間も経ってないのに疲れすぎじゃない?」
僕は会社の同僚や家族などから、よくこんなことを言われます。
エンジニアという職業柄、という言い訳をして人並以上に動かなくなってからもう何年が経っただろう。
そう、言われなくても僕は運動不足です。
では、そもそも運動不足のエンジニアにはその解消法はあるのか。
そもそもスポーツを趣味にしていなければ、みな僕と似たり寄ったりではないか。
今回はそんな運動不足になりがちなエンジニアがこれからの時代、どうそのリスクと向き合っていくのかについて、弊社の農地からお送りします。
エンジニアと日常と運動不足
まずは僕の平日のスケジュールをざっくりご説明します。
09:00 起床
09:00 〜 11:00 支度
11:00 〜 12:00 通勤
12:00 〜 20:00 業務(開発責任者としてアラカルトプロの保守・運用)
20:00 〜 21:00 帰宅
21:00 〜 22:00 夕食・入浴
22:00 〜 25:00 自由時間(主にゲーム・マンガ・TVなど)
25:00 〜 就寝
続いて休日のスケジュールはこんな感じ。
11:00 起床
11:00 〜 13:00 家事(掃除・洗濯)
13:00 〜 14:00 昼食
14:00 〜 18:00 育児・自由時間(家の中で子どものおもちゃ遊びに付き合う)
19:00 〜 21:00 夕食・入浴
21:00 〜 22:00 寝かしつけ
22:00 〜 25:00 自由時間(主にゲーム・マンガ・TVなど)
25:00 〜 就寝
僕には4歳の娘と2歳の息子がいますが、コロナ禍もあり、あまり公園などには連れて行かず、家の中で遊ばせていることがほとんど。
行ったとしても月に1度、2時間ほど近場の公園に行き、ベンチで遊んでいる様子を観察している程度です。
僕は幼いころからインドア派で、学生時も周りの友達はサッカーや野球などで遊んでいる中、趣味の合う友達とゲームをして遊ぶのが日課でした。
運動神経もないため、激しい運動はお断りです。
現在の趣味は釣りですが、釣りに行っても座ってただただ獲物を待つばかりなので、アクティブに活動する機会などありません。
このように、運動不足と言われても仕方がない生活を送っている僕の元にある日、運動不足解消の機会がやってきます。
運動不足とエンジニアと農業
弊社では5月よりREPOC FARMという農園を神奈川県大磯町にて運用しています。
広さは約600坪の農地で、元々は耕作放棄地であったところでほうれん草やオクラ、スイスチャードなどという作物を栽培しています。
そこでは農業を中心に行っている社員が2人おり、日々腰を痛めながらも尽力してくれています。
そんな2人から、ほうれん草が収穫のタイミングを迎え、弊社として初の収穫に一緒に参加しないかとお声がかかったのです。
社長とアラカルトプロのプロジェクトメンバー1人、僕の計3人でお手伝いに行くことになりました。
正直、あまり気乗りはしませんでした。
作業着もない。そもそも体を動かしたくない。
時期は7月の頭、外は暑くてジメジメしているし、梅雨時期でもあるため突然の雨に見舞われる可能性も。
予報では雨で、そこそこの降水量だったため、中止になるだろうとタカをくくっていました。
収穫日、予報通り天候は雨でした。
埼玉から神奈川までレンタカーで行く予定だったため、6時に起床、8時にレンタカー組の集合場所に行きました。
この時点で気分は最悪。
土砂降りの雨の中、慣れない時間に起床し電車に乗る。
作業着も持っていなかったため、少し早めに家を出て近くのホームセンターに行き購入。
終いには雨のため主要道路は大渋滞しており、作業開始予定時刻を2時間ほど超えて到着しましたが、この時点でもまだ中止になるだろと思い、どこかただの小旅行ぐらいの気持ちでいました。
畑に到着したときも、そこそこの雨が降っていました。泥はぐちゃぐちゃ、明らかに家から出るのもはばかれるような横風。ここまで来て残念だけど、さすがに中止だろと思っていたところに、農業責任者(https://twitter.com/takano_0811)からのこんな一言。
「長旅お疲れ様でした!早速始めましょう!」
愕然としました。
その日に収穫してしまわないと、ほうれん草はさらに成長し売り物にならなくなってしまうからとのことでした。
この時ようやく、畑作業が本当に大変である、ということを思い知りました。
土日祝日だろうと作物の状態を見て、水をあげたり間引きを行わなければならない。
雨風ならリモートにして家から出ない自分たちよりも、過酷な職場だと思いました。
バシャバシャと雨が降る中、収穫作業はスタート。
お手伝い組3人は初心者ということもあり、1人あたり約10kgのほうれん草を収穫し作業は終わりました。
しかしいざ収穫を終え、自分の採ったほうれん草が積まれているカゴを見てみると、今朝感じていた嫌悪感などは微塵もなく、雨は降っていましたが春の陽気のような清々しささえ感じました。
オフィスに戻り、採れたてのほうれん草を茹で、おひたしにして食べてみたところ、これまた何とも言えぬ喜びや達成感に包まれたことを、今でも鮮明に覚えています。
農業とITとエンジニア
業務中はオフィスワーカー、休日はインドア派な僕が、実際に農業を経験して感じたこと。
それは、農業が運動不足の解消になるだけでなく、日々の生活や暮らしの改善まで考えられるものということでした。
作業が終わった次の日はもちろん、その次の日も全身筋肉痛になりました。もちろん社長含めお手伝い組は漏れなく同じ状態。
ただ、筋肉痛という感覚もいつ以来なのか。
筋肉痛というつらさよりも、採れたての野菜の美味しさや、日々食べているものがこうして出来ているということが繋がった不思議な気持ちの良さ。
この痛みすらも、収穫を終えた直後の清々しさを思い返せば苦にはならず、むしろ勲章ですらあると思えたぐらいです。
現在農業界には様々な問題があると言われています。
・新規参入の難しさ(農機具や農地が見つからない。または販路が見つからないなど。)
・耕作放棄地問題(耕作を放棄され手付かずの状態になっている農地が存在する。)
・後継者問題(高齢化が進んでおり、若年層の農業界進出が減少している。)
など
こういった問題から農業における日本の国内総生産量は年々減少傾向にあります。
こんなにも素晴らしいものが、このままでは無くなってしまう可能性もあると思うと、とても悲しく思います。
正直、アラカルトプロを作っているときもどこか「農業にある課題」を解決するという一つの仕事としての感覚を持っていましたが、今回農地に行って農業に僅かばかりでも参加したことで、この業界をもっと盛り上げたいとより強く感じることが出来ました。
こういった経験を通じて、よりIT業界が農業に対して出来ることがあるのではないか、と考えます。
新規参入が難しいのであれば、ITの力を用いてサポートできないか。
耕作放棄地があるのであれば、ITの力を用いて世の中に広めることはできないか。
後継者がいないのであれば、ITの力を用いて若年層に興味を持ってもらうことはできないか。
僕らが普段お世話になっているIT技術を駆使し、農業のお世話をすることが出来ないだろうか。
そんなことを考えながら僕は業務に励んでいます。
今年の3月にリリースをした「アラカルトプロ」は、その第一歩だと思っています。
まだまだ試作段階で完璧なサービスではないかもしれません、それでもこれからも、農業のお手伝いをしながらサービス内容の向上と、農業界における問題を少しでも解決していけたらと思っています。
運動不足も解消出来ますしね。
ただのエンジニアではなく、日本の農業を救うエンジニア
運動不足を気にせず、気持ちの良い自然を体感出来るエンジニア
そんな、これからの時代のエンジニアに少しでも興味を持った方
一緒に農業とITの未来、あなたの健康的な将来を考えてみませんか?