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1周回って、韓ドラに求めるもの

1周回って〜シリーズ。今日は韓ドラに求めているものを書きたい。

ネトフリで配信されている今季の韓ドラが、いま続々と最終話を迎えている。

韓ドラは言葉のちがう自分と似たような見た目の俳優が演じていると言うこともあってか、日本の作品よりも俯瞰してみれる気がしている。
今季のドラマをみて感じたことをいくつか軽くまとめたいと思う。

今季配信中で見ていたドラマ
・気象庁の人々
・社内お見合い
・39歳 (やや脱落気味)
・二十五、二十一 (脱落)

すでに配信はおわっているが現在視聴中のドラマ
・彼女の私生活

......韓ドラを全く見ないひとからすれば何がなんだか、という感じかもしれない。申し訳ない。以下、ネタバレは避けながら紹介していきたい。



①登場人物、全員いい人であってくれ

まずこれ。とにかく全員いい人であってほしい。脱落しないために必要な要素No. 1かもしれない。ひとりでもムカつく性格のキャラクターがいると本当にイライラして視聴をやめてしまいそうになることが今回わかった。
今季特に感じたのは気象庁の人々。
私は特に主人公のチン・ハギョン演じるパクミニョンのお母さんが本当に蕁麻疹が出そうなほどイラついてしょうがなかった。お母さんはシングルで娘を育てたたくましい母親なのだが、とにかくハギョンを結婚させようと強引に家に押しかけたり、娘の恋愛事情に過剰に踏み入ってこようとする。
さらには娘の交際相手である彼氏(ソンガン)を勝手に呼び出し、親や家庭の事情などを結婚を前提に根掘り葉掘り聞こうとしてしまう。
わからない、私がもうすこし大人になればこのありえないお節介さにも目を瞑れるのかもしれないが、私はまだまだ年頃の23歳なのでどうしても嫌だった。
母親役はいろんな韓ドラに出ている有名な女優だったのだけど、喋り方も含めてどうも好きじゃなかった。なんとか気象庁の人々は完走できたけど、正直かなり危なかった。

②主人公の顔に愛着が湧くかどうかがドラマを見続けられるかどうかのポイント

これはあるある。特に感じたのは彼女の私生活。
先ほどと同じ、パクミニョンが主人公の恋愛コメディドラマ。気象庁の人々のパクミニョンのキャラクターがあんまり好きじゃなくて、ヒーリングもかねて3年前くらいのこのドラマを見ている。

お相手役の男性が役名でライアン・ゴールドという名前からしてちょっとキザな感じなんだが、最初はこのかっこの付け方が上手いのか下手なのかよくわからない微妙な演技がゾワゾワしていた。ところが見進めていくうちにだんだんと感情移入ができるようになっていた。ストーリーがすすむにつれて二人の関係性も縮まり、顔がほぐれていく。この俳優の顔の良さがわかるようになってきた。顔の良さに愛着をもてるかどうかは、実は結構な問題だと思う。その点、今季で多分一番盛り上がっていた有名な二十五、二十一は登場人物の顔があんまり好きじゃなく(ナムジュヒョク含む)、1話の半分で脱落した。まあ、メインストーリーがフェンシングっていう運動を扱っているのもあるけど。

③主張のうるさい(登場回数がやたら多い)サブキャラのストーリーはいらない

作る予定は一切ないが、脚本制作のコツを今回は会得したような気がする。
韓ドラで主人公を取り巻くサブキャラたちの物語は、所詮主人公たちを引き立たせる役割しかない。その匙加減は意外と難しく、サブキャラのストーリーが薄いと主人公の人となりが見えてこないし、反対に少しでも濃く描きすぎるとうるさく見えてしまう。
そう思ったのはまたしても気象庁の人々だ。今回のうるさいサブキャラと言えばそれはもう、韓ドラに名を刻むレベルのダメ男、ギジュンだろう。ダメ男ゆえに頑張って最後まで耐えて見続けてほしいのだが、今回はギジュンのキャラクターが濃く書かれすぎて、脇役としてはtoo muchな印象を受けた。設定上ギジュンは主人公のチンハギョンの元婚約者という立ち位置になる。
チンハギョンは美しく仕事のできるバリキャリで、仕事では私情を持ち込ませないような冷たくも責任感のあるキャラとして描かれている。そのチンハギョンの硬さ故に、なぜハギョンは世紀のダメ男ギジュンと婚約したのだ・・・?という謎ばかりが深まる。
つまり、あまりにもギジュンのダメダメエピソードが繰り返し出てくるあまり、ギジュンがハギョンの元カレであるという枠から飛び越え、とあるひとりのヤバいサイコ・ギジュンとしてのキャラクターが暴走してしまっているということだ。脇役なはずなのに、そのダメさ加減と登場シーンの多さゆえに、主人公を引き立たせるどころか主人公のイメージを空中分解してしまいそうな危うさがあった。

.....見てない人は全くついてこれない話ですよね。すみません。

④韓ドラに現実は求めてません

これは39歳を見て思った。39歳は韓国版セックスアンドザシティなのかと思い、軽いノリで見て始めたが全然違った。憂鬱激重悲壮絶望ドラマだった。10代の頃からの仲良し3人組のうち、ひとりがある日末期ガンを告げられる。あまりにも突然の青天の霹靂にお互いが悲しみ、迷い、泣きながらも、楽しく最後の時間をすごそうぜ、というあらすじになる。
これを見て思った。すくなくとも私は、シリアスすぎる韓ドラは受け付けられない。

余命わずかと知った主人公のソン・イェジン(愛の不時着のヒロイン)が狂ったように毎度泣く。もう見てられない。韓ドラは毎日の息抜きやご飯中に見るものなので、結末が涙しかない重たすぎるドラマはちょっと気が引けてしまう。主人公に限らず、彼女を取り巻く男性や家族もとにかくみんな泣く。とにかく重い。
私たちが韓ドラを見るのは現実逃避をするためだ。毎日の現実でもうお腹いっぱいだし、もうすでにこちらの世界で頑張ってる。ドラマで深刻すぎる現実を受け止められるだけのキャパは、もうないなあと改めて思った。

⑤1周回って、韓国のイケメン御曹司+庶民の性格良い女の子の話が安定的にみんな好き

さっきの現実を求めていないの裏返しになるが、逆にいうとどれほどストーリーが王道で嘘くさくても、なんだかんだ王道の韓ドララブストーリーに心を躍らせてしまう。
韓国流の王道ラブストーリーとは、背の高いイケメン頭のいい財閥御曹司と、平社員で性格だけはいい庶民の女の子がくっつくというお話だ。
この御曹司には大抵結婚しろとうるさい親か親戚がいて、毎回無理矢理政略的なお見合いをさせられる。もちろん本人は結婚する意思などなく、だいたいは親のお見合いしろしろハラスメントから逃れる口実をつくるために契約結婚や契約恋愛でそこらへんの女子と恋愛ごっこを始める。案の定、そこで身分を超えて二人が恋に落ちるというわけだ。
もっと言うと、大体のパターンで御曹司には誰にも言えなかった過去があり(だいたい、家族が死んだとか、虐待を受けてるとか、トラウマがあるとか)平凡で優しい庶民の女の子と疑似恋愛をして初めて、その過去を人に言えるようになり、自分を許せる、というオチが必ずと言っていいほどある。

どうしよう。こんなにも一気に書けてしまう。結末やなんとなくの展開を知っているのに、私は性懲りも無く同じような王道ラブコメで何度も現実逃避をできるらしい。

今回もそれを社内お見合いでできてしまった。
というか、だいたいの流れと結末がわかっているからこそ何にも考えずに安心して見れているのかもしれない。
「はいはい、どうせここで契約書が出てきて恋愛するんでしょ」
「はいきた、推しの強い御曹司が引いて女性側が自分の気持ちに気づくんでしょ」
「はいはい、ここで倒れて、倒れた拍子にどうせキスするんでしょ」
こういう読みは、ことごとく当たる。もし韓ドラ展開テストなるものがあれば、私は間違いなく好成績を叩き出せると思う。それくらい結末が予想できるからこそ、安心してストーリーに没入できる。

今回の社内お見合いも、ストーリーとして変わっている点は何一つなかった。御曹司役を演じたアンヒョソプがとにかくかっこいいとか、女性役のセジョンちゃんがかわいいとか、そういう感情はあるけど、ストーリーとして特別おもしろいポイントはひとつもない。
それなのに!安定的にときめきを供給してくれるこういうドラマに、結局は負けてしまう。きっと愛の不時着とか梨泰院クラスでジリジリと先の見えない不安定な恋愛ドラマを見過ぎたせいだ。もう心配で憂鬱になるドラマは心がもたない。それに最近の韓ドラは一話が映画並みに長いし、それ×15話もあったりして溜まったもんじゃない。

やはりここは1周回って我々を虜にした韓ドラの原点、王道のラブコメに最後は戻ってくるのではないのだろうか。社内お見合いを見ながら、私は不思議と安心感、というか古巣の故郷に帰ってきた感覚があった。

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差詰レオニー
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