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【指揮者メモ#377】スター演奏家の資格

【第377回:スター演奏家の資格】

今夜、カーネギーホールではラヴェルの生誕150年を記念して、ショパンコンクール優勝者チョ・ソンジンがラヴェルの全独奏ピアノ曲を演奏する。8時に始まり、休憩を2回挟んで3時間を超えそうだ。

こないだもユジャ・ワンがラフマニノフの全ピアノ協奏曲とパガニーニ狂詩曲を一晩でやった。いろいろ批判があっても、そんなことを出来ることじたいが凄いのだ。

クラシックは圧倒的に供給過多であり、一般の需要は少ない。そのなかで自分のギャラのみならず、ホール代・人件費・広告費などを圧倒的に捻出できるモノが自分になければスターにはなれない。当然の道理だ。

だから、それだけ儲けられるスター演奏家になるための要求度は今やとんでもなく高くなっている。しかもワンやチョのように、コンスタントに圧倒的才能を見せつける努力をしなければ、10年20年で次々と出て来る若者にとって代わられる。

スターを目指さなくても、儲けたいという動機で音楽をするのだったら、辛くなるのでやめた方がいいだろう。私だって、それならとっくに音楽などやめているもの。

指揮者メモ 伊藤玲阿奈・玲於奈・レオナ

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伊藤レオナ(在NY指揮者)
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