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【指揮者メモ】ミニチュアスコア解説の問題点

【ミニチュアスコア解説の問題点】

世界の中で日本製のみミニチュアスコアは解説をえらく充実させているが、あえて問題点をあげてみる。専門家の先生方が誠心誠意書かれており、それ自体は有益なことが前提なので誤解しないで欲しい。

1:これが絶対に正しい訳でないのに、受けてきた教育のせいか、数学の解答のように勘違いする。楽理はいろいろと解釈ができるのに。そして、相変わらず自分で考えることを放棄する人が多い。受験勉強に特化した教育のおかげで、正解がひとつあると思い込む心理が大問題。

2:特にドイツものだと楽理分析が主題労作(動機)に集中し過ぎる傾向がある。誰でも音符の上下を見れば大まかなメロディーラインくらいは「読み取れる」ので、音型である動機を並べれば理解した気になれるが、すさまじく片手落ち。和声や対位法まで楽譜が読めて作曲家の意図がわかる。 

3:まれではあるが、独特すぎる解説がある。たとえば、ある解説ではシェンカー理論を模倣した分析図があるが、かなり恣意的で、その筋の専門家ではないことが分かる。あくまで解釈のひとつと受け止められれば良いが・・

指揮者メモ 伊藤玲阿奈・玲於奈・レオナ

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伊藤レオナ(在NY指揮者)
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