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【指揮者メモ#380】オーケストラとサッカー

【第380回:オーケストラとサッカー】

会社のみならずオーケストラでも困るのが「指示待ち」の人だ。私の場合、リハーサルで細かいことまで方針を伝えたら、通しでは大まかな指示だけをして流れやグルーヴを作りたいタイプなので、本番でも指示待ちの奏者がいるときつい(ただし、音の入りなど奏者が助けを必要としていたら確実に処理するのを前提で話している)。

学生であっても、指示を出さないと反応できない人は見込みがあまりないと思ってしまう。極端な話、才能があるならば、全体の音をよく聞けるし自分の表現意欲をそれに合わせられるので、いちいち指揮者を見なくても良い音楽になる。うまくいってる会社と一緒。

日本で指示待ちが多いのは、個人的な素質や性格を別とすれば、「出る杭は打たれる」の文化に小さい頃から染まっているのが主因だろう。おそらくサッカー日本代表の試合運びが独特なのも、この文化的要因が大きいと思われる。

オーケストラと同じく、サッカーはきわめてヨーロッパ的コミュニケーションで映えるスポーツで、最高レベルのチームでは「個」と「全体」のバランスが絶妙だ。

指揮者メモ 伊藤玲阿奈・玲於奈・レオナ

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伊藤レオナ(在NY指揮者)
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