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【指揮者メモ#367】カラヤン「目を使うほど音楽がおろそかに」
【第367回:目を使うほど音楽がおろそかに】
「楽譜を見ないで。目を使い過ぎないこと。音符や小節線に音楽はないから」と奏者に言い続けたのはカラヤンだった。
彼が暗譜指揮にこだわった理由は記憶力とナルシシズムだけではない。音楽そのものへの没入を欲した。実際やったら分かるけれど、たとえば合唱でもみんなに目をつぶって歌わせると段違いにハーモニーも表現もよくなる。
かの朝比奈隆先生も、「第九」終楽章の冒頭、チェロとコントラバスのレチタティーヴォを指揮する時は、奏者たちに「目をつぶって弾いていい」と促すとご著書で仰っていた。
また、カラヤンは勉強する時もスコアへの書き込みは極力しないで、楽譜の視覚的イメージから脳内で音にして消化する癖を意図的につけていた。
オペラもふくむ膨大なレパートリー、かつ膨大な録音と公演をこなすのだから、スコアに詳しい書き込みをする余裕など物理的にない。彼の偉業は、視覚情報&書き込みに頼らない脳内での全パート同時再生スキルあっての賜物だ。彼が生涯こだわった訓練は正しかった(凡才の私にはハードルが高い)。
指揮者メモ 伊藤玲阿奈・玲於奈・レオナ
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![伊藤レオナ(在NY指揮者)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167356446/profile_30fdfbf6cc1a1cea5495e4d3e7612c5c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)