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Photo by
naotanu
終電の地獄絵図。
先日、仕事終わりにジムに行って来た。
その日は、勤めている医院の理事長のパーソナルトレーナーをした。
理事長が帰られてから、胸トレを始めた。
ベンチプレス、インクラインスミスバーベルプレス、ペックフライの三種目で大胸筋をパンパンにパンプアップさせた。
気付けば0時を回っていた。
筋トレをしていると、時間は一瞬で過ぎ去る。
シンデレラでも何でもない、ただのゴリラは急いで駅に向かった。
終電の10分前には、ホームに着いていたので安堵していた。
そして、終電がやって来た。
ドアが開く前の車内を見ると、催眠ガスが撒かれたかの様に、ほとんどの人が眠っていた。
中には、無修正で見てはいけない様な顔で寝ている女性もいた。
彼氏の肩に、頭を預けて寝ている女性もいた。
みんな寝ているので、かなり静かだった。
そして、電車は終点に着いた。
寝ていた人達が起き始めた。
みんな、ゾンビの様な足取りで電車から降りて行く。
席を立とうとした瞬間、右隣の方から「ビチャビチャビチャ」と奇妙な音がした。
そして、異臭が漂って来た。
異変を感じた僕は、恐る恐る視線を右側に向けた。
そこには、ゲロを床にぶち撒けるオジさんがいた。
寝ゲロをしていた。
そして、立ち上がって、ゲロを吐きながら歩いて電車から降りて行った。
その光景は、まさに地獄絵図だった。
僕は、息を止めて電車を降りた。
もう二度と終電には乗らない。
そう心に誓った。
おわり。