【エッセイ】大人は敵じゃない

　私はよく、自分よりも年下の子と話す機会が多くある。だいたい小学生～中学生頃の子供たちと色々な事を話すのだが、その時一番返しに困るのが親や教師の愚痴だったりする。今の流行りの話よりも困る。

「親と喧嘩して……。勉強しろだの家事をしろだの理不尽何ですよ」
「担任がなんかうざくて～、とにかく偉そうでムカつく」

　なんてことを言われても、この時ばかりは「分かる～」なんて軽々しく共感できない。これは親元を離れ一人暮らしを始めてからより一層感じるようになったのだが、大人って本当は敵じゃないんだなと言いってあげたい。

　もちろん私も高校生までは、グチグチと自分の事に口を出してくる両親や先生たちに「うっさいな」と思ったことがある。大人って理不尽だし、自分の人生くらい好きにさせろ。勉強しなくたっていくらでも何とかなる。そう思っていた。
　だけど実際二十歳という大人の階段に向かっていくと、あの時言われてきた言葉って本当だったんだなと実感することが本当に多くある。
　大学生になって、色々な所で色々な人と出会う。今まで必死に勉強してきた人、サボってきた人、そこから頑張っていこうとする人、怠けていく人。

「今勉強しないと、将来後悔するからね！？オレは後悔してるから」

　この言葉に、いや私は後悔しないし……と意地を張っていたけれど、”社会”に出ていく人を目の当たりにすると、自分のことを想って言ってくれてたことだと痛感する。

　今まで聞いてきた言葉を素直に聞かなかったことを、悔やむことは多くある。だからといって今の小学生や中学生に同じ事を言っても、ただの「厄介な大人」の一人に分類されてしまうだろう。だから私はいつも「まじ～、大変だね」なんて言うアホっぽい返事をする。決して言葉が無い訳でなはい。
本当は「それは親（先生）の言う通りだよ！言う通りにしておいた方が自分のためだよ」って言いたい。けど彼らにとっての”敵”を更に増やしてしまうだろう。

　大人は敵じゃない。これを理解するのに私は20年かかった。あの時には想像できないくらいに、両親にも恩師にも感謝している。
　20歳になった私ももう「大人」で、自分より年下の子に色々な事を言われていくのだと思う。それでも私に沢山愚痴をこぼしてくれる彼ら彼女らが、少しでも「大人ってすごいな～！」って思ってくれるような人生を送りたい！！！！！！！！！