レンタルビジネスの在庫の出口戦略
レンタルビジネスを立ち上げる際には、在庫の処分方法も検討しておく必要があります。
本コラムでは、
・新たにレンタル事業を始めたい
・既存のレンタル事業やシステムを見直したい
・既存の事業での在庫の処理を検討したい
とお考えのメーカー様・サプライヤー様を対象に、家電レンタルサービス「レンティオ」で在庫の中古販売を行っている現役担当者がレンタルビジネスの在庫の出口戦略について解説します。
レンタル在庫の処分基準
レンタル回数の増加によって、見た目や機能が損傷したり、注文を受けられなくなってしまう在庫も発生します。
このような場合に一定の処分基準を定めておくことで、お客様に不十分な品質の在庫を提供してしまったり、注文が入らない商品の保管コストが増加するなどのリスクを防ぐことができます。
ここでは参考として、レンティオで定めている処分対象在庫の基準を3つをご紹介します。
①見た目が悪くなった在庫
レンタルでの使用回数が増えると、商品機能に問題はなくとも、傷や汚れにより見た目が良くない状態になる在庫が発生することもあります。
レンティオでは、返却された在庫の検品担当者もしくは出荷準備の担当者が、その在庫を見て「自分で使用することに抵抗がある状態だ」と判断した場合には、レンタル用の在庫から処分対象の在庫へと切り替えを行っています。
②型落ちして旧モデルとなった商品
発売開始から時間が経過したり、同商品の新モデルが登場することで徐々にレンタルニーズが下がってくる商品もあります。
レンティオでは、商品の発売時期・新モデルの有無・注文数の推移から判断して処分対象へと在庫を切り替えています。
③余剰在庫数の多い商品
レンタル用の在庫数に対して、十分な注文件数が入らない場合は、収益率の悪い在庫で保管スペースを圧迫してしまいます。
レンティオでは、保管スペースに対して適切な数量まで在庫数を減らすために、在庫を処分対象へ切り替えることもあります。
上記①②③の基準で処分の対象となった在庫のうち、商品機能や品質に問題がない在庫は中古販売を行っています。
中古販売のメリット
レンタルビジネスでは、在庫の出口戦略として中古販売が有効です。まずは中古販売のメリットをご紹介します。
メリット①処分コストが削減できる
処分の対象となった在庫には、以下のようなコストが発生します。
・保管するためのコスト
・廃棄するためのコスト
・修理するためのコスト(再度レンタル提供を目指す場合)
中古販売を行うことで、これらのコストの早期削減につながります。
メリット②新たな収益源になる
これまでコストをかけて処分していた在庫を活用し、新たな収益源を作ることができます。特に、この場合は在庫の仕入れコストがかからないため、利益率の高い事業となります。
メリット③販売チャネルが豊富
近年メルカリを中心としたリユース市場の成長により、有力な販売チャネルを低コストで展開できるようになりました。
レンティオでは、自社ECサイト『レンティオアウトレット』や楽天市場・メルカリShopsといった集客力のあるECモールで中古販売を展開しています。
中古販売のデメリットと対策
一方で、デメリットとそれに対する対策をご紹介します。
デメリット①ブランドイメージへの影響
状態の悪い中古の在庫が市場に出回ることで、商品のブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
レンティオでは、そういったデメリットを抑えるべく、レンタル用の在庫と同じ水準で中古販売用の在庫もメンテナンスを実施してから販売をしています。
デメリット②商品状態の認識齟齬の影響
中古の在庫は、状態がひとつひとつ細かく異なります。
レンティオでは、販売ページに各在庫の傷や汚れを写真や文章で細かく記載することで、注文時と受け取り時にお客様との間で商品に対する認識にギャップが発生しないように努めています。
デメリット③在庫管理の複雑化
中古販売をする在庫は、レンタル用の在庫と混同しないように在庫を分けて管理をする必要があります。
また複数のECモールに出品を考えている場合、空売り(在庫数以上に受注してしまうこと)をしないように注意をしなければなりません。
レンティオでは、在庫管理システムを導入し、在庫の管理を工夫をしています。
サステナブルな取り組み
傷や汚れのある在庫は、商品の機能に不具合が見られない状態でも廃棄をするのが一般的です。
しかし、商品機能が正常であれば、少しでもお得に購入したいと考えるお客様もいます。中古販売を行うことで、そういったお客様へお得に販売することができ、本来廃棄するはずだった在庫数を削減することに繋がります。
このような取り組みは、サステナブルな取り組みとして企業価値の向上に寄与することができます。
メーカー様のデモ機・戻り品の活用
在庫の出口戦略は、レンタルビジネスにかかわらず、メーカー様も抱えている課題です。
レンティオでは、メーカー様から以下のような在庫を買い取り、レンタルでのご提供や中古販売をするなど、在庫の有効活用や処分の支援も行っています。
①デモ機・返却品
メーカー様が家電量販店や展示会などでデモ機として展示していた商品や、なんらかの理由でお客様から返品されて処分に困っている商品をレンティオが買い取っています。買い取った在庫は、レンティオのラインナップに追加してお客様にご提供したり、中古販売を行うなどして、在庫の出口戦略として支援しています。
②箱損傷品
未開封の商品ではあるものの、商品の化粧箱の損傷や破損によりメーカー様では販売できなくなった在庫のご相談も多くいただきます。
このような場合もレンティオが商品を買い取り、レンタル用在庫としてのご提供や中古販売までを支援しています。
商品のレンタル・購入ニーズや在庫の状態によって、買取可否の判断が必要ですが、このような課題をお持ちのメーカー様はぜひご相談くださいませ。
まとめ
ここまでレンタルビジネスの在庫出口戦略についてご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
処分の対象となった商品の在庫をレンタルビジネスで活用したり、中古販売を行ったりすることは、在庫の出口戦略としても有効です。
しかし、1からレンタルビジネスを立ち上げたり、中古販売のECモールへ出店を準備するとなれば、多くの手間・コストが発生します。一方で、すでにある自社サイト内でレンタルや販売をすることで、新品商品の売上への影響リスクや社内の調整コストがかかることもあるかもしれません。
レンティオは、すでにレンタル事業が確立できており、中古販売も自社サイトや複数のECモールで展開しているため、対象の在庫をレンティオに販売いただくだけで在庫の処分が可能です。
その他にもメーカー様のビジネスをご支援する様々な取り組みを行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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