借りてから買う レンタルビジネスのメーカーメリット
近年注目度が高まっているレンタルサービスを、新規事業として検討しているメーカー様が増えています。
一方で、これまでの販売の仕方との違いや、メーカーとユーザー双方の観点でのメリット・デメリットについてはよく分からないというお声もいただきます。
本コラムでは、近年日本でも広がり始めているレンタルサービスの「Rent to own」という考え方やEC販売とレンタルサービスの違い、メーカーとユーザー双方の観点でのメリット・デメリットについて、家電レンタルサービス「レンティオ」でメーカー様のレンタルサービスの立ち上げを支援している現役営業担当者が解説します。ぜひ参考にしてみてください。
「Rent to own」とは
「Rent to own」というフレーズをご存知ですか?
気になる商品は購入する前にレンタルし、商品を使ってみて良いと判断したらそのまま購入し(所有し)、商品が合わないと判断すれば返却することができるサービスでよく使われるフレーズで、欧米ではこのような消費行動は一般的です。
近年日本でも「買うor買わないで我慢する」以外の第三の選択肢としてこの「Rent to own」という考え方の認知が広がっています。
心惹かれた商品を購入前に体験することで、買い物の失敗(ユーザーと商品のミスマッチ)を減らせるだけでなく、本当に必要だと感じてる人に必要な商品が届き、良い商品がどんどん売れて生産されていく好循環につながります。
「借りてから買う」とEC購入の違い
「借りてから買う」とEC購入の違いは、購入する前に「レンタル」をするか否かです。
2023年8月に経済産業省から公開された「令和4年度電子商取引に関する市場調査」データによると、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」の業界のEC化率は40%に達しており、商品はインターネット上で購入をされるケースが増えています。
EC化が進み、インターネット上で商品の実物を見ずに購入ができるようになり便利になった一方で、届いた商品が想定と違って購入したことを後悔してしまうケースも増えたのではないでしょうか。
「借りてから買う」レンタルサービスは、実際に商品を自宅の環境で試してから購入の判断が可能です。そのため、興味や関心はあるけど購入に踏み切れない方へのタッチポイントの創出を狙うことができるといえます。
「借りてから買う」のユーザーメリット
「借りてから買う」ことのユーザーメリットは「購入のミスマッチがなくなること」です。
①商品を買わずに必要な時だけ使える
高価な商品の場合、その使用頻度が低いことが予想されるほど、購入を悩む方も多いのではないでしょうか?
例えばカメラなどの高価な家電も、旅行やイベントなど特定の用途に合わせて必要な期間だけ買わずに使うことができるのがレンタルのメリットです。
②購入前に性能を試すことができる
実際に自宅の環境で試さないと分からない商品は沢山あります。
例えば、電気圧力鍋や炊飯器などのキッチン家電は店頭で調理機能を試すことが難しく、美味しく作れるのか?自分で使いこなせるのか?など、使ってみないとわからないことがたくさんあります。
レンタルをすることで美味しさや使い勝手など事前に性能を知ることができ、納得のいく購入が出来るのがレンタルのメリットです。
③購入後の後悔が少なくなる
実際に店頭で実物をみて、試す機会もあり、散々検討した結果、それでも失敗したと感じる瞬間が「買ってすぐは使ったのにだんだん使わなくなってしまった」というものです。
例えば、美顔器やスチーマーなどの美容家電は、使えば効果は実感するものの、実際に日々の生活の中で使い続けられるかどうか?は別問題です。例えば、数ヶ月レンタルをすることで、実際に購入後も使い続けられるかどうか判断することができるのもレンタルのメリットです。
「借りてから買う」のユーザーデメリット
ユーザーのデメリットは、レンタルサービスの利用時にコストや手間が発生することです。マッチしない商品だった場合、商品を梱包し直して返却をする手間がかかります。
しかし、そのデメリットを上回るメリットによって、多くのユーザーが買う前にお試しをする消費行動にシフトしつつあると考えてます。
レンタルした結果、仮に不要と判断した場合でも不必要な所有を避けられたといえるからです。
「借りてから買う」のメーカーメリット
①収益につながる
レンタル事業はメーカー様の新たな販促手段として有効です。
商品を購入する前にレンタルすることで、お客様自身で実際に使用感を確認できるため、WEBサイトや店頭で製品を眺めたり触ったりするだけでは伝わりにくい製品の魅力も伝わりやすく、その後の購入決定の後押しになります。
②マーケティングに活用できる
レンタルをしたお客様の情報や体験した製品に対するフィードバックが得られるため、製品改良やマーケティングに役立てることができます。
③潜在的な購買層にアプローチができる
「購入する / 購入しない」の2択だけでなく、第3の選択肢としてレンタルができることで、これまで興味・関心はあるが購入には至らなかった人からのレンタルを狙うことができます。結果として、これまでアプローチできなかった層を購入層へ引き上げることができます。
「借りてから買う」のメーカーデメリット
メーカー様のデメリットは、本来レンタルという選択肢がなければお試しせずに購入した可能性のある人が、レンタルをした結果、購入を断念してしまうことです。
上記のようになる理由は、
①商品そのものが良くなかったため
②商品そのものは良いがユーザーのニーズにマッチしなかったため
の2つと考えられます。
①は想像がしやすいと思いますが、②はマーケティングに改善の余地があるとも言えます。
例として本来は3,40代にマッチする商品があるとして、メーカー側で20代に訴求をしてしまっていて、結果20代からのレンタルが増えてしまうケースなどです。
レンタルサービスであれば、ユーザーとの接点を直接持つことが可能なため、①②ともに商品のどこを改善すれば良いのか気づきを得ることが可能になり、次回に向けた改善に繋げられます。
まとめ
レンタルサービスは、ユーザー様とメーカー様のどちらにもメリットがあることを解説しました。ユーザー様とメーカー様がともにウィンウィンの関係を築くことが可能です。
しかし、レンタルサービスを新たに立ち上げることは、コストも時間もかかります。
レンティオでは、メーカー様の製品をお預かりして、レンティオでレンタルできる製品の1つとして掲載することで、レンタル事業の実現をサポートしています。(詳細はこちら)
それに加えて、メーカー様のドメインにてレンタルサービスを展開できる仕組みも用意しています。
それにより、メーカー様が自社でレンタルサービスを立ち上げるよりも、低コストかつスピーディにレンタル事業を開始することができます。
レンタル事業についてご興味・ご相談がある方は、お気軽にお問い合わせください。
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