専門的なコミュニケーション技術を応用して日常生活をより良いものに【バイスティックの7原則】②受容の原則
こんにちは、れんちです。
前回の投稿では、バイスティックの7原則における「個別化の原則」について説明をしました。
簡単に言うと、人を型にはめて接してはいけないというものですね。
今回はその続きです。
バイスティックの7原則
1.個別化の原則
2.受容の原則
3.意図的な感情表出の原則
4.統制された情緒的関与の原則
5.非審判的態度の原則
6.自己決定の原則
7.秘密保持の原則
2・受容の原則
バイスティックの7原則、2つ目、受容の原則について解説をしていきます。
受容の原則とは、
相手の発言や思い全てを受け止め、決して否定しないというものです。
そんなの当たり前だと感じる人もいるかもしれませんが、本当の意味で
「受容」ができているでしょうか。
例えば
「私本当に辛くて・・・もう頑張れそうにないんです・・・」
部下や後輩、または近しい人からこう相談されたとき、あなたならどう返答するでしょうか。
「大丈夫だよ!あなたならできるよ」
「つらい気持ちもわかるよ。でも頑張らないと仕方ないよね」
「まあ疲れてるんだよ。おいしいものでも食べて元気だしな」
これらの回答は、基本的に✖です。
もしあなたがその方の支援に携わる人であるならば最悪の返答と言ってもいいでしょう。
もちろん関係性もあるので、一概には言えません。上記の例のような返答でもいい結果を生むこともあるでしょう。
しかしそれは結果にすぎません。次もそう上手くいくとは限りません。
なぜ、上記の返答がダメなのか、理由は「受容」が全くできていない点にあります。
「大丈夫だよ!あなたならできるよ」
「つらい気持ちも分かるよ。でも頑張らないと仕方ないよね」
「まあ疲れてるんだよ。おいしいものでも食べて元気だしな」
これらの返答の共通点が分かりますでしょうか。
それは、【自分の言いたいことしか言っていない】ということです。
分かるよ、という言葉もありますが、言葉だけです。
話を切り上げよう、またはさっさと元気を出してもらおうという気持ちが言葉に滲み出ています。そして、そういう気持ちは相手に伝わっているものです。
「ああ、この人は話を聞いてくれないんだな」
そう思われてしまうと、表面上はあなたとの関わりを続けてくれますが、もう本当の意味であなたのことを信用することはないかも知れません。
アドバイスの前に、先ずは受け止める。受容が大原則です。
まずしっかり相手の話に耳を傾け、どういう気持ちなのかを知り、そしてそれを絶対に否定しない。
この、絶対に否定しない、ということも重要なポイントです。
聞いてくれたところで、それを否定されるならどうしようもありません。やはり相手は、あなたを信用することは諦めるでしょう。
耳を傾け、理解し、否定しない、この三つが全てなされたとき、初めて「受容」の原則が成り立つのです。
簡単なことですが、実際やってみるのは凄く骨が折れます。とても根気のいる作業ですから。
しかし、もしもあなたが相手との関係を大事にしたいのなら、この「受容の原則」は絶対に役に立ちます。
役に立つアドバイスよりも、まずは相手を正しく受け止めましょう。
受容の原則は、前回解説した個別化の原則と通じるところが大きいです。
相手の一人の人間として受け入れ、相手の考えや発言を否定しない。ということですね。
では、もしも相手が「死にたい・・・」と言ったら?
法に触れるようなことをしていたら・・・?
それは後々解説していきます。
次回は、その③
意図的な感情表出の原則
について解説します。
これは、①②の原則と少し違い、心構えのようなものですが、とても大事なものです。
次回をお楽しみに。
では、また。