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自己循環

2024年7月20日からGALLERYエクリュの森で開催される個展「自己循環」では過去作品のアップサイクルを試みる。
今回は「自己循環」というキーワードに至った経緯を書いてみようと思う。

アーティストとして活動を始めてから、織物でどんな表現ができるか考え作り続けてきた。
古着に含まれる記憶や歴史、少しずつ糸を重ね織っていく行為、だんだんと織物に含まれていく「時間」が大きなテーマになっていった。

過去作品を振り返る

「時間」を考えていく中で、自分自身の人生とこれまで積み重ねてきたもの、つまり過去を振り返ることになった。

2023年、gallery shell102で開催した個展「記憶の重層」では、これまで織ってきた布を集めて一つのインスタレーションとした。

「過去の海」

生命が生まれた海とイメージが重なり、過去作品が新たな作品へ生まれ変わった感じがした。

循環すること

私は、自分が0から1をつくりだす必要はないのではないかと考えている。すでに1となっているものを愛しみ、尊重し、それを再編する。
過去にあった様々な出来事が糧になって現在の自分ができているように、自分がつくるものも過去から続く循環から出来上がるのではないか。
私たちは過去が積み上がってできた現在に生きていて、古布を使った織物は、まさに過去からの再生の象徴なのだ。

左:WPシリーズ  右:織石(円環)

過去作品から繋がり続く現在。7月20日から始まる個展「自己循環」では、過去作品をアップサイクルするだけでなく、配置を変えることでイメージを変化させたり、既存のシリーズをブラッシュアップした作品など「自己循環」をキーワードに様々な試みをしている。ぜひ実際の展示で作品をご覧になって欲しい。


河本蓮大朗展「自己循環」
会期:2024年7月20日(土)〜7月28日(日)
時間:11:00〜17:00 ※26日(金)のみ19時まで、24日(水)休廊
会場・企画:GALLERY エクリュの森
静岡県三島市大宮町2-16-21 伸和ビル1F
協力:カニエ・ナハ (詩人)