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本当に難しかった問題は地味問題? 受験報告7️⃣ 社会福祉士国家試験(第37回)

 これまで合計7問見てきましたが、まだ正答率低い問題はあります。それはそうです。簡単な問題だけなら国家資格の意味がありません。実際ある程度の数の問題は、多くの受験者が正答にたどり着いています。合格基準を上回るためには、正答率の高い問題で、いかに取りこぼさないかが大切とされていると思います。
 しかし、実際今年の受験が終わり、合否発表を待つこのちゅーぶらりんな時期には、引き続き難問系から振り返っておこうかなと思っていますので今日はこちらを。 


問題17 社会学と社会システム 差別・偏見

「差別と偏見に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。」
 1 ゴッフマンは、主に身体に付随し、それが他者にとっての偏見を呼び起こす「印」として機能するものをスティグマと呼んだ。
 2 オルポートは、民族的偏見を「誤った、柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。
 3 リップマンは、人々の知覚や認識を単純化して理解することをダブル・コンティンジェンシーと呼んだ。
 4 コールマンは、政治・経済・軍事などの分野のトップが社会の権力を握るとするパワーエリート論を展開した。
 5 ミルズは、一次的逸脱と二次的逸脱という概念を用いて、逸脱的アイデンティティが形成されるメカニズムを説明した。


 まず、1と3と4のお名前で韻を踏んでいるところで難易度上げてきてるなと(違う)正答率こちらも2割に満たないと思われます。一つ選ぶだけでも大変なのに二択ですからね。
 ゴッフマンさんのスティグマは過去問で覚えていた人も多いのかもしれません。7割の選択率。正答例は回答1と2で、2を選択できたのは3割ほど。この3割の人で1も一緒に選んだ人がさらに少ないわけです。難しい。
 オルポート(オールポートで覚えてました)さんは心理学で出てくる「特性」の人って記憶をしていて、それ以外のことは掘り下げて覚えてはいなかったので除外していました。こんな感じで、過去問や参考書だけの知識や学習、特に頻出ワード、キーワードだけ覚える学習では、その先の深堀り的情報で正答を導くのは難しいなと。
 ちなみに回答3「ダブル・コンティンジェンシー」(パーソンズさんのことと思われます)は第34回試験問題19で出ていたのですが、もしかしたら同じ人の出題?出題の仕方がこの問題と似てるなと感じました。
 回答4のパワーエリート論ってなんんとなく聞いたことがある気がしていたんですが、これがミルズさんの理論?回答5はエドウィン・レマートさんの説明のようですが、ミルズさんが4の人だとわかっていれば4と5は除外できたかもしれません。


問題20 社会福祉の原理と政策 日本の社会事業

「大正期の社会事業に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。」
 1 感化法が制定された。
 2 中央慈善協会が設立された。
 3 恤救規則が制定された。
 4 大阪府で方面委員制度が創設された。
 5 石井十次によって岡山孤児院が設立された。


 「大正期」というくくりに多くの受験者が惑わされた結果、正答率が低かったと思われます。結果論ですが、この5肢の中で、一番新しいものが唯一「大正」で、他は明治期ということになると思います。この問題も、問題文が短い系の問題で、短いとかえって「焦る」結果、冷静に時間をかけて回答を推測せずに答えてしまう傾向にあるのかなと思います。僕の場合ですが、恤救規則は「はなじ(874)」で1874年、石井十次は「ははなる(887)」で1887年は覚えていたんですが、他は年数など覚えてないですし、そもそも西暦だし、大正がいつかをいちいち計算で出すのも時間かかるし・・・って判断で、直感的に選んで間違ってもいい、他の問題に時間をかけよう、って思って外れましたw(正答例は回答4になります)


 試験中に、時間をかけるかけない、の判断や、時間をかけずに正答を選びだす技術のようなもの、試験時間内に効率的に問題を進めることに関しては、ある程度「過去問」を解くにあたって時間を意識する、模擬試験(自宅でやるとしても)で、本番と同じ時間配分でやる、などで身につけておくのは良いのかなと感じるので、時間を十二分にかければ正答できたかも!と思う反面、ある程度の時間での選択が、自分の実力なんだ、とも思います。
(全問振り返る予定ではないですが、難しかった問題や自分が間違えた問題をもうちょっと今後も見ていこうと思っています。)

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