こんにちは。ブログ運営に役立つプロンプトを研究している ぽけご です。
「Gemini 1.5 Pro の性能がすごくいい!」
最近、こんな話をよく聞きませんか?
インフルエンサーの方々が、SNSで話題にしたり、以下のような動画にされたりしてます。
でもブログ記事作成において、本当に Gemini 1.5 Pro が使えるのか気になりますよね。
過去にも以下のような比較検証はしてきましたが、その時の実力と変わっているのでしょうか?
ということで、
GPT-4o(ChatGPT)
Claude 3 Opus
Gemini 1.5 Pro
上記3つの生成AIについて、現時点(2024.06.08)のブログ記事作成における能力差を細かく検証してみました。
能力差を検証するプロンプトは、前回と同様に以下を使用しています。
かなり細かい指示を盛り込んだプロンプトになっているので、能力差がしっかりわかるはずです。
それではやっていきましょう。
※追記:
Claude 3.5 Sonnet との能力比較は以下の記事で検証しています。
こちらをご覧ください。
1. ペルソナ分析の検証
記事のターゲット読者像(ペルソナ)を明確にすることは、SEO に強い高品質な記事作成の第一歩です。
私の使っているペルソナ分析のプロンプトでは、キーワードを指定するとそのキーワードで検索する3人のペルソナ像をAIが出力してくれます。
※ こちらは無料で一般公開していますので、誰でもお使いいただけます
ということで、今回は「Webライターが生成AIの活用を始める具体的なステップ」というテーマでペルソナ分析を実行してみました。
私が記事を作成するついでに検証してみたので、かなりニッチなテーマですが、気にせずに見ていきましょう。
GPT-4o のペルソナ分析
GPT-4o にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
ペルソナ1については、「Webライターが生成AIの活用を始める具体的なステップ」というテーマの読者にマッチしていそうです。
ただ、ペルソナ2と3については微妙ですね…
Webライターとは関係ない人たちになっちゃってます。
Claude 3 Opus のペルソナ分析
Claude 3 Opus にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
ペルソナ1~3すべてが、「Webライターが生成AIの活用を始める具体的なステップ」というテーマの読者にマッチしています。
このまま記事作成の参考データとして使用しても問題なさそうですね。
Gemini 1.5 Pro のペルソナ分析
Gemini 1.5 Pro にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
ペルソナ1~3すべてが、「Webライターが生成AIの活用を始める具体的なステップ」というテーマの読者にマッチしています。
しかも各項目の掘り下げが、Claude 3 Opus よりも具体的でリアルな感じです。
これは確かに進化してる気がしますね!
文句なしに、Gemini 1.5 Pro のペルソナデータを正式採用したいと思います。
2. 記事の骨子の検証
ペルソナ分析ができたら、次は記事の骨子を作成します。
骨子とは、記事の主張やメッセージを明確にし、それを裏付ける情報を論理的に配置した設計図のようなものです。
骨子を作ることで、書くべき内容を整理し、読者に伝えたいことを明確にできます。
「Webライターが生成AIの活用を始める具体的なステップ」というテーマとGemini 1.5 Pro が作ったペルソナ分析をもとに、生成AIにプロンプトで骨子の作成を指示しました。
GPT-4o が考案した記事の骨子
GPT-4o にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
間違ったことは言ってませんが、なんとなく印象に残らない感じですね…
当たり障りのないことを書き連ねているだけなので、この骨子をベースに記事にしても、読者に響く記事にはならないでしょう。
そんな気がします。
Claude 3 Opus が考案した記事の骨子
Claude 3 Opus にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
プロンプトで提供した筆者情報を織り交ぜながら、具体的で説得力のある骨子に仕上げています。
ただし、
この辺りが気になりますね…
いずれも手直しすれば大丈夫なので、骨子のベースとしては問題ないレベルでしょう。
Gemini 1.5 Pro が考案した記事の骨子
Gemini 1.5 Pro にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
論理的で説得力のある骨子に仕上がっています。
ペルソナ分析と同様に、Gemini 1.5 Pro のパワーアップを感じさせる内容です。
骨子の生成では、ハルシネーションが起きないように、
「できるだけ普遍的な内容で論理を組み立ててください」
とプロンプトで指示しています。
その指示を忠実に守った骨子に仕上がっているのではないでしょうか。
ただし、「具体的なステップ」という点にはあまり踏み込んでいないので、その点はちょっと物足りないかもしれません…
骨子は Claude 3 Opus と Gemini 1.5 Pro のものを組み合わせて、ブラッシュアップしたうえで次の工程に進みたいと思います。
3. 見出し、タイトルの検証
次の工程は見出しとタイトルの考案です。
これらをもとに、生成AIにプロンプトで見出しとタイトル案の作成を指示しました。
GPT-4o が考案した見出しとタイトル
GPT-4o にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
悪くない見出し構成です。
「まとめの見出しは別に作ります」と指示しているので、それを除いてちゃんと起承転(結)の流れになっています。
ただし、見出し文の感じが読者目線ではなく、魅力的かといえばちょっと微妙ですね。
タイトルも普通すぎるというか…
Claude 3 Opus が考案した見出しとタイトル
Claude 3 Opus にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
こちらも悪くない見出しです。
起承転(結)の流れになっていますし、読者目線の書き方になっていて、目次として見たときにスッと読み進められそうな気がします。
GPT-4o よりは、こっちの方が好みかな~。
タイトル案も Claude の案の方がいい感じですね!
Gemini 1.5 Pro が考案した見出しとタイトル
Gemini 1.5 Pro にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
見出し案を見て、「なるほど、そう来たか~」という感じがしました。
「Webライターが生成AIの活用を始める具体的なステップ」という記事テーマを考えると、一番ふさわしい見出し構成なのかもしれません。
ここでも Gemini 1.5 Pro の進化を垣間見た気がしました。
ただし、タイトル案はイマイチですね…
ということで、タイトルは Claude の案をベースに、見出し構成は Gemini の案をベースにして、次の工程に進みたいと思います。
4. 記事本文の検証
最後に記事本文の執筆具合を検証します。
ここまでの出来がいくらよくても、肝心の執筆する文章がイマイチでは意味がありません。
また、出力速度も気になりますよね。
前回の検証では爆速だった GPT-4o も最近は遅くなったような気がしますし、いちばん出力が速いのはどれなんでしょうか…
これらをもとに、生成AIにプロンプトで本文の執筆を指示しました。
GPT-4o が執筆した記事本文
GPT-4o にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
※ 本文の一部を抜粋しています(一つのh2見出し分)
出力された文字数は1,954文字、完了までにかかった時間は35秒でした。
秒あたりの出力文字数は55.8文字です。
「最近、GPT-4oの出力がちょっと遅くなった気がする…」
何となくこのように感じていたのですが、実際に計測してみると前回の計測時(2024.05.14)より、秒あたりの出力文字数が10文字近く落ちています。
やっぱり遅くなっていましたね…
出力内容については、前回同様で文章の感じが淡泊というか、
「あーこれ、ChatGPTで書いてんな~」
とわかってしまいそうな文章です。
語尾を多彩に使って、文章にリズム感を出すように指示を与えているのですが、ChatGPTはいつもこの指示を完全に無視します (^^;
個人的には、今の感じでは文章生成には使えないですね。
Claude 3 Opus が執筆した記事本文
Claude 3 Opus にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
※ 本文の一部を抜粋しています(一つのh2見出し分)
出力された文字数は1,870文字、完了までにかかった時間は93秒でした。
秒あたりの出力文字数は20.1文字です。
うーん遅い、遅すぎる…
秒あたりの文字数が、前回の計測時(2024.05.14)より20%の性能減です。
GPT-4o の3倍近くの時間がかかってしまってます。
文章のクオリティは、プロンプトの指示に基づいて仕上がっており、記事のベースとして問題ないレベルです。
ですが、このスピード感はちょっと厳しいかな~
GPT-4o は無料で使えるのに対し、 Claude 3 Opus は完全有料のサービスですよ。
早く何とかしてください、Anthropic さん…
Gemini 1.5 Pro が執筆した記事本文
Gemini 1.5 Pro にプロンプトを入力して実行してみたところ、以下のような出力でした。
※ 本文の一部を抜粋しています(一つのh2見出し分)
出力された文字数は3,090文字、完了までにかかった時間は39秒でした。
秒あたりの出力文字数は79.2文字です。
今回の比較したAIの中でも、最も文字出力が速く生成した文字数も最多でした。
内容についても、具体例を用いながらわかりやすく解説されています。
「あなた」の使い方がちょっと変ですが、これはプロンプトの理解を誤ったからかもしれませんね。
まぁ、この程度ならすぐに修正できます。
記事の原稿として使うのに、問題のないクオリティと言えるでしょう。
ここでも、Gemini 1.5 Pro の進化を十分に感じることができました。
まとめ:ブログ記事作成において、Gemini 1.5 Pro が最強の座に!
今回は GPT-4o、Claude 3 Opus、Gemini 1.5 Pro の3つの生成AIについて、「ブログ記事を作成する」という観点で細かく検証してみました。
これらを加味すると、
Gemini 1.5 Pro がブログ記事作成で、もっとも使える生成AIである
こう言い切っても問題ないでしょう。
筆者は Claude 3 Opus の文章生成クオリティをずっと推してきましたが、いかんせん出力速度が Gemini 1.5 Pro と違い過ぎます。
これは推しを変えざるを得ませんね…
Google の資本力とか Webビジネスのバックボーンなんかを考えても、今後は Gemini 中心に考えていくべきでしょう。
ただし、ChatGPT や Claude にもそれぞれの良さがありますので、有料契約しながら使い続けるつもりです。
これからもAIの最新情報をキャッチしつつ、SEOに強い高品質な記事を生成AIで作成するための研究を続けていきますのでご期待ください!
【追記】
Gemini 1.5 Pro の始め方と使い方は、以下で記事にしています。
まだ使ったことがないという方は、ぜひ参考にしてください。