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砂時計


泡沫の夢から醒める時

純粋な記憶に砂が落ちる

時が経つのは砂が落ちるからだ

独り言を呟く


今どうしてる?

月に夜光塗料を塗ってる

オリーブオイルの代わりに 一番搾りの菜種油を

大蒜の香りが立つまで

ぼんやりと 


天翔ける馬の手綱を 手放す天翔ける心は

円錐の砂を掬い上げ 解き放つ

隔り世の印を象る その窓を開けて


くるっと向きを変えると隔り世は消え

現れること再び

どれほどの時が過ぎたのだろうか

無意識に草が生えている

和はくれぐれも等しく

魔法陣の街


忘れ去られた光の断片 掻き集め

王の樹の根っこに話しかけ

夕暮れの汽笛の響きを聞く


翡翠の耳飾り

統合された記憶は3つの同時的な運動を通じて応答するのだ

真珠の首飾り

ひとつづつ ひとつづつ 日々を祝福する声を聞く

全てはそこから始まり そこに辿り着く

らしい 


旅人が再び旅に出る前は 太陽が欠けるものだ

こんな宵にはバッハ

眠りにつくのは 明日目醒めるため

溶けてゆく 融けてゆく 解けてゆく .......