不動産営業って・・・何のプロ?
中古不動産を購入する際、多くの方が不動産の専門家に相談すると思いますが、まず押さえておくべき大前提があります。この点を見落とすと、購入時に失敗するリスクがあります。
その大前提とは・・・
「不動産会社は資産の専門家であって、住宅の専門家ではない」
ということです。
彼らは不動産の価値に関する専門知識を持っています。例えば、
「このエリアは価値が下がりにくい良い場所です」
「駅からの距離が近いため、相場よりも高くなっています」
「今後、物件価格はこんなふうに変動する可能性があります」
「住宅ローンの金利の変動が予想されます」
といった観点からアドバイスします。つまり、彼らの専門は不動産の価値判断であり、実際に住む家の具体的な内容についてではありません。
しかし、多くの人は「不動産会社=家の専門家」
と考えがちです。ここに認識のずれが生じます。
不動産会社の立場からすると、家の内部・建築についての知識はあまりなく、関心も低いかもしれません。実際に住んだ経験がないため、「知らない」「関係ない」というのが実情です。
もちろん、仕事に誇りを持ち、住宅の知識を学んで、売主や家の詳細をしっかりヒアリングし、注意点を伝える営業担当者もいますが、それは稀です。特に大手企業ほど、また若い担当者ほど、住宅に関する知識は乏しくなりがちです。
現代では、テクノロジーの発展により、情報を簡単に得られるようになりました。その結果、お客様自身が情報を調べ、自ら判断して家を購入するケースが増えており、営業担当者の役割は鍵の手配に限られてしまうことも少なくありません。
これに対して仲介手数料を支払うのはどうなのかと思うかもしれませんが、これは避けられない現実です。
ただし、不動産知識・建築知識・法律をすべて完璧に把握している優秀な営業担当者も存在します。そういった人材を見つけることが重要です。