【実録】なんも出来ない奴のグラフィックデザイナー(仮)のなり方
昔から勉強もスポーツも全然ダメでした。
球をついたり蹴ったりしながら走るなんて、選ばれた人だけが出来るって思ってます。今も。え?あなたは出来るんですか?天才ですね!
水泳ではクロール息継ぎで、水面から顔が一生出なくて死にそうになります。今も。バタフライ?どうゆう原理ですか?あれ。
先生がいつも一生懸命に教えてくださったけれど、どれだけ一生懸命に聞いても何故だか理解出来なくて、申し訳程度の「兎に角元気な返事」だけしてました。
習っていたそろばんは3級が受からなくて辞めて、
友達に誘われてなんとなく入った部活のテニスは中2で辞めて、
習字は友達に書いてもらったのだけ親に褒められて、
美術は好きだったけど、自分より上手い人がクラスに必ず居て。
高校生になって、初めて「洋服屋さんで働きたい」と思って働いてみたけど、自分のファッションセンスが壊滅的にダサいことに気が付いて1年で辞めて、
他にも、居酒屋、コンビニ、パチンコ店、レストラン、遊園地、ケータイショップ、バー、眼鏡屋など手当たり次第にやってみたけれど、全部全然続かなくて、遅刻するし、レジ金合わないし、出来んからいじめられるし?
さらに、それを気にしてもないほどに終わってて。
本当は“隠キャ”なのに、短時間なら“陽キャ”っぽく振る舞えるくらいしか取り柄(?)がなくて、やりたいことも何にも無かったです。
なんか、自分で振り返って書いてて、心配になってくる程度には、普通以下でした。涙出そう。え?私ってもしかしてグレーゾーンやったの?半グレ?
でも、それから何年か経って、取り敢えず入った派遣先の会社の仕事が結構楽で、ずっとおったら正社員にしてもらえることになって、面接の時に「絵描くの好きです」って言ってたから「ほな、チラシ作ってー」って言われたんです。当時は手書きで描いてました。PCで出来ないから。そしたら、会社の人が優しくて、すごい褒めてくれたんです。それで、「デザインやってみたらいいやん」って言ってくださって。「ほな教えてくれー」ってお願いしたんだと思います。多分。そこだけなんか大胆やな、当時の私。
その頃、その仕事やらせてもらえるのが本当に嬉しかったです。どんだけ残業しても苦じゃなくて。今その頃作ったもの見ると、目を覆いたくなるほどなんですが。会社の方が優しかったですね。すごい喜んでくださって。今思えば、働かせるための方便やったかもしれないですけどね。外注費浮くしね。それでも何でもすごい嬉しかったし、楽しかったです。
そうやって、グラフィックデザイナーという仕事に就きました。
グラフィックデザインなんて、なんだか名前が格好良いけれど、実際は一日中PCに向かってデータを作る、割と地味な作業なんですけどね。
例えると、プリクラの落書きのコーナーに一生張り付いて、一番素敵なプリクラを作るような仕事だと思ってます。楽しそうですか?あなたもグラフィックデザイン向いてますよ!
一括りにグラフィックデザイナーといえど実際はピンキリで、センスと才能で採用された、「選ばれた人」も居れば、私のように会社にやる人が居なくて適当に暇そうな若手に任せたら、本人が存外楽しそうにやっているという状態の人もいるという...
待って、もしかして私みたいな末端の人間がグラフィックデザイナーって名乗るの失礼か?
芸大や美大や専門学校で、お金払って勉強して、作品も沢山作って、ポートフォリオも作って、センスを買われてグラフィックデザイナーになる人もおるのに?
じゃあ、グラフィックデザイナー(仮)にしよう。これからそう名乗ります。
プロの方すいませんでした。読んでないか。
でも今まで、どこに行っても、何をしても、他の人より出来なくて肩身狭い思いをしていたけれど、この仕事だけは、周りの人が褒めてくれて、重宝してくれて、とても嬉しかったです。
社会の役に立てる部分が見つかって、運が良かったなーと思います。
それから10年以上、同じ仕事してます。
昔よりはマシなもの作れるようになったと思います。当時は、A4のアートボード無視して、10倍位のサイズでデータ作ってたな..。データがバカデカいってゆう。
だからもし、あなたが、人よりも出来なくて、やりたいこともなけりゃ、自信もなくて、バイトすりゃレジ金一生合わなくてイジメられてて、そもそも遅刻癖がヤバくてクビになっても、
大丈夫。
人間万事塞翁が馬です。
何とかなります!
とはいえ、遅刻癖は直したほうがいいぞ?友達がおらんくなるからな?
じゃなくて、自分も10年以上デザインだけやってて、流石に、他にも何かできないと、その内会社追い出されるかもって思ってます。昔は結構カスやったけど、今なら出来ると思うんです!この仕事に就けて、続けられたことで、自信もつきました。
まあ、人間万事塞翁が馬ですからね。
自分なりにもがいていれば、大丈夫やろって思って生きていきます。一緒に頑張りましょう!
最後まで稚拙な文章を読んでくださって、ありがとうございました。本当にいい人ですね。
あなたが幸せであるように祈ってます。
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