インデックスファンドの買い足し、買い増しをストップして4年が経ちました。

一昨年、昨年と2年続けて、ゴールデンウィークに自己紹介の記事をつくりました。

2019年版は超大作。

2020年版はこっさり(中身はコッテリ?、量は少しあっさり?)。


今年はどうしようかと考えていたのですが、そんな時、ふと思い出しました。

1年前はこの記事が掲載されていたのだなあ、と。僕の記憶が確かならば、メディア等の取材対応ってこれが最新というか、最後というか、つまり、この記事以来、取材って受けてないはずです(二、三、お断りした記憶もあるような)。

2017年2月以降、インデックスは購入せず

という見出しでスタートしています。事実、2017年2月以降、インデックスファンド(バランスファンドも)の買い増し、買い足しをしていません。

以来4年が経過しました。その4年で起きた僕自身の変化について書いてみようと思います。

2017年2月以降の変化のお話に入る前に、2017年2月までに起きたことを振り返ってみようと思います。

方針、行動を大きく変えたのは、実は2016年1月でした

”インデックスファンドは、もうええわ(おかわりはもう要らない)”ということで追加の買い増し、買い足しを止めたのは2017年2月から、です。しかし、実は、その1年前から、毎月のインデックスファンドへの配分を大きく減らしていました。

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赤字にしたファンドがインデックスファンド(インデックス運用)です。この変更を決断する前は、この3本のファンドが毎月の投資額の51%を占めていました。それを2016年1月に13%まで減らしていたのです。減らし具合としては、2017年2月(13%からゼロ)よりも2016年1月(51%から13%)の方が大きかったわけです。

この変更を行う直前まで毎月定点観測していました。インデックスファンドの投資先の様子です。

最終回となったのが2015年12月末でした。そのデータと直近の様子を見比べてみたのが下の表です。

MSCI -KOKUSAI_ポートフォリオ

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TOPIX_日経225_上位30社

どんな会社に投資するのか、それぞれの投資先の重みをどう付けるのか、それを任せきりにして、市場が付けた「価格」で買い続けることへの疑問、違和感がじわじわと膨らみました。

株式投資のリターン、果実がどこからやって来るのか。投資先の事業活動から生み出された利益、価値。それを評価するのが市場。その価値が認められれば評価が高まる、すなわち、株価が騰がる。何百社、何千社の会社の株式をガバッと一まとめにしたのがインデックスファンド。

そんなに沢山の会社の株式を持つ必要があるのか、全く知りもしない会社の株式を市場が付けた価格で買うってどういうことよ、という疑問、違和感です。市場平均、株価指数に連動した投資の成果を得るためには、沢山の会社の株式を、市場の決めている価格で買う必要があるわけですね。

そこで気づきました。

市場平均、株価指数に連動した投資の成果は、要らない。欲しくない。

それよりも自分が納得できる投資をしよう。僕自身が「このメンバーに託してみたい」と感じたアクティブファンドにお金を預けよう。

当初は、日本の会社のみでしたが、海外の会社にもその方針にしたのが2017年2月でした。

2017年2月以降、僕に起きた変化。

投資信託の月次レポートを、よりしっかりと読む、確認するようになった

何を持つか、どれだけ持つかを自分で決める場合に大事なことは「バイ・アンド・メインテナンス」。伝説のファンドマネジャー Yさんから聴いた記憶があります。バイ・アンド・ホールドではなくバイ・アンド・メインテナンス。投資先がその価値を損なっていないか、あるいは、よりその価値を磨き上げていたりしないか、その変化をしっかり見つめる必要がある、ということですね。これは個別の会社についてのコメントだったわけですが、アクティブファンドにも同じことが当てはまると思います。

月次レポートを通じて、その投資信託の投資哲学は堅持されているか、プロセスは磨き上げられているか、投資先はどんな会社なのか、そういう点を定期的に確認する。これがアクティブファンドを持つなら不可欠のメインテナンスとなります。このメインテナンスが億劫、面倒に感じる人に、アクティブファンドは向いていません。このメインテナンスがアクティブファンドへの理解、信頼を深める最も大事なプロセスです。ですから、月次レポート、運用報告書等の発信、運用報告会等のイベントは、メインテナンスのための非常に大事な資料、材料となります。

投資哲学、プロセスについて、投資先についての発信が乏しく、市況がどうした、株価がああした、というレポートでは、メインテナンスが出来っこありません。当然、検討すら無理。ということになります。

投資先の業績、B/Sへの関心アップ、記録しておきたくなった

これはここ最近感じている大きな変化です。

投資先の業績、B/Sへの関心がさらに高まりました。きっかけは農林中金バリューインベストメンツ #NVIC さんの月次レポートですかね。

レポートでは毎月、投資先の1社が非常に詳しく説明されています。そのデータの中には、業績推移も載せられています。これを眺めているだけではなくて、自分で一次情報に当たってみよう、業績だけではなくてB/Sもどんな感じが確認してみよう、と。で、それを記録しておこう、noteに。

こうして自分で投資信託を通じて出会った会社について、業績の推移、財務状況の変遷を記録する、沿革を眺めてみる。今調べたことを、5年後、10年後、見返したらどうだろう? 面白く読めるんじゃないか、と想像しています。調べる内容を磨いていくことで、将来もっと楽しめる内容に出来るんじゃないか、とも思っています。

この変化の背景には、ろくすけさんのブログがあるような気がしています。

こんな風に分析してアウトプットするっていいなあ、と素直に思いまして。

投資先との対話って、これから関心が高まりそう

ろくすけさんのブログで楽しみにしているのが、株主総会レポートです。

例えば、 #スノーピーク  さん。僕にとっては、  #鎌倉投信 さんの #結い2101 等を通じてご縁のある会社です。そうした会社の株主総会のレポートは、非常に参考になります。

 #SHOEI さん や #前田工繊  さんなんかも、同じく #鎌倉投信  さんのつながりです。

保有しているアクティブファンドで、投資先との対話ってどうなっているのだろう、という関心が高まってきています。対話というのは上述の「メインテナンス」ですものね。僕がスキなファンドは、しっかりと調査、分析の上で判断し、その投資先の株主価値の増加を楽しませてくれるようなファンドです。株主価値の増加という面で、ファンドと投資先との対話が何をもたらすことができるか、は最近、大いに気になっているところです。

頻繁に慌ただしく投資先をコロコロと入れ替えるファンドは僕の好みではありません。その種のファンドは「価格」を追いかけているように見えるからです。対話やメインテナンスはまず無理でしょうし、そもそもそんなこと眼中に無いことでしょう。


ちょっと脱線しましょうか。


息子に教えたいのは、
インデックス運用? アクティブ運用?

もちろん、どちらも教えますよ。問題はどんな風に教えるか、ですよね。

僕が投資信託を毎月買い足して、買い増して資産形成を目指したきっかけ。それは長男の誕生でした。先月、長男は18歳になり、現在、受験生。これまでお金、投資の話は、ほとんどしてこなかったのが実状です。受験が終わったら、いよいよ説明せねば、と考えたりしています。次男はまだ中学生ですが、彼も後に続きます。

彼らに株式投資、資産形成について何を伝えるか。

以前は、インデックスファンド、インデックス運用のことだけでOKかな、と考えていました。若い頃は自己投資が一番、株式投資は取り組むにしても手間をかけず市場平均の結果が得られるインデックス運用を知っていればそれで十分だろう、と。

でも、最近思うのです、間違ってるわ、って。

インデックス運用は上述の通り、手間をかけずにまあまあ、そこそこの結果は得られます。でも、何百、何千の会社をドンとまとめてしまっています。その投資先それぞれについて、どこに価値があるのか、端的に言うと、「ええとこ」を探したりすることなんて無いと思うんです。

でも、アクティブ運用は違います。「ええとこ」を見つけて、それがどのくらい「ええとこ」かを調べて判断、決断する。それがアクティブ運用だと思います。人でも、会社でも、「ええとこ」を見つけて、調べて、判断することって、スゴく大事なプロセスですよね。

もちろん、株式投資以外のところでそんなプロセスを経験することは、いくらでもあります、就職もそうでしょうし、パートナー選びもそれにあたると思います。そうした場面で「ええとこ」を探すのではなく、粗や欠点等が先に目に入ってしまうようになったら勿体ないぞ、と感じるのです。

「ええとこ」を探す、見つける、見極める、そんな力をアクティブ運用は養ってくれる気がするんです。ですから、「ええとこ」を探して、それを信じて決断する、そんな株式投資もきちんと伝えたいと思います。

資産運用、株式投資において、最も避けるべきミス

チャールズ・エリスの「敗者のゲーム」を久しぶりに開きました。

長期に成功する一つの方法は、ミスを減らすことである(これはゴルフやテニスにもあてはまる)。一生懸命やれば、それだけリターンが増えるというわけではないし、リターンを増やそうとしてより高いリスクを取れば、危険性もそれだけ高まる。
- 第2章 それでも市場に勝ちたいのなら

ミスを減らす、ミスをしない。そのために「インデックスファンドを」というお話ですね。

ミスはしたくないし、間違いは避けたい。ほとんどの人がそうでしょう。

(命と同じくらいに大事な)お金が関係する資産運用では、なおのこと、ミスは極力避けるべき、何も無理をすることはない、というのもわかります。

でも、ミスをしたからこそ学ぶことも多いのが実際ではないでしょうか。同時に、資産運用、株式投資でのミスとは一体何なのでしょうか。

資産運用、株式投資、その過程で、最も避けるべきミス。

投資対象を保有することで掛かるフィーやコストをよく吟味せずに判断することでしょうか。分散が十分に効かないような集中投資をしてしまうことでしょうか。あっち、こっちと頻繁に取引を繰り返すことでしょうか。

フィー、コスト。リスクの取り過ぎ。多すぎる売買。

どれもミスと言えばミスだと思います。

でも、僕が考える最も避けるべきミスは違います。

自分の投資している、保有している資産の「価値」は何なのか、自分の投資のリターンはどこからもたらされるのか、それらを理解、納得していないこと。

これが最も避けるべきミスです。

これが覚束無いと長く投資を続けることが困難だと想像するからです。株式投資の果実は時間を与えれば与えるほど大きくなる特徴があるものと考えています。ただ、その過程では評価損を抱えるような時期もあります。そこで退場することなく腰を据えて状況に向き合うには、上記の理解、納得が不可欠でしょう。

ということを、最近、つらつらと考えているのですが、こうした考えも、インデックスファンドの買い足し、買い増しを止めたことで僕の中に起きた変化だと思います。

もう一つ、思い当たる変化があります。

FC東京についてのブログ、twitterでの発信が穏やかなものになりました。2016シーズン、2017シーズンは酷いこと、書いてたなあ、と今にして思うと恥ずかしい。それが変わりました、「ええとこ」を見つけて応援しよう、支えよう、という気持ちが強くなったのかな。まあ、2018シーズンから成績が良くなったから、かもしれません笑 その意味で現在、リーグ戦4連敗とガタガタしている今が試金石だと感じています。

誤解しないでくださいね!

と、ここまでお読みなってこう感じている人もいらっしゃると思います。

インデックスファンド、インデックス運用を貶しているのか!?

と。その意図はありません。実際、僕の資産形成にこれまで大きく貢献してくれているのは確かですし、今も保有している投資信託の残高の半分近くがインデックス運用のファンドとなっています。ですから、インデックスファンドには大いに感謝しています。

自分の投資している、保有している資産の「価値」は何なのか、自分の投資のリターンはどこからもたらされるのか、それらをより深く、自分らしく理解、納得するためには、今、そしてこれからは、僕好みのアクティブファンドを選びたい、ということです。

で、結果として、こうなっているです。

インデックスファンドは、もうええわ。

下のコラムは4年前に書いたものです。ミスとは表現していませんが「タラレバ」として、株式投資、資産運用の実践で大切なことを書いていました。

ぜひご一読して見てください。


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