神吉晴夫さんの著書『編集者、それはペンを持たない作家である』を読んでみた
あることがきっかけで出会った1冊です。
あることがなければ、神吉を(かんき)と読むことさえ知らずにいたことでしょう。
noteには光文社新書さんのアカウントがあります。その最初の記事。
こちらにも神吉晴夫さんが登場されていました。
『編集者、それはペンを持たない作家である』で印象深かった箇所を書き留めておきます。
私の言葉でいえば、現代は「はじめに欲望ありき」の時代なのだ。消費者の欲望をキャッチし、それに呼びかけて、品物をつくって売る、これが現代のセールスなのだ。
編集者と著者の共同作業なのである。これが、私のいう創作出版の方法なのだ。カッパ・ブックスの一冊一冊は、みな、こうして生まれたのである。
「序文を読んだだけで、その本の批評をする人がある。序文を読んで買う人がある。だから、序文は全力をあげて書いてもらう必要があるよ」
アイデアというものは、これまでに蓄積されているいくつもの要素に、新しい組みあわせを与えることであり、ものを新しい角度から眺めなおすということだ。アイデアの九分九厘までは記憶であり、あとの一厘が創意工夫だといってもいい。
アイデアを生む能力とは、熱中の能力なのである。
だから、私の発行する本や雑誌はすべて、若い人たちへの呼びかけである。私は、本や雑誌をとおして、若い人たちに、〈自分をもっと大切にしてほしい〉と呼びかけている。
刺激的でした。何より驚かされたこと。この本の原著『カッパ兵法ー人間は一回しか生きない』が1966年に刊行されたということです。50年以上経った今でも全く色褪せていないことにとても驚かされました。
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