大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術 (著・竹川美奈子さん)
著者の竹川美奈子さんから頂きました。竹川さん、ありがとうございます!
最初に告知をさせてください。
投資信託事情の島田知保さん そして、今回ご紹介する本の著者 竹川さんと一緒に2010年6月から続けている「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)」。
詳しくは以下の記事をご覧いただきたいのですが、プロジェクトは現在充電中です。充電期間にメンバーで研究したいテーマが「企業型確定拠出年金」です。
「企業型確定拠出年金」についてアンケートを実施中です。「企業型確定拠出年金」を実際に利用している方、ご協力してくださると嬉しいです。よろしくお願いします。
告知は以上です。
このツイートでもご紹介されていますが竹川さんはNISAやiDeCoの制度を詳しく、わかりやすく説明する本を世に送り出されています。
今回は来年からスタートする「新NISA」についての本です。
新NISA、とても魅力的だと感じます。
期間が無期限。1800万円の枠が維持される(売却、解約しても翌年には枠が復活)。
これまでのNISAとは別物と言ってもいい。今回の本を読んであらためてそう思いました。
ただ変わらない、変わっていないこともあります。
本の162ページ。Q&Aの21問目
NISA口座で買った株や投信が値下がりしたらどうなりますか?
答えとしてこう説明されています。
”何もメリットはありません。ほかの口座と損益通算できない分、不利になります。”
NISAで得られる税制優遇で最も大きなものは売買益に対するものでしょう(配当金、普通分配金も優遇がありますので)。値上がり益が実現しないとその税制優遇、「税金がかからなかった!」は起こりません。
そして、値下がりした状態、つまり損失発生した売却・解約の場合、他の口座に比べると「不利」になります。
こんなことを書くと、評価益がある間に売却しなきゃ、いわゆる「利確」のことを考えられるかもしれませんが、それはちょっと違うと思います。というのも、NISAを利用される多くの人は、「税金がかからなかった!」という気持ちを味わうために、株式投資をするわけではないだろう、と考えるからです。
税制優遇という言葉から「どれだけの税金をセーブできたか」というところに関心を寄せてしまう人もいるかもしれませんが、NISAで関心を寄せるべきはそこではないと僕は思います。
時間をかけて、無期限というメリットを活用して、どれだけ大きく資産を育てることができたか、だと思います。ですから、売却・解約しても翌年には枠が復活するからといって毎年、毎年、「利確」するのはどうなんだろうなあ、と思ったりします。もちろん、毎年、毎年、「利確」の方が良い結果になる可能性もあるので、そこは個々人の自由ですけれど。年末が近くなると「ここで一旦売却・解約した方が良いでしょうか」みたいな話が増えるかもしれないな、とは思います。
本の「おわりに」で竹川さんはこう述べられています。
”NISAは器です”
その通り!と思います。上記の通り、NISAの大きなメリットは多くの場合、値上がり益に対してのものです。値上がり益が大きくなるのは、投資したお金で手にした株式や投信が時間をかけてより大きな評価を得て、その評価を実現させた時です。
最も大事なことは器に何を入れるのか。どんな会社、資産に投資するか、です。それに加えてどれだけその中身に時間を与えてあげたか。僕はそう考えます。
長期的に新しい価値を創り、社会に貢献できる会社やそんな会社で構成されるポートフォリオに投資していれば、毎年末に「一旦、利確する?」ということも考えなくて済むのでは、と僕は思います。
投資を通じて、自分がどんな会社、どんな事業に関わっているのか、どんな人たち、チームがその仕事を成し遂げてくれているのか。投資している会社の株価ではなく事業や価値により大きな関心を寄せる。NISAがそれを後押しするようになってくれたらいいなあ、と感じています。
今回の本を通じて新NISAについて内容を確認する、学びの機会をくださった竹川さんに深く感謝です。ありがとうございました!
NISAについて確認したい、学びたい人にとって有益な一冊になると思います。
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