出会いは一度きりかもしれない。大事なのは、それをどう受けとめるのか、それに何をみつけるのか
「もしも、この世界が・・・だったら」
そんな設定がいくつか登場し、それにあわせたストーリーが展開します。
「一度しか出会えなかったら」「一生に一度しか恋ができなかったら」
これらの設定ある仮想の世界のストーリーの結末には、切なく哀しいものが多く、そんな設定なんて無い現実の世界、この国もいい場所なんだ、そう思えました。
15のショートストーリー。特に強く印象に残った2つのストーリー。
一つは『誰もがなりたかった者になれるなら』。
このストーリーには、そこで初めて出会った2組が主人公です。
「なりたかった者になれる」
その願いが叶った時、どう感じるか、何を見つけるか。
主人公の2組の判断が対照的でした。
2組目が見つけたものに強く共感しました。
もう一つは『好きな人の近くにずっといる方法』。
ただ一度の出会いでとても大事な決断をすること。
ただ一度の出会い。それにどう向き合うのか。
もう一度会えないか、より多くの時間を過ごしたいか。チームになってみたいか。
このストーリーは恋愛ものですが、それだけではない。そう思わされました。
すみません、株式投資の話と絡めてしまいます。
その会社の商品やサービス、その事業、あるいは、はたらく人たちと出会って、この会社と、この人たちとチームになってみたい。
たった一度の出会い、ほんのひとときを共に過ごしただけでも、そう思わされることがあります。
その想いが元でその会社に投資することがあります。
人と人と出会い、とりわけ恋愛の場合、「もう一度会いたい」と思っても叶わないことがありますが、株式投資の場合、その会社が上場会社ならその想いはお金で叶えることができます。
話を戻しましょう。
出会いは一度きり。そうなってしまうかもしれない、
でもその出会いをどう受けとめるのか、それに何をみつけるのか。
もちろん、すべての出会いを同じように受けとめることなんてできない。
不義理してしまっている出会いもめちゃくちゃたくさんあります。
でも、だからこそ、一度きりかもしれない出会いのことを、すこしちゃんと考えてみたくなりました。
著者の林伸次さんはバーテンダー。
一度きりかもしれない出会いを毎日繰り返されています。そんな毎日を過ごし、それを仕事にされているからこそ生まれた作品が今回の小説だと思います。
林さんのお店、bar bossa の存在を知ったのは、noteでした。
そこに導いてくれたのは、小川大介さんです。小川さんはツイートでよく林さんの記事を紹介されていました。
小川さんと出会ったのは2019年3月のことでした。
このイベントで初めてお目にかかりました。そこからツイートなどなどで接点が増えて。僕が企画に関わっていたイベントに小川さんがお越しくださったり。
bar bossaに初めてお邪魔したのは、小川さんのアレンジでした。それをきっかけに何度かbossaにお世話になる機会が出来るようになりました。
二十歳になったばかりの長男と最初のサシ呑みでもbossaにお邪魔しました。
こうしたことを思い起こすと、一度きりかもしれない出会いにどんな想いを抱くのか、それに何をみつけるのか、注ぎ込むのか、が人生を変えているのかもしれない、って感じます。
その小川さんですが、先日、福島県郡山市でお店を始められました。
小川さんのお店で、林さんがご自身の本の姿を借りてコーヒーを飲まれているような感じ・・・かもしれませんね。
小川さんに刺激を受けた。というわけではないのですが、お店を始めてみました。
最初に取り扱わせていただくのが、林さんの作品です。
色々と手探りで不慣れなお店に、快くご協力してくださった林さんに心から深く感謝しています。ありがとうございました。
こうやって本に関わってみて、あらためて思ったのは本(電子書籍ではなく)の魅力を大いに感じました。
著者の林さんにお店でインタビューさせていただきました。ぜひお聞きください。
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