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戦略とは・・・ ”『何に』投資をするか、という観点をもって意思決定していくこと”

「戦略」って何なのだろう?

就職して25年経ちました。仕事で、日々の暮らしで、趣味においても至るところで聞かれます。しかし、「戦略って何?」となると、その場、その場で全然、その意味が異なると強く感じてきました。ちなみに、私の勤務先は「戦略会議」なるものが大好物なのですが、会議が終わると毎度、「戦略が討議されていた?」と強烈な違和感を感じています。

「戦略」って何なのだろう。2つの文字を読めば「戦いを略す」わけですね。

こちらの本の「5時限目 売らない株を買えばいい」にこんな説明があります。

「今更その人たちの向こうを張って勝負しようだなんて、誰も思わないほど圧倒的に強いか?」

本の著者、農林中金バリューインベストメンツ #NVIC  奥野一成さんのお話では毎度、「圧倒的な競争優位性」「高い参入障壁」を説明する際に、何度も何度も繰り返し強調されるフレーズです。

「勝負しようだなんて、誰も思わない」状態、これまさしく「戦いを略す」ですね。

「勝負しようだなんて、誰も思わない」状態にするための、仕掛け、仕組みが「高い参入障壁」と考えることができます。つまり、そうした「高い参入障壁」をつくるための考え方、行動が「戦略」と呼ぶべきものなんですよね。

#瀧本宿題  に関連して、つくられたこの記事。

瀧本哲史さんに関わりのあった(羨ましい!)松本勇気さんのインタビュー。

そのなかでも瀧本先生から得た最大の学びは、「戦略が一番大事だ」ということに尽きるでしょう。戦略というとみんな、どう売り出していくかとか、どういう機能を実装するかとか、枝葉末節に行きがちなんですが、僕は「『何に』投資をするか、という観点をもって意思決定していくことだと思っていて、
限られたリソースのなか、ゴールにたどりつくため、優先リストの中でも本当の本当に「最上位」に来る優先事項をしっかり決め、それに合致する行動をとることが重要なんです。

「戦略」についてのコメントが非常に印象的でした。

優先順位を決めること、それにしたがって、何に、どこに「投資」、資源を配分するのか意思決定すること、が「戦略」だと読み取りました。

何に、どこに「投資」、資源を配分するのか、その意思決定が

キャピタルアロケーション

です。

キャピタルアロケーション

実は、奥野さんが2015年に書かれた文章で非常に印象的な箇所が記憶に残っています。

私は、経営者の機能を①キャピタルアロケーション(=どの事業に資源を配分するのか)と②ビジネスマネジメント(=選択した事業を適切に運営する)に分けることができると考えている。どちらも重要であることはいうまでもないことだが、現在のように変化のスピードが速い経営環境において、長期的な企業の姿を決定づけるのは、キャピタルアロケーションではないだろうか。ウォーレン・バフェット氏の言葉を借りるなら「どれだけ効率的に舟を漕げるかという点よりも、どの舟に乗り込むかという点が根本的に重要だ」ということである。
京都企業が世界を変える 企業価値と株式投資(2015年)

キャピタルアロケーション。大事なことは、松本さんが指摘されていた「優先順位」との関係性ではないでしょうか。つまり、「優先順位」が示されていない、それとの関連がハッキリしないキャピタルアロケーションでは意味がないのでは、と。経営者の独りよがりなキャピタルアロケーションは「戦略」たり得ない、ということことに。

農林中金バリューインベストメンツさんの昨日のプレスリリースです。

奥野さんがこんなことをコメントされていました。

オーナーとして知りたいであろう情報、つまり、投資先企業がどのよ うに「構造的に強靭な企業」の条件を満たしているのかを報告します。長期投資をしてもらうにあた って、もちろん、運用のパフォーマンスは重要ですが、僕たちは投資先に納得感を持ってもらうことを重要視しています。

「構造的に強靭な企業」の条件、これが「優先順位」と私は考えています。それに対する「納得感」を重要視している、と説明されています。

優先順位に合致しているか、それへの納得感

戦略にせよ、投資にせよ、多くの場合、実行して直ぐに目に見える所期の結果が出てくることはありません。粘り強く、また、行動を微調整しながら、相応の時間を掛けてゴールを目指すわけです。ですから、優先順位は何なのか、今の行動はそれと関連してハマっているか、という納得感が非常に重要だと私は思います。

アクティブファンドのお話になっちゃいます笑

結局、アクティブファンドのお話になってしまうんですけど笑、優先順位は何か、それと関連して今のポートフォリオは整合しているのか、というお話が出来ているファンドがあまりに少ないように思われてなりません。多くのファンドは、毎月レポートを発信しています。が、そこに書かれているのは、日々の価格の変動がほとんどです。しかし、それは「戦略」を示していることにはなりません。ほんの短期間の行動の結果です。

自分たちの投資の意思決定の優先順位を、投資先がその優先順位とどのような点で合致しているのか納得できるだけの説明を、しっかりと丁寧に示してくれる、その努力を弛まず続けてくれる、アクティブファンドが増えて欲しい、そう切に願っています。

私の独断と偏見ですが、この観点でしっかりとした姿勢を示していると評価できるのが下記の会社です。

https://www.nvic.co.jp

納得感のその前に

私自身、納得感をとても大事にしていますし、それが信頼を深めていくわけです。しかし、その納得感の前に、「好き嫌い」といいますか、フィーリングといいますか、そのファンドがハートに突き刺さっている、ハートを射抜かれている、といいますか、そういうものがベースにあるかないか、なんですよね。表現が難しいのですが、Webサイトやレポートを見ていて、読んでいて、すると、その言葉がハートを突き刺す感じ。これが無いと興味が湧いてこないんですよね、正直なところ。


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renny | 投資家
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