世の中を良くする企業ファンド(野村日本株ESG投資) の月次レポート #2
”世の中を良くする企業ファンド” と銘打ったファンドの月次レポート 2号が閲覧可能になりました。
↓ 第1号を眺めてみた記事です ↓
#月次レポート研究所 としては第2号で前進、進歩が見られたか、大変気になるところでしたので確認してみました。
2号を眺めてみて評価したいことを2つ、書いておきます。
その1 は投資行動について明瞭に報告していることです。
主な売買は、中期でのCFROIC(投下資本キャッシュフロー率)の見込みに大きな変化はないものの、製造業の設備投 資回復を捉え好調な第一四半期決算を発表したことにより短期的に株価が高水準で推移していた電気機器株を一部売却 し、組入比率を引き下げました。一方で、エンターテインメント事業において短期的な巣ごもり需要の反動減が懸念されて 株価が軟調に推移していたものの、中期的にはその反動を乗り越えて成長し、高いCFROICが見込める電気機器株を買い 増しし、組入比率を引き上げました。なお、当期間において新規組み入れ・全売却はありません。
個人的に評価しているのは、太字の部分です。
新規組み入れ・全売却はありません。
より気になるのは「全売却」です。なんといっても「世の中を良くする企業」ですからね。保有している株式をぜーーんぶ売却するということは「世の中を良くする企業」とは言い難くなった可能性が考えられます。その会社の市場の評価(株価)があまりに騰ってしまって「ちょっとこれは過大評価でしょ」ということで全売却もあり得ると思います。そうしたケースは「会社自体は世の中を良くしているんだけど、高杉です」とかそんな風に説明してくれたらいいですねえ。
その2 投資先の紹介で「対話」についてコメントされていたこと!
投資先のリクルートホールディングスについて紹介されているのですが、ファンドの運営に携わる人と投資先との「対話」について具体的に説明されていました。これは大いに評価したいですね。
2021年5月17日、同社はESG(環境・社会・企業統治)に関する具体的な目標を決め、2030年度の達成を目指すと発表しまし た。中でも社会面において、2030年度までにテクノロジーとデータを駆使してマッチング(ニーズの合致)を効率化し、就業ま でに掛かる時間を2021年度比で半分に短縮。さらに雇用市場にある障壁を低減することで、2021年度から2030年度までに累 計3,000万人の就業を支援するとしています。 これまで、同社IR(投資家向け広報)部門の方々と意見交換をする中で、当ファンド運用者は「本業による社会貢献をより定量的に示す事ができないか」と伝えてまいりました。当ファンドだけではない多数の投資家の意見も踏まえてだとは思いますが、 同社がこのような社会面での定量的な目標を示した事は開示面での前進と考えます。
投資先との「対話」について、その内容を発信することで、ほんのちょっとだけかもしれませんけれど、世の中を良くする後押しになるのでは?と思っています。
残念なのは、前回の月次レポートが見当たらないこと。とても残念ですね。
当研究所の吉田さんの記事です。
この流れですので3号もチェックしなきゃいけませんね。3号にも注目です。